海底にいるヒラメがイワシを見つけ、襲い掛かると、アタリは最初コツッ、コツコツッとサオ先を叩く感じのシグナルで伝わる。だが、これはヒラメがイワシをくわえた直後の前アタリで、あわてて合わせても十中八九フッキングしない。古くから「ヒラメ40、マゴチ20」と言われ、これはヒラメが完全にイワシを食い込むまでじっくりと構えて待ちなさいという格言だ。
とはいえ、今どきの質のよいタックルでは40秒待つ必要はあまりなく、多くの場合で数10秒程度手持ちザオのままアタリの変化を待っていると、そのうちサオ先を「グイッ、グイグイッ」と力強く絞り込む本アタリに変わる。ここで間髪入れずに大きくゆっくりとサオを掲げるように合わせ、ヒラメの自重を利用してハリ掛かりさせるのがキーポイントといえる。
フッキングと同時に重量感があるヒラメ独特の引き味が伝わってくる。事前に船長やスタッフに頼んで正しくドラグ調整をしてあれば、引きに応じてジリジリとミチイトが出て、ハリスが切られる心配はない。海面まで引き味を楽しみつつ巻き上げてくると、玉網を持って待ち構えていたスタッフが適切なアドバイスとともに取り込んでくれる。ヒラメ釣りは基本のエサ付けとタナ取りをこまめにできればけっして難しくない。ぜひ高級魚をその手で釣りあげてみよう。