レース1で埜口とアジが熱戦を繰り広げる

タイで行われたイデミツ・アジア・タレント・カップの第2戦レース1で、埜口遥希とマリオ・アジが熱い戦いを繰り広げました。2人の争いは最終ラップの最終コーナーまでもつれ込みました。そして3位争いを制したのは、開幕戦のレース1で優勝しているビル・ヴァン・エールデでした。

埜口とアジはスタート直後からレースを支配し、後続とのギャップを広げます。最初はコンマ数秒だった後続との差は次第に広がり、2人の一騎打ちの様相を呈します。アジは先行する埜口の背後につけ、チャンスを狙います。

最終ラップの最終コーナー、「スーパー・マリオ」の愛称で知られるアジが埜口のインに入り並びますが埜口も粘ります。埜口がリードを守ったままチェッカーフラッグを受け、遅れること0.7秒差でアジがフィニッシュしました。

そして、混戦の3番手グループから抜け出て3位の座を射止めたのはヴァン・エールデ。さらにダニエル・シャリル、アフリザ・ムナンダルが続き、2秒間に10選手が入る接戦でした。

ワリット・ソングノパクンは6位に入り、ホームレースで見事ポイントを獲得。アデナンタ・プトラ、コップチャイ・セイリゥ、タットチャコーン・ブアラシと続き、西村硝が10位でフィニッシュしました。

ヴァン・エールデをかわした埜口がレース2でも勝利

レース2はビル・ヴァン・エールデとランキングトップの埜口遥希が熱戦を繰り広げ、開幕戦のレース2を思い起こさせる展開となりました。しかし開幕戦と違い、この接戦を僅差で制したのはベテランの埜口。そして、アフリザ・ムナンダルがわずかな差で3位となりました。

フロントローからレース2に臨んだマリオ・アジは、トラブルでスタートすることができずにその後リタイア。前日のレース1のようにはいかず。反対に好スタートを切ったのは、ポールポジションの埜口とヴァン・エールデ。ヴァン・エールデは埜口に食らいつきチャンスを狙います。

その後は、数台がトップグループでもみ合うイデミツ・アジア・タレント・カップらしい展開に。しかし、最終ラップに入るとヴァン・エールデと埜口が集団を抜け出し、一騎打ちで首位の座を争います。ヴァン・エールデが仕掛けて埜口の前に出ようとしますが、サイドバイサイドでホームストレートに。そのままチェッカーフラッグを受け、わずか0.005秒差で埜口が勝利しました。

ヴァン・エールデから0.1秒強遅れてアフリザ・ムナンダルが3位に入り、ワリット・ソングノパクンが地元タイのライダーでトップとなる4位でフィニッシュしました。

5位争いはコップチャイ・セイリゥが制し、アグン・ファクルールが6位に。ダニエル・シャリル、木内尚汰、セナ・アギアスと続き、イブラヒム・パウィが10位に入りました。

イデミツ・アジア・タレント・カップの第3戦は、7月にマレーシアのセパンインターナショナルサーキットでスーパーバイク世界選手権と併催されます。