IATC 2018 | 総集編

エールデがチャンピオンに輝く
埜口は3勝し年間2位となる

2018年シーズンのイデミツ・アジア・タレント・カップは、6大会12レースで開催された。タイトルを獲得したのは、3勝を含め8度の表彰台登壇と、安定した成績を残したビル・ヴァン・エールデ。オーストラリア出身のライダーとして初の栄冠に輝いた。25ポイント差で年間2位となったのは、同じく3勝を挙げた日本人ライダーの埜口遥希。最終戦マレーシア大会のレース1で今季初優勝を挙げた西村硝は、年間3位でシーズンを終えた。

3月17日に行われた開幕戦カタール大会のレース1を制したのは埜口。翌日行われたレース2ではエールデがその埜口を0.013秒差でかわして勝利を挙げ、オーストラリア人ライダーとして同シリーズ初勝利を記録した。開幕戦を終えて埜口がランキング首位、エールデが11ポイント差の2位でシーズンをスタートさせる。

埜口は、1週間後に行われた第2戦タイ大会でも引き続き好調を維持。レース1、レース2をともに制し、早くも今季3勝目を挙げた。エールデは、レース2で埜口と最終ラップまで続く激しい一騎打ちを繰り広げ、2位表彰台を獲得。ポイントランキングでは埜口がリードを広げ、首位を堅持した。エールデが25ポイント差の2位、インドネシア出身のマリオ・アジが17ポイント差の3位で、ランキング上のオーダーは前週と変わらなかった。

ランキングに動きが出たのは、4カ月のブレークを挟み、7月に行われた第3戦マレーシア大会。エールデがレース1で2位表彰台を獲得。続くレース2でもシーズン2勝目を挙げ、ポイントランキングで埜口をかわして初めて首位に躍り出る。レース2で3位表彰台を獲得した埜口は、エールデと4ポイント差のランキング2位。レース2で2位表彰台を獲得した西村はランキング4位に浮上した。

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さらに2カ月のサマーブレークを挟み、第4戦は10月にタイで行われた。レース1、レース2をともに制したのはマレーシア出身のダニエル・シャリル。この結果、ランキング上でも3位に浮上を果たす。レース1の2位にはエールデ、3位には埜口が入り、エールデはポイントランキングで埜口との差を7ポイントに広げた。

前戦に続いてMotoGPと併催になった第5戦は、日本・ツインリンクもてぎが舞台に。この大会ではホームレースに奮起した日本人ライダーの活躍が目立ち、レース1で松山拓磨が今季初勝利を挙げると、続くレース2も制してダブルウインを挙げた。西村はレース1で2位表彰台を獲得、レース2では埜口が2位につけた。ポイントランキング上では、レース2で3位につけたエールデが首位を堅持。12ポイント差の2位に埜口、3位にシャリル、4位に西村というオーダーで最終戦へと臨んだ。

2週間後にマレーシアで行われた最終戦はタイトル決定戦となった。雨の中で行われたレース1は大接戦となったが、西村がシャリルを0.238秒差でかわして今シーズン初勝利。タイトルを争う埜口が4位、転倒を喫したエールデが11位に終わったことで、2人の差は4ポイントまで縮まるも、迎えたレース2でエールデが今季3勝目を挙げ、見事シリーズチャンピオンに輝いた。

- POINTS -

順位 ライダー マシン 総合
1ビル・ヴァン・エールデオーストラリア199
2埜口遥希日本174
3西村硝日本150
4ダニエル・シャリルマレーシア147
5マリオ・アジインドネシア123
6タットチャコーン・ブアラシタイ108
7松山拓磨日本101
8ラッキー・ヘンドリアンシャーインドネシア87
9アグン・ファクルールインドネシア75
10アフリザ・ムナンダルインドネシア59
11アデナンタ・プトラインドネシア59
順位 ライダー マシン 総合
12千田俊樹日本56
13コップチャイ・セイリゥタイ54
14平間光司日本51
15ワリット・ソングノパクンタイ42
16山田尚樹日本40
17セナ・アギアスオーストラリア38
18イブラヒム・パウィマレーシア34
19トロイ・アルバートフィリピン21
20木内尚汰日本15
21ニティポン・セインサワンタイ15
22ベンジャミン・ベイカーオーストラリア8

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