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インディカー・シリーズ

round 11

SCHEDULE

June 27 2015, RACE MAVTV 500

アメリカフォンタナ

グレアム・レイホールがフォンタナの500マイルレースで優勝
マルコ・アンドレッティも3位で表彰台
佐藤琢磨はトップ争いを繰り広げるもレース終盤でクラッシュ

2015年6月27日(土)・決勝  会場:フォンタナ・オートクラブスピードウェイ  天候:曇り  気温:30〜33℃

アメリカ西海岸、カリフォルニア州ロサンゼルスから内陸に入ったフォンタナにあるオートクラブスピードウェイが、今季2戦目となる500マイルレースの舞台。シーズン最後のレースとして定着した感のあったフォンタナでの500マイルレースですが、今年は第11戦として6月下旬に開催されることとなりました。

  • グレアム・レイホール(中央)、マルコ・アンドレッティ(右)グレアム・レイホール(中央)、マルコ・アンドレッティ(右)
  • グレアム・レイホール(#15)、佐藤琢磨(#14)グレアム・レイホール(#15)、佐藤琢磨(#14)
  • (左から)グレアム・レイホール、佐藤琢磨(左から)グレアム・レイホール、佐藤琢磨
  • グレアム・レイホールグレアム・レイホール
  • 佐藤琢磨(#14)佐藤琢磨(#14)

予選日の日中には気温が35℃まで上昇しましたが、決勝が行なわれた土曜日は雲の多い一日となり、暑過ぎない快適なコンディション下で、500マイルの長距離レースが開催されました。

午後1時半過ぎに23台のインディカーがグリーンフラッグを受け、時速220マイルに迫るハイスピードバトルはスタートしました。見事なダッシュを決めてトップに躍り出たのは、予選3番手のマルコ・アンドレッティ(Andretti Autosport)でした。16番手だったライアン・ブリスコー(Schmidt Peterson Motorpsorts)もオーバーテイクを重ね、レース序盤でトップグループへの進出を果たしました。また、9番グリッドからスタートした佐藤琢磨(A.J. Foyt Racing)も、47周目にトップに立ちました。

レースが中盤戦に入ると、予選19番手から大きくポジションを上げてきたグレアム・レイホール (Rahal Letterman Lanigan Racing)もトップグループに参画しました。プラクティスから決勝用セッティングにフォーカスしていた彼は、レースで周回を重ねる中で着々と順位を上げ、中盤でトップ争いに加わり、136周目にトップへと躍り出ました。

500マイルの長距離でありながら、スプリントレースのように息をつく間もない激しさで戦いが展開され、アンドレッティ、ブリスコー、佐藤、レイホール、そしてカルロス・ムニョス(Andretti Autosports)と、5人のHondaドライバーによってトップの座が争われました。白昼の高速バトルは緊迫したままクライマックスへと突入。レイホール、アンドレッティ、ブリスコーがトップを争い、佐藤は他車との接触によって1ラップダウンからリードラップに戻り、さらにはトップグループにまで復活してみせました。しかし241周目、佐藤はポジションを争っていた2台の間に挟まれてクラッシュ。これでレースには赤旗が出されました。

コースの清掃が終ってレースが247周目に再開されると、レイホールはトップをキープし、リスタート直前にタイヤ交換を行なったアンドレッティもトップの座を狙える位置にいました。そして、ゴールまで2周となるピット前ストレートで、ブリスコーとライアン・ハンターレイ(Andretti Autosport)と接触。イエローフラッグとチェッカーフラッグが同時に振られ、レイホールが今シーズン初勝利、2008年の開幕戦セント・ピーターズバーグ以来となるキャリア2勝目を挙げました。アンドレッティは3位でゴールし、今シーズン2回目の表彰台に上りました。レイホールとアンドレッティ以外にも、ジェイムズ・ジェイクス(Schmidt Peterson Motorsports)が7位、ジャック・ホークスワース(A.J. Foyt Racing)が10位と、Hondaドライバー4人がトップ10フィニッシュを達成しました。

また、今日のレースではインディカーシリーズの新記録が樹立されました。フォンタナでのリードチェンジは2001年の73回がこれまでの最多でしたが、今日のレースでは80回ものリードチェンジが記録され、フォンタナのみでなく、インディカーシリーズ全体のリードチェンジ回数の新記録が生まれました。

シリーズ第12戦は1週間のインターバルの後、ウィスコンシン州ミルウォーキーの伝統ある1マイル・オーバルで開催されます。

コメント

グレアム・レイホール(優勝)
「ついに勝つことができました。本当にうれしく思います。優勝までにはとても長い時間がかかりましたが、私たちのチームは努力を続け、ついに勝利をつかみとりました。今シーズンの私たちは、全レースで優勝争いに加わることを目標に掲げ、クルーたちは献身的な働きを続けてくれています。彼らには感謝しても感謝しきれないほどです。今日はレースを通じてマシンがすばらしいハンドリングになっていた上、エンジンにはパワーと燃費のよさが備わっていました。Hondaが休みなくハードワークを続けてくれたおかげです。彼らの情熱には脱帽です。それにしてもすごいレースでした。あれだけ接触ギリギリのバトルを続けられたのは、ドライバーたち全員がお互いを尊重して戦っていたからです。今日サーキットに来ていたファンは、インディカーによる最高のエンターテインメントを堪能してくれたと思います」

マルコ・アンドレッティ(3位)
「今日のレースは集団で走り続けるパック・レーシングになっていました。誰もアクセルを戻さず、前進と後退、左右へのライン取りの変更を繰り返していました。私自身はそうした戦いを楽しんでいましたが、非常にリスクの高いレースになっていたのも事実です。ただ、ファンにとっては最高のショーになっていましたね。激しいトップ争いを展開したのですが、優勝まではあと一歩届きませんでした。最後の最後でラインをイン側にとったのは、判断ミスだったかもしれません。レイホールがそうすることを予見し、逆に動くべきでした。あの一瞬にコースの外側、バンクの高い方へとラインを取っていたら、優勝したのは私たちだったでしょう」

佐藤琢磨(18位)
「本当に残念です。アクシデントが起きたとき、私が戦っていた相手は経験が豊富なドライバー2人でした。しかし、彼らが両側から私のラインをせばめるように寄ってきたのです。私はすでにマシンの3分の2を彼らの間に突っ込んでいたため、接触を避けきれませんでした。今日のマシンは本当にすばらしいハンドリングになっていて、コースのどんなラインでも走ることができました。トップレベルのマシンの状態でした。イエローのタイミングの悪さから1ラップ遅れに陥りながらも、ばん回して優勝争いへと戻ることもできました。もう残り10周を切っていましたが、トップ5に食い込むことができればチャンスはあると考え、狙い通りにトップ5に進出できました。優勝するつもりで走っていただけに、非常に残念な結果です。しかし、今回のマシンのよさは大きな自信につながります。もうひとつ残された高速オーバル、ポコノでは再びトップ争いができるでしょう。次戦からの2レース、ミルウォーキーとアイオワというショートオーバルでの戦いも楽しみにしています」

スティーブン・エリクセン│HPD副社長
「グレアム・レイホールがすばらしい走りで優勝を飾ってくれました。今シーズンの彼とRahal Letterman Lanigan Racingは何度も優勝まであと一歩のところにきていましたから、今日こうして表彰台の中央に立つことができて、本当によかったと思います。彼らにおめでというという言葉をかけたいです。レイホール以外にもマルコ・アンドレッティ、ライアン・ブリスコー、そして佐藤琢磨、カルロス・ムニョスといったHondaドライバーたちが力強い走りで優勝争いを繰り広げてくれました。ダウンフォースを多くした空力ルールによって非常に多くのオーバーテイクが見られ、1周ごとに順位が次々と入れ替わる緊張感あふれる戦いとなっていました。多くのHondaチームはマシンに高い戦闘力を与えることに成功し、エキサイティングなレースを戦っていました。今日のレースではいくつもの勇気づけられる要素が見られました。Hondaエンジンは、レースを通して信頼性の高さを見せ続け、燃費のよさをアドバンテージにしていました。この勢いを保ち、ミルウォーキーとアイオワのショートオーバルでの戦いに臨みます」

決勝リザルト

順位 No. ドライバー エンジン 周回数 タイム/差
115グレアム・レイホールHonda2502:57'40.6179
210T.カナーンシボレー250+0.3157
327マルコ・アンドレッティHonda250+1.2490
42J.P.モントーヤシボレー250+2.1182
58S.カラムシボレー250+2.9539
69S.ディクソンシボレー250+3.6092
77ジェイムス・ジェイクスHonda250+4.9846
883C.キンボールシボレー250+5.3595
922S.パジェノーシボレー250+7.4054
1041ジャック・ホークスワースHonda250+9.5128
 
1126カルロス・ムニョスHonda250+11.6907
1318ピッパ・マンHonda250+24.3450
1528ライアン・ハンターレイHonda249+1Laps
165ライアン・ブリスコーHonda249+1Laps
1719トリスタン・ボーティエHonda246+4Laps
1814佐藤琢磨Honda241+9Laps
2098ギャビー・シャヴェスHonda237+13Laps

ポイントスタンディング

ドライバー
順位 No. ドライバー エンジン 総合ポイント
12J.P.モントーヤシボレー407
21W.パワーシボレー361
39S.ディクソンシボレー358
415グレアム・レイホールHonda334
53H.カストロネベスシボレー330
627マルコ・アンドレッティHonda308
711S.ブルデーシボレー290
810T.カナーンシボレー285
967J.ニューガーデンシボレー277
1022S.パジェノーシボレー256
 
1226カルロス・ムニョスHonda236
1314佐藤琢磨Honda213
1428ライアン・ハンターレイHonda210
157ジェイムス・ジェイクスHonda190
1698ギャビー・シャヴェスHonda178
1741ジャック・ホークスワースHonda171
205ジェームズ・ヒンチクリフHonda129
2219トリスタン・ボーティエHonda91
2318コナー・デイリーHonda81
245ライアン・ブリスコーHonda75
2525シモーナ・デ・シルベストロHonda66
2818ピッパ・マンHonda46
2918ロドルフォ・ゴンザレスHonda40
3019フランチェスコ・ドラコーネHonda38
3218カルロス・ウエルタスHonda31
3348アレックス・タグリアーニHonda27
3525ジャスティン・ウィルソンHonda25
3619ジェームス・デイビソンHonda10
3732オリオール・セルビアHonda10