モータースポーツ > インディカー・シリーズ > 第17戦 ヒューストン > 決勝
2013年10月5日(土)・決勝 会場:ヒューストン市街地特設コース 天候:快晴 気温:32〜33℃
2013年シーズンも終盤を迎えています。テキサス州ヒューストンのリライアント・パークに作られた特設コースでのイベントは、ダブルヘッダーで、まず土曜日に、シーズン第17戦の決勝が開催されました。
一周1.634マイルのコースを90周する決勝レースは、真っ青に晴れ渡った空の下、非常に蒸し暑いコンディションの中でスタート。ポールポジションの佐藤琢磨(A.J. Foyt Racing)は、順位を守りますが、スタートでエンジンストールしたマシンに、後続がクラッシュし、すぐさまフルコースコーションとなりました。このアクシデントでまき散らされた、マシンの破片の影響で、佐藤はタイヤがパンクしてしまい、ピットイン。順位を大きく落とすことになりました。
予選3番手だったスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)は、佐藤がピットに入ったあと、2番手にポジションを上げました。ディクソンがトップを奪ったのは、最初のピットストップを終えたところ。クルーたちによるスピーディなピット作業と、アウトラップの速さで、レースリーダーの座に躍り出たのでした。
そこからのディクソンは、2番手以下を大きく突き放し、危なげなくトップを保ち続けました。レース終盤もアクシデントが重なり、7度もフルコースコーションが出されましたが、ディクソンはトップでゴールまで走りきり、今季4勝目を飾りました。さらに、ジャスティン・ウィルソン(Dale Coyne Racing)が3位でフィニッシュしたほか、Hondaのドライバー7人が、トップ10フィニッシュを果たしました。Hondaは今季9勝目を挙げ、マニュファクチャラーズポイントでトップに立ちました。
佐藤は予定外のパンクによるピットインで、12番手まで順位を下げたあと、ピットタイミングのズレを利用するなどして、ばん回していきます。粘り強い戦いぶりが実り、レースが終盤を迎えるころには、トップ5フィニッシュを狙えるポジションまで順位を戻しましたが、74周目、バトル中にターン3のタイヤバリアにヒットしてしまい、無念のリタイアとなりました。
スコット・ディクソン(優勝)「シーズン終盤に入って力強い走りをみせることができています。つい最近の2レースでもゴールできていれば、ポイント争いではもっといい状況を手にできていたと思います。今週末もマシンの仕上がりは非常によく、最初のピットストップを終えてトップに立ってからは、燃費をセーブしながらも、余裕を持ってリードを保つことができました。2度目のピットストップに入ったタイミングも、結果的にベストでしたね。ピットで作業を受けている間にフルコースコーションが出たため、難なくトップを守ることができました。明日のレースには、今日のマシンをさらにチューニングして臨みます。今日より速いマシンにできるはずです。今日は最高の結果を得られましたが、明日はなにが起こるかは分かりません。トップとのポイント差を大きく縮めることができましたから、明日も今日と同じく勝てるよう、全力を尽くします」
佐藤琢磨(17位)「スタートは自分としては決してよくなかったのですが、トップを守れるだけの速度は出せました。あと少しの改善が必要です。あのあとにタイヤがパンクしていると判明したのですが、センサーのトラブルもあり得るので、ギリギリまで様子を見ました。ピットに入ってタイヤを交換したあとは、ポジションも下がっていましたし、ペースも上げることができない苦しい戦いになりました。ソフトタイヤでのハンドリングがいまひとつよくなかったですね。2度目のピットストップでハードタイヤに替えてからは、前に追いつく走りができるようになりました。しかし、終盤のリスタートのあと、ターン2でパスを許したときに、ラインを外れて走ったことでタイヤかすを拾ってしまい、次のコーナーでインに並ばれると、アウトに押し出されるようにタイヤバリアにぶつかってしまいました。インを開けてコーナーを回りきるつもりでしたが、いったんアウトに出たら、ラインを戻すことができませんでした。明日のレースの予選は、当日の朝に行われます。今日のレースを戦ったことで、多くのチームがマシンを向上させてくるでしょう。路面のグリップも大幅に高まり、ラップタイムがぐっと縮まる可能性もあります。今日のレースで悪かった点を改善し、路面の変化などにも対応したマシンを作り、予選に臨みたいと思います」
ロジャー・グリフィス|HPD テクニカル・ディレクター「スコット・ディクソンと彼のチームが見事なレースをしてくれました。レース序盤は、2番手に抑えられていましたが、ディクソンの方が速いのは明らかで、トップに立ってからは圧倒的な速さを保って、ゴールまで走り抜きました。Honda インディV6ターボは、ヒューストンでも高いパフォーマンスを発揮しています。佐藤琢磨は本当に残念でした。ポールポジションからクリーンにスタートを切ってトップを守りましたが、アクシデントで散らばったマシンの破片を拾ったのか、タイヤがパンクしてしまい、後方へ下がりました。今日のレースでは多くのHondaドライバー、Hondaチームがすばらしい戦いぶりをみせ、7人がトップ10でフィニッシュしました。そして、新しい時代を迎えたインディカー・シリーズで、Hondaは今日、マニュファクチャラーズポイント争いでトップに立ちました。明日のレースでもHondaドライバーたちが活躍してくれるに違いありません。もうシーズンも残すところ2戦。あと1勝を挙げて、マニュファクチャラーズタイトルを獲得したいと思います。明日のレースが非常に楽しみです」
