去年はここでベストリザルトの2位を記録しました。日本人の過去最上位ということでたくさんの人から連絡をもらい、インディカーのことを知ってもらえたと思うので、うれしかったですね。時間が経つにつれてよかったと思えるようになっていったんですが、レース後は勝てなかったことのほうが悔しくて、「勝てなかったコース」という印象が大きかったです。
ここもコースの外側がすごくバンピーで、大きさは違いますが、特徴としてはカンザスに似ています。ターン1(A)は路面もスムーズで走りやすいんですけど、ターン2(B)はすごいバンプがあるので、クルマのバランスが変わりやすい。ターン1(A)からのライン取りがけっこう重要で、うまくアプローチできればいいんですが、少しでも外すとクルマへの影響が大きいです。
全長が0.875マイルで2番目に小さいコースですから、バック・ストレート(C)も一瞬です。ターン3(D)はターン1(A)に比べてクルマがオーバーステアっぽくなり、リアが軽めになるのでターン1(A)よりも慎重に進入しないと。次のターン4(E)はターン3(D)でクルマが決まっていれば全然問題ないですが、そうでないとターン4(E)まで響きます。ここはターンが2つあるというより、1つの大きなカーブのようですね。
他のオーバルと違い、フロント・ストレッチ(F)もバンクがついていて、直線を斜めになって走るだけに少し不思議な感じです。短いコースなのでオーバーテイクがすごく難しく、去年、僕らがうまくいったように、燃料をセーブしたクルマが上位に来る可能性が十分にありますし、そのあたりがレースの見どころになってくると思いますよ。
去年はプラクティスからクルマの調子がすごくよく、決勝でもうまくいったので、また同じようなクルマの状態で週末に臨めればいいですね。1年経ってライバル勢も進化しているでしょうから、そう簡単にいくとは思いませんが……。今度こそ「勝てなかったコース」というイメージを吹き飛ばしたいです。
2008年成績:予選7位 決勝2位
バンクがついたフロント・ストレッチからターン1へとアプローチする武藤英紀