Round03マレーシアマレーシア

2018年7月28日(土)~29日(日)

会場:セパン・インターナショナル・サーキット

天候:28日/33ºC、29日/37ºC

路面温度:28日/36ºC、29日55ºC

湿度:28日/61%、29日/42%

コンディション:28日/ウエット、29日/ドライ

両レースで表彰台を獲得したヴァン・エールデがランキングトップに浮上

ヴァン・エールデとの一騎打ちを制したアジが勝利

セパン・インターナショナル・サーキットで、第3戦マレーシア大会のレース1が7月28日(土)に開催されました。今大会はマレーシアスーパーバイク世界選手権との併催に。天候が定まらず、難コンディションの中での戦いとなったレース1では、マリオ・アジがビル・ヴァン・エールデを僅差で破り、イデミツ・アジア・タレント・カップでの初勝利を挙げました。ポイントリーダーの埜口遥希はターン1でクラッシュを喫し、今季初のリタイアとなりましたが、ランキングトップの座は守っています。ポールポジションから挑んだ地元ライダーのダニエル・シャリルは表彰台フィニッシュを果たし、地元ファンを沸かせました。

レース序盤では、日本人ライダーの埜口がホールショットを狙うも、無念のクラッシュ。これにより、埜口の後方でトップに躍り出るチャンスをうかがっていたアジが首位に立ちます。そのままアジはレース前半でリードを保つも、ターン11でヴァン・エールデに首位を奪われます。しかしその後、アフリザ・ムナンダルを含むトップグループが首位をめぐってバトルを繰り広げている隙をついてトップに返り咲きました。その後方では、ポールシッターのシャリルが4番手でトップ集団を追いかけます。

ウエットで始まったレースでしたが、残り10周で日が射したことにより、路面は急速に乾き始めます。アジはハイサイドにより転倒しかけるもなんとかセーブ。しかしその影響により、トップ3の後方へと順位を落としてしまいます。同ラップ、ムナンダルも埜口が転倒を喫したのと同じセクションでマシンをうまく制御することができず、順位を落とします。

この結果、前方スペースが空いたことでアジが再びトップに浮上。後続との差を広げながら走行を続けましたが、残り4周のターン1でヴァン・エールデが再びトップへ。しかし、アジも負けじとターン9でヴァン・エールデにアタックしていきます。アジは、コーナーへの突入時に再びマシンのぐらつきによりポジションを落とすも、なんとかトップを奪取しようとプッシュを続け、2台はもつれ合ったままコーナーへ。

2人のライダーによる一騎打ちの行方は、最終コーナーまでもつれ込みます。最終的に競り勝ったのはアジで、若干アウト側へ押し出されながらも、なんとかポジションを守りきってチェッカーフラッグを通過。ヴァン・エールデはコンマ2秒差で2位となりました。この結果、アジがイデミツ・アジア・タレント・カップでの初勝利を達成しました。

ダニエル・シャリルは、ホームレースの重圧をものともせず、着実な走りを見せて3位入賞。ラッキー・ヘンドリアンシャーはレースを通してトップグループを着実に追い上げましたが、最終的に4位でレースを終えました。日本人ライダーの西村硝、タイ人ライダーのタットチャコーン・ブアラシ、地元ライダーのイブラヒム・パウィはそれぞれ僅差で5位、6位、7位でチェッカーフラッグを通過。インドネシア人ライダーのアグン・ファクルールは8位、平間光司は9位でフィニッシュしました。

フィリピン人ライダーのトロイ・アルバートが10位フィニッシュ。11位に松山拓磨、12位にニティポン・セインサワン、13位に山田尚樹が入りました。


三つ巴の大接戦を制したヴァン・エールデがポイントリーダーに

ビル・ヴァン・エールデがイデミツ・アジア・タレント・カップでの2勝目を挙げました。僅差でトップを争った西村硝、そして元ポイントリーダーの埜口遥希はそれぞれ表彰台を獲得しています。この結果、10月にMotoGPと併催される第4戦タイ大会を前に、ヴァン・エールデがポイントランキングトップに躍り出ました。

レースでは、ポールポジションからスタートしたダニエル・シャリルがまずはホールショットを奪いますが、オープニングラップを制したのは埜口でした。しかし、シャリルが再度トップを奪い返します。その後、レース序盤には埜口、ヴァン・エールデ、そして後方からのスタートだったにもかかわらず、怒涛の追い上げを見せた松山拓磨の3名がトップグループを形成します。

残り9ラップ時点で、トップを走る埜口が後続との差を広げ始めます。それを追いかけるのは松山とヴァン・エールデ。アフリザ・ムナンダルはセカンドグループをリードしていましたが、バランスを崩してグラベルに突っ込んでしまい、そのままリタイアとなりました。

ヴァン・エールデはペースを上げて松山をパスすると、徐々にトップを走る埜口との差を縮めます。実にラップタイムを2秒短縮する猛プッシュで、残り3周時点で埜口のすぐ背後につけました。その後、ホームストレートでトップに浮上するも、埜口が再びトップを奪い返します。その後方では西村硝が松山をパスし、トップをかけて抜きつ抜かれつのバトルを繰り広げる2台を追いかけます。

一騎打ちを制し、埜口がトップを走りながら徐々に後続を突き放していったタイミングで、西村がヴァン・エールデにバトルを仕掛けます。しかし、最終ラップになるとトップを走る3台の距離が再び縮まり、ヴァン・エールデが再度トップに立ちました。

最終ラップではまず西村が、続いてターン4で埜口が仕掛けます。3台は数珠つなぎのままコーナーへ突入し、激闘を繰り広げていきます。

最終シケインでは西村が仕掛け、埜口をパスして2位に浮上。しかしレースはそのポジションのままでは終わらず、3番手のヴァン・エールデが前方を走る西村のスリップストリームに入ってペースを上げ、まずは埜口をパスするとそのまま西村の背後に迫りました。最終的に、2位とフィニッシュラインを0.012秒差でトップ通過したのはヴァン・エールデ。イデミツ・アジア・タレント・カップ2勝目を挙げ、ポイントランキングでもトップに浮上しました。

僅差で優勝を逃した西村が2位表彰台。埜口は3位となり、ポイントランキングでは2位にランクダウンしました。後方グリッドからすばらしい追い上げを見せた松山が4位、地元ヒーローのシャリルを最終ラップで下した平間光司が5位となり、ここまでがトップ5。千田俊樹が7位、コップチャイ・セイリゥが8位、レース1ウイナーのマリオ・アジが9位、そしてタットチャコーン・ブアラシが10位でした。

イデミツ・アジア・タレント・カップはこれから長い夏休みに入ります。現在のポイントランキングトップはヴァン・エールデ。今大会でランキング2位にポジションを落とした埜口は、ブリーラムで行われる次戦タイ大会での巻き返しを狙います。次戦はMotoGPとの併催となります。

リザルト

レース1

順位 No. ライダー マシン タイム/差
17マリオ・アジインドネシア32'48.850
219ビル・ヴァン・エールデオーストラリア+0.246
321ダニエル・シャリルマレーシア+11.904
413ラッキー・ヘンドリアンシャーインドネシア+16.584
53西村硝日本+20.096
65タットチャコーン・ブアラシタイ+20.716
720イブラヒム・パウィマレーシア+21.070
822アグン・ファクルールインドネシア+40.406
98平間光司日本+42.165
1018トロイ・アルバートフィリピン+52.501
1111松山拓磨日本+52.611
1217ニティポン・セインサワンタイ+52.909
1314山田尚樹日本+53.742

レース2

順位 No. ライダー マシン タイム/差
119ビル・ヴァン・エールデオーストラリア30'30.943
23西村硝日本+0.012
39埜口遥希日本+0.114
411松山拓磨日本+6.313
58平間光司日本+7.107
621ダニエル・シャリルマレーシア+7.144
710千田俊樹日本+14.004
823コップチャイ・セイリゥタイ+18.135
97マリオ・アジインドネシア+18.266
105タットチャコーン・ブアラシタイ+18.655
1113ラッキー・ヘンドリアンシャーインドネシア+34.177
1222アグン・ファクルールインドネシア+34.450
1320イブラヒム・パウィマレーシア+34.779
1417ニティポン・セインサワンタイ+35.084
1518トロイ・アルバートフィリピン+35.623
1614山田尚樹日本+36.143
NC4アフリザ・ムナンダルインドネシア

ポイントランキング

順位 No. ライダー 総合ポイント
119ビル・ヴァン・エールデオーストラリア115
29埜口遥希日本111
37マリオ・アジインドネシア85
43西村硝日本62
521ダニエル・シャリルマレーシア61
64アフリザ・ムナンダルインドネシア48
710千田俊樹日本42
822アグン・ファクルールインドネシア38
923コップチャイ・セイリゥタイ37
105タットチャコーン・ブアラシタイ36
1120イブラヒム・パウィマレーシア26
1213ラッキー・ヘンドリアンシャーインドネシア25
1316アデナンタ・プトラインドネシア24
148ワリット・ソングノパクンタイ23
1512セナ・アギアスオーストラリア20
16 8 平間光司日本18
1711松山拓磨日本18
182木内尚汰日本15
1918トロイ・アルバートフィリピン11
2014山田尚樹日本10
2117ニティポン・セインサワンタイ9
2215ベンジャミン・ベイカーオーストラリア2

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