ペドロサ3番手、ドヴィツィオーゾ5番手
エリアスとデ・アンジェリスもトップ10内で初日を終える

2009年8月14日(金)
1日目フリー走行
会場:ブルノ・サーキット
天候:晴れ/曇り
気温:22℃
コースコンディション:ドライ

後半戦のスタートとなったチェコGPのフリー走行は、午後になって雲の多い天候となったが、気温22℃とまずまずのコンディションで行われた。トップタイムをマークしたのはホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)。2番手にバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)。そして3番手にダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)。以下、4番手にコーリン・エドワーズ(ヤマハ)、5番手にアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)、6番手にトニー・エリアス(Team San Carlo Honda Gresini)、8番手にアレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)と続き、トップ10に4台のHonda勢が名前を連ねた。また、この日行われた鈴木哲夫HRC(株式会社ホンダ・レーシング)代表取締役社長の会見で、ペドロサ、ドヴィツィオーゾ両選手と、2年間の契約延長で基本合意に達したことが発表された。

初日3番手につけたペドロサは、後半戦最初のセッションで元気いっぱいの走りを見せた。今大会は、シーズン前半戦に痛めた大たい骨が、ほぼ完治。サマーブレイク中のトレーニングも通常のメニューをこなせたことで、今季ベストの体調で初日の走行に挑んだ。いつも通り、徐々にペースを上げていったペドロサは、ベースのセットアップを確認しながら、さらに、新しいスイングアームのテストも行った。上位につけたヤマハ勢の2人にはやや後れを取ったが、セッティングの方向性も決まり、2日目に向けて手応えを感じていた。ブルノでは過去、125cc、250ccで優勝している。最高峰クラスでは、これまで3位が最高位だが、今年は3クラス制覇に向けて、大きな期待が膨らむ。

前戦イギリスGPで初優勝を達成したドヴィツィオーゾも、気合の入った表情で後半戦のスタートを切った。ペドロサ同様、この日はベースのセッティングの確認を行い、ブレーキング時の安定性の改善に取り組んだ。2日目の走行ではペドロサ同様に新しいスイングアームのテストを行う予定で、2日目のタイム短縮に闘志満々。ペドロサとともにフロントローを狙う構えだ。

前戦イギリスでは転倒するも、序盤にはトップを走ったエリアスは、6番手につけた。セッション序盤は電気系のセットアップに時間を取られたが、中盤以降は快調にラップを刻んだ。イギリスで4位と今季ベストリザルトを刻んだデ・アンジェリスも好調なスタートを切り8番手。セッション終盤に転倒を喫したが、2日目のタイム短縮とポジションアップに自信をみなぎらせていた。

以下、サマーブレイク中に左足首を骨折し、痛みを押して出場したランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)は14番手。隣国ハンガリーから駆けつけた大勢のファンの声援を受けたガボール・タルマクシ(Scot Racing Team MotoGP)は16番手だった。

250cc クラスは、総合首位でシーズンを折り返した青山博一(Scot Racing Team 250cc)が、好調なスタートを切った。この日は、路面のコンディションがあまりよくなく、グリップに悩んだ一日となったが、トップタイムをマークしたヘクトール・バルベラ(アプリリア)からわずか0.140秒差の2番手。2日目の予選では、今季初PPを狙う。以下Honda勢は、ヘクトル・ファウベル(VALENCIA C.F. HONDA SAG)11番手、ラタパーク・ウィライロー(Thai Honda PTT SAG)12番手、ラファエレ・デ・ロサ(Scot Racing Team 250cc)13番手と続き、ルーキーの富沢祥也(CIP Moto-GP250)は17番手。トップ10を逃したHonda勢の2日目の巻き返しが注目される。

コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP 3番手)

「今日はとても気持ちよく乗れた。休み明けの最初の走行としては、とてもよかった。今年は、ときどき金曜日の走行でつまずくことがあったが、今日は順調でいいスタートが切れたことがうれしい。まだ、前の2人とのタイム差があるので、明日はそれを縮めなくてはいけない。今日は、新しいスイングアームを試した。まだ基本的なセッティングにトライしただけだが、明日はさらにセットアップを進めたい。今日は順調な一日だった」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 5番手)

「前回のイギリスで優勝したことで楽しい夏休みになった。今大会は最高の気分でスタートすることができた。だからといって有頂天になってはいない。ドライコンディションでも前回のようなパフォーマンスを発揮できるようにしなければならないし、セットアップに集中した。今日はブレーキング時の安定性に取り組んだ。さらにセットアップを進めなくてはいけない。明日は新しいスイングアームにトライしたい。また、トップとの差を縮めなければならない。バイクの状態もよくなると確信している」

トニー・エリアス(MotoGP 6番手)

「前回のドニントンとはサーキットのレイアウトがまるで違うので、セッション序盤は電気制御のセッティングに集中した。それに時間をかなり割いてしまったが、最終的にいい方向に向かった。今日はタイヤのテストをこなし、データを収集することができた。ブルノはユニークなレイアウトで、求められるものも独特だが、どうすればいいのか分かっている。ここはタイム差の開くコースだが、今抱えている問題を解決できれば、その差を縮めることができると思う」

アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP 8番手)

「今日はセッション序盤から快調にラップを刻めた。順調なスタートが切れたのだが、タルマクシを追い越そうとして転んでしまった。ここは高速コーナーが多く、リズムある走りが求められる。ライダーの力が試されるコースだ。転んでしまったのは残念だが、ケガをしなかったのはよかった。バイクの状態がいいことにも満足している。明日はトップグループとのギャップを縮めたい」

山野一彦|Repsol Honda Team 監督

「短いサマーブレイクだったが、両選手ともにリフレッシュして今大会を迎えてくれた。ダニはケガもほぼ完治して、表情もよく、ケガをする前の顔に戻ってきた。ドヴィツィオーゾも前戦イギリスで優勝しているので、いい表情をしている。今日は予定通り確認作業ができた。明日のフリー、予選に向けて改善しなければならないポイントも明確になった。今大会は天候の心配もないので、予定しているメニューを消化したい。今回はヤマハの2台が速いので、追いつけ追い越せという気持ちで挑む」

青山博一(250cc 2番手)

「もうちょっとでトップタイムを取れたし、もう少しタイムを縮めたかった。今日はコースコンディションがあまりよくなくて、全体的にグリップが低かった。最初は車体のセットアップに重点を置いていたが、途中から、タイヤのテストに切り替えた。今日のコンディションは、タイヤの摩耗も激しく、走り終わった後のタイヤも荒れていた。明日の走行では、その点にも注意してセットアップしていきたい」

富沢祥也(250cc 17番手)

「今日は転ばずに1時間の走行をこなそうと思っていた。とりあえず、予定通り、きっちりと走ることができた。ブルノはコース幅が広く、走っていて楽しかった。しかし、攻略するのが難しく、コースを細かく区切って走り込んでみた。まだまだコーナーの出口できちんとアクセルを開けられていないので、明日は開けるポイントを探っていきたい」

1日目総合リザルト

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイム/差
199J.ロレンソヤマハ1:56.595
246V.ロッシヤマハ+0.399
33ダニ・ペドロサHonda+0.989
45C.エドワーズヤマハ+1.146
54アンドレア・ドヴィツィオーゾHonda+1.577
624トニー・エリアスHonda+1.700
736M.カリオドゥカティ+1.707
815アレックス・デ・アンジェリスHonda+1.902
965L.カピロッシスズキ+1.987
1033M.メランドリカワサキ+2.144
1152J.トーズランドヤマハ+2.169
1269N.ヘイデンドゥカティ+2.226
137C.バーミューレンスズキ+2.446
1414ランディ・デ・ピュニエHonda+2.460
1588N.カネパドゥカティ+2.936
16 41 ガボール・タルマクシ Honda +3.384
17 84 M.ファブリッツォ ドゥカティ +3.828

250cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
140H.バルベラアプリリア2:02.371
24青山博一Honda+0.140
36A.デボンアプリリア+0.754
419A.バウティスタアプリリア+0.759
515R.ロカテリジレラ+1.056
658M.シモンセリジレラ+1.115
775M.パシーニアプリリア+1.157
812T.ルティアプリリア+1.217
917K.アブラハムアプリリア+1.540
1063M.ディ・ミリオアプリリア+1.552
1155ヘクトル・ファウベルHonda+1.723
1214ラタパーク・ウィライローHonda+1.793
1335ラファエレ・デ・ロサHonda+2.014
1748富沢祥也Honda+3.336
188バスティン・シェゾーHonda+5.168
1953V.ドゥビーズHonda+5.294

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
138B.スミスアプリリア2:09.211
293M.マルケスKTM+0.113
360J.シモンアプリリア+0.198
418N.テロールアプリリア+0.299
533S.ガデアアプリリア+0.407
611S.コルテセデルビ+0.523
729A.イアンノーネアプリリア+1.008
817S.ブラドルアプリリア+1.094
944P.エスパルガロデルビ+1.134
1045S.レディングアプリリア+1.190