2007年10月発表 2009年6月終了モデル
この情報は2009年6月現在のものです。

Body & Chassis

路面とのコミュニケーションを通じて、一瞬先の車体の挙動を予測し対応する。
そんなリアルスポーツの走りの醍醐味を、オープンボディで体得するために。
ベースとなるのは、オープンカーの常識を上回るボディ剛性と、50:50の前後重量配分。
そして、路面からもたらされる豊富なインフォメーションの媒介となるのは
「シャシー性能は、エンジンパワーに対してつねに上回ること」という
Hondaスポーツカーのセオリーにのっとった、サスペンション、タイヤ、ホイール、ブレーキ。
さらに、予測し得ない挙動の乱れに対して車両を安定化させるVSAを搭載。
走りへの情熱を、冷静に楽しむ。そんな豊かなスポーツドライビングを実現した。

ボディ
カットモデルによる撮影

Package & Body

S2000はフロントエンジン・リアドライブ(FR)であり、しかもエンジンがフロントアクスルの後方に位置する、
FRビハインドアクスルである。加えて軽量、コンパクト、低重心、50:50の理想的な前後重量配分、
そして低ヨー慣性モーメントという特質を持つ。それらによってさまざまなドライバーが、自らの技量に合わせて
クルマのコントロールを楽しめるというメリットを引き出している。
その運動体としての優れた基本特性が、リアルスポーツの動的質感を獲得したのである。

S2000はボディ剛性を飛躍的に高める画期的な技術「ハイXボーンフレーム構造」を独自に採用している。
これは、前後2本ずつのサイドメンバーを、強固な閉断面フロアトンネルを介して
X字状に水平に連結する構造。大断面サイドシルを組み合わせることにより、
オープンボディながら、サスペンションからの大きな入力に応える
優れたボディ剛性を確保。操舵に対する車体側の動きをレスポンシブ、
かつリニアなものとすることでクルマとドライバーの一体感を高めている。

50:50の前後重量配分

Suspension

エンジンパワーを、タイヤを介していかに効率よく路面に伝えるか。ドライバーに対して、
ステアリングインフォメーションをいかに豊富に届けるか。S2000が採用しているのは、
Honda伝統の4輪ダブルウイッシュボーン・サスペンション。
アッパーアームとロアアームをホイール内側に包み込んだインホイールタイプとすることで、アライメントやジオメトリー変化の
設計自由度が高いという、これまでのダブルウイッシュボーンのメリットに加え、軽量化・コンパクト化を達成。
バネ下重量の低減がもたらす、しなやかなフットワークの実現とともに、フェンダーラインを低く造形できることによる、
クリアな視界確保にも一役買っている。また、ボディ側取り付け部をワイドスパン化して、高い剛性を獲得。
ボディにリジッドに結合したサブフレームを介してマウントすることにより、
リニアかつクイックに反応するハンドリングとソリッドな乗り心地の獲得に成功している。
ダンパーには高圧の窒素ガスとオイルを完全に分離して気泡発生を防ぐ、高性能な分離加圧式を採用。
ロールへのレスポンスが高く、路面追従性にすぐれ、サーキット走行でも安定した性能を発揮する。

基本特性としての優れたパッケージングとボディ剛性を前提に、
多角的なアプローチで脚まわりのチューニングに取り組んでいるS2000。
「走る」「曲がる」「止まる」の基本的なトレーニングからはじまり、限界性能をさらに追求するための極限の走り込みを重ね、
ジオメトリーやダンパー減衰力の最適化など、サスペンションのポテンシャルを最大限に引き出す
セッティングを徹底的に追求し、リアルスポーツにふさわしい、コントローラブルでフラットな乗り心地を実現している。

サスペンション サスペンション
VSA

ブレーキ時の車輪ロックを防ぐABS<4輪アンチロックブレーキシステム>、加速時の車輪空転を防ぐTCS<トラクションコントロールシステム>に、旋回時の横すべり抑制を加えた3つの機能をトータルにコントロールし、予期せぬ挙動の乱れに対して車両を安定化させるVSA(車両挙動安定化制御システム)。S2000ではその設定に専用チューニングをほどこし、高い運動性を失うことなく限界領域やさまざまな路面状況において、挙動安定性を確保。スポーツドライビングを、より安心して楽しむことを可能としている。
[VSA=Vehicle Stability Assist]

■VSA作動イメージ図

[VSAの機能]
オーバーステア
抑制
旋回時、車両の巻き込みが発生した場合の
挙動安定化。
アンダーステア
抑制
旋回加速時、軌跡がふくらんだ場合の
路面トレース性向上。
発進制御 左右輪の路面状況が違う場合の
発進性向上。
制動制御 制動時の安定性向上。
VSA はあくまでドライバーのブレーキ操作やアクセル操作等を補助するシステムです。したがって、 VSAがない車両と同様に、コーナー等の手前では十分な減速が必要であり、ムリな運転までは制御できません。安全運転をお願いします。

Brake & Tire

ブレーキはフロントがφ300mmベンチレーテッドディスク。
リアがφ282mmディスク。
常用域では高い剛性感があり、限界域ではフェードしにくく耐摩耗性に優れたスチール系パッドを採用。
タイヤはフロント215/45R17、リア245/40R17の専用設計。
強力なグリップパワーを発揮すると同時に、ウェット路での耐ハイドロプレーニング性能や走行安定性を向上している。
アルミホイールは、軽量化を目指したデザインによりバネ下重量の低減に貢献するとともに、洗練された印象を獲得している。

タイヤ