順位 | No. | ドライバー | チーム | エンジン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 9 | スコット・ディクソン | Chip Ganassi Racing | Honda | 1:54:48.3924 |
2 | 78 | S.デ・シルベストロ | KV Racing Technology | シボレー | +0.8781 |
3 | 19 | ジャスティン・ウィルソン | Dale Coyne Racing | Honda | +2.1432 |
4 | 77 | シモン・パジェノー | Schmidt Hamilton Motorsports | Honda | +3.5492 |
5 | 67 | ジョセフ・ニューガーデン | Sarah Fisher Hartman Racing | Honda | +4.2293 |
6 | 16 | ジェームズ・ジェイクス | Rahal Letterman Lanigan Racing | Honda | +5.4614 |
7 | 15 | グレアム・レイホール | Rahal Letterman Lanigan Racing | Honda | +6.0983 |
8 | 7 | S.ブルデー | Dragon Racing | シボレー | +6.8946 |
9 | 5 | E.J.ヴィソ | Andretti Autosport | シボレー | +8.1873 |
10 | 98 | ルカ・フィリッピ | Barracuda Racing/Bryan Herta | Honda | +9.3052 |
11 | 83 | チャーリー・キンボール | Chip Ganassi Racing | Honda | +9.9622 |
15 | 10 | ダリオ・フランキッティ | Chip Ganassi Racing | Honda | +1Lap |
16 | 18 | マイク・コンウェイ | Dale Coyne Racing | Honda | DNF |
17 | 14 | 佐藤琢磨 | A.J. Foyt Racing | Honda | DNF |
22 | 55 | トリスタン・ボーティエ | Schmidt Peterson Motorsports | Honda | +58Laps |
順位 | ドライバー | チーム | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | H.カストロネベス | Team Penske | 513 |
2 | スコット・ディクソン | Chip Ganassi Racing | 505 |
3 | シモン・パジェノー | Schmidt Hamilton Motorsports | 463 |
4 | M.アンドレッティ | Andretti Autosport | 447 |
5 | R.ハンターレイ | Andretti Autosport | 437 |
6 | ジャスティン・ウィルソン | Dale Coyne Racing | 428 |
7 | ダリオ・フランキッティ | Chip Ganassi Racing | 403 |
8 | W.パワー | Team Penske | 391 |
9 | J.ヒンチクリフ | Andretti Autosport | 382 |
10 | チャーリー・キンボール | Chip Ganassi Racing | 382 |
14 | ジョセフ・ニューガーデン | Sarah Fisher Hartman Racing | 321 |
16 | 佐藤琢磨 | A.J. Foyt Racing | 293 |
17 | グレアム・レイホール | Rahal Letterman Lanigan Racing | 292 |
19 | ジェームズ・ジェイクス | Rahal Letterman Lanigan Racing | 272 |
20 | トリスタン・ボーティエ | Schmidt Peterson Motorsports | 238 |
23 | マイク・コンウェイ | Dale Coyne Racing | 163 |
24 | アレックス・タグリアーニ | Barracuda Racing/Bryan Herta | 163 |
26 | J.R.ヒルデブランド | Barracuda Racing/Bryan Herta | 93 |
27 | アナ・ベアトリス | Dale Coyne Racing | 72 |
30 | ルカ・フィリッピ | Barracuda Racing/Bryan Herta | 42 |
31 | ピッパ・マン | Dale Coyne Racing | 29 |
32 | ジェームス・デイビソン | Dale Coyne Racing | 27 |
33 | ステファン・ウィルソン | Dale Coyne Racing | 14 |
34 | コナー・デイリー | A.J. Foyt Racing | 11 |
36 | ルーカス・ルアー | Sarah Fisher Hartman Racing | 8 |
37 | キャサリン・レッグ | Schmidt Peterson Motorsports | 8 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | Honda | 129 |
1 | シボレー | 126 |