NSXトップへ
NSX Press vol.33 トップへ
NSX Press トップへ
到達、驚愕の40万km。 NSXリフレッシュプラン NSXとHonda 橋本 健 NSX-GT "NSXであること"の強さ。 NSX-GT 鈴鹿攻略。道上 龍 リモートコントロール・モータースポーツ。道上 龍 News&Topics
from Circuit#2 NSX-GT 鈴鹿攻略。コース
1:第1・2コーナー
メインストレートはアクセル全開で6速。1コーナー手前でだいたい260km/hくらいになります。フォーミュラカーの場合は、もう10km/hくらい速いですが、GTマシンは車重がありますからストレートスピードは約260km/hです。
1コーナーの進入は、フルブレーキングして4速まで落とします。コーナリングスピードは、だいたい200km/h。そのまま2コーナーに向けて、ブレーキを残しながら3速に落とします。
2:S字・逆バンク
2コーナーのクリップをとって、3速のままS字に入っていくんですけど、ここから逆バンクまではブレーキを使いません。
アクセルコントロールだけで駆け抜けていくという感じで、クルマの動きを感じながらステアリングとアクセルをコントロールするのですが、タイミングというかリズムが大事ですね。
また、常に次のコーナーの進入ラインを考え、アウトにはらみ過ぎず、ミドル・イン・ミドルのライン取りといったイメージです。
そしてS字から逆バンクに進入するとき、この区間ではじめてブレーキを当てます。それは車速を下げるためのブレーキングではなく、向きを変えるきっかけを作るためのブレーキングです。それでフロントをうまくインに受け、少し奥にクリップをとって逆バンクをクリアします。
3:ダンロップコーナー
逆バンクを立ち上がり、ダンロップコーナーは上りですから、うまくスピードを乗せながら駆け上がっていきます。ギアは3速のままです。3速で立ち上がって、アウトにはらんだところで4速、そのまま全開で5速まで入ります。
4:デグナー
5速に入るとすぐにデグナーの進入です。デグナーは2つのコーナーがあり、1つ目の進入でブレーキングをして3速まで落とします。そのままデグナーの2つ目まで3速のまま全開。
調子がいいときはデグナーの2つ目までの間でレブリミッターが当たるんですけど、その周回の調子があまり良くないときはリミッターに当たりません。1つ目でどれだけ車速を乗せられるか。クルマのバランスとグリップが重要になってきます。デグナー2つ目は、ブレーキングをして3速から2速まで落とします。
5:110R
デグナーを2速で立ち上がるのですが、立ち上がりは目一杯アウト側まではらみます。縁石を跨ぐぐらい大きいラインを取ってアクセル全開。2速から3速、4速まで上がります。
ヘアピン手前の110Rの前で4速に入り、そのまま4速全開のまま110Rに進入します。ヘアピンに対してできるだけ真っすぐな姿勢でブレーキングをしたいので、110Rはほとんどインベタのライン取りですね。そういうライン取りを考えながら110Rに4速全開で入ってフルブレーキング。そこで一気に1速まで落とします。
6:ヘアピン
ヘアピンの進入ラインを意識し過ぎるとミスにつながります。たとえば110Rで失敗して少し行き過ぎ、ヘアピンに対して左(イン)側に行ってしまったとします。そのとき、進入ラインを考えて右(アウト)側に戻ろうとし過ぎると、左にGが残っているのでブレーキングしたときに姿勢が乱れやすく、最悪の場合ヘアピンと逆向きにスピンしたりします。
そういうこともあるので、もし110Rが失敗したら無理に戻ろうとせず、自然なライン取りで、クルマを安定させながらヘアピンをクリアしたほうがいいですね。ヘアピンがちょっとキツくなりますがスピンするよりましです。こうした考え方はヘアピンに限らず、すべてのコーナーで言えることですね。うまくラインが取れなかった場合は自然なラインを取る方がいいと思います。
ヘアピンは1速で、しっかりとしたアウト・イン・アウトのラインで立ち上がっていきます。
7:スプーンカーブ
ヘアピンを1速で立ち上がり、トラクションが掛かるのであればすぐアクセル全開。スプーンの入口までで5速に入ります。
スプーンの進入は、行き過ぎたり早めにブレーキングをし過ぎたりと、間合いを掴むのが結構難しいですね。行き過ぎると出口が狭くなってコースアウトしてしまうなど、攻めるほどにギリギリを狙っていくようなコーナーになるので注意が必要です。スプーンの1つ目はブレーキングをして5速から3速に落とします。
問題はスプーンの2つ目。急にコーナーのRがキツくなり、しかも下り坂なのでリアの荷重が抜けやすくなります。ですから、2つ目に対しうまくクルマの向きを変えないと苦しいですね。とはいっても、2つ目の手前でクルマがまっすぐになるわけではありません。1つ目で左に曲がり、クルマの右側にGを限界いっぱいまでかけた状態のまま、さらに2つ目に向けてステアリングを切り込んでいかなければならないのでオーバーステアが出やすいんです。オーバーステアが出てしまうと、次の長いバックストレートでスピードが乗りにくくなってしまいます。
ですから、スプーンの2つ目は重要なポイントです。バックストレートで遅いクルマがいると、スリップストリームから130Rの飛び込みで抜いていくのですが、スプーンの2つ目を失敗するとそれも難しくなります。
SuperGTウェブサイトでも道上 龍選手による、オンボード映像を交えた「鈴鹿サーキット攻略編」をご覧いただけます。
8:130R
スプーンは3速のまま立ち上がり、アウト側の縁石いっぱいまではらみます。
そのまま130Rに向かって6速までアクセル全開。だいたい1コーナーと同じく260km/hくらいまで出ます。そのまま130Rは全開でクリアです。
この「130Rは全開」というのが、意外に危なくないんですね。予選だけでなく、レース中も全開で行ける時もあります。もしかしたらNSX-GTだけかもしれないですが、余裕です。NSX-GTマシンは年々進化しているので、ここ2〜3年は全開で行けますね。
この130Rで、バランスの悪いクルマとNSX-GTとの差が大きく、シケインでうまくパッシングできるというのが理想的な状況ですね。
9:シケイン〜最終コーナー
130Rを6速全開で立ち上がり、シケインの進入でフルブレーキングして2速まで落とします。鈴鹿で唯一シフトダウンの忙しい所ですね。
今のシケインは、昔と違い、1つ目から2つ目までの距離が長く、加速する区間が長くなりました。シケイン1つ目のコーナーだけで考えると、1速で行きたいと思うくらい低速コーナーなのですが、2つ目までスピードを乗せないといけないということもあってギアは2速を選びます。ギアレシオの選択も難しくなるのですが、1つ目のコーナーのRからするとちょっと高めのレシオ。エンジンブレーキが効きづらく、ブレーキングに気を使わないとオーバースピードで行き過ぎてしまうので、ブレーキングとしては一番難しいですね。
それで、1つ目のアプローチを、イン側の縁石をかすめるくらいにするんです。マシンの向きを変えるためにわざと縁石に乗ってスピードを抑え、エンジンブレーキの効きづらさをカバーするわけです。そんな細かな技を使うこともあるんです。
シケインを2速で立ち上がって、最終コーナーはアクセル全開です。そのままホームストレートエンドで6速まで入るという感じです。

NSX-GTの走りの魅力
僕は今年NSX-GTをドライブして11年目になるんですけど、毎年毎年マシンは進化を続けていて、11年前と違って今は鈴鹿で10秒くらい速くなっています。
NSX-GTも市販のNSXも、走るクルマにとって理想的なミッドシップレイアウトなので、根本的な“良さ”は似ていますね。ドライビングフィール的に言うと、特にリアの安定性です。
ブレーキング時やコーナリング時のスタビリティは、NSX-GTが一番優れているんじゃないかなと感じています。ただ、限界を超えてしまうと、リアが結構唐突に滑ってしまうため注意が必要です。また、他のクルマよりも重心が低く空力的にも優れているから、コーナリングスピードが高いことがNSX-GTの強みだと感じています。特に、鈴鹿などのテクニカルサーキットや、ツインリンクもてぎもそうですけど、コーナーの多いサーキットに行けば行くほどNSXの速さは際立ちますね。
ドライバーとしては、パッシングする際にレコードラインを外したとき、姿勢が乱れやすいなかでいかに安定してくれるかをすごく求めるのですが、そういったシーンでも、ミッドシップのNSX-GTは非常に後ろがどっしり安定しているので思い切って飛び込んでいけますね。
    鈴鹿でいうと、1コーナーやヘアピンの飛び込みとか、シケインの飛び込みですね。高いスピードからