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きっかけは、ほんとに些細なことだったんですよ。僕が乗っているNSX-GTのRCカーがあったので、それを買ってきて走らせてみたんです。僕はそれまで、特に趣味と呼べる趣味も無かったんですが、これにはものすごく『楽しめそうだ!』という感じがして。RCとひとくちに言っても、飛行機やヘリコプターなどもある。普段はプロのドライバーとして、本物のレーシングカーを走らせているので、何も休みの日まで4輪のRCを走らせなくても…という気もするんですが(笑)。何年か前に、RCカーの全日本選手権に出場したときは、九州のオートポリスで本業のレースを終えた後、翌日から1週間千葉のホテルに泊まり込んで、徹底的にRCカーで走り込みました。ここまでRCカーにどっぷりはまって振り返ってみると、僕は心底クルマが好きなんだな、とあらためて実感してしまいますね。 |
僕のRCカーは、“エンジンカー”と呼ばれるタイプのもので、その名の通り、エンジンを動力にしています。メインで走らせているのは“1/8GPレーシング”というカテゴリー。これは速いですよ ! エンジンは排気量3.5ccほどの2ストロークエンジンなんですが、35,000〜40,000rpmほども回りますし、最高出力は原付バイク並の約3馬力。リッター当たりの出力は、なんと800馬力を超えています。それが、1/8スケールの、2.5〜3kgほどしかない車体に載せられているので、パワーウエイトレシオならF1以上です。最高時速は約100km。2速の遠心クラッチ式トランスミッションも付いています。このハイスペックは、「RCカーのF1」と呼ばれるゆえんで、ストレートを駆け抜けるときの甲高いエキゾーストノートなんか、本当にほれぼれします。ボディは、小さいながらもきちんとダウンフォースが掛かる設計で、ウイングの角度によってセッティングもできるんですよ。 |
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アウト・イン・アウトを心がけるのは基本なんですが、ラジコンの場合は“コーナーをできるだけ小さく回る”のがセオリー。可能な限りコーナリングはコンパクトに仕上げて、加速を稼いだ方がタイム的に有利です。 |
GTマシンが走るためには、マシンをつくりあげるエンジニアがいて、メンテナンスやセットアップを行うメカニックがいて、そしてマシンを走らせる僕らドライバーがいます。あれだけ大がかりなクルマですから、役割分担があって当然ですよね。でも、『自分が走らせるものを全部知りたい』、という気持ちもあります。RCカーなら、こうしてマシンをセッティングするのも、走らせるのも自分。僕が“メカニックにしてドライバー”になれるから、“何をどう変えたら走りがどう変わった”というのがすぐにわかります。セッティングが決まっていようが、決まってなかろうが、それがもうたまらなく楽しくて。RCカーを走らせると、モヤモヤしたものが晴れて、スカーッとするんです(笑)。 |
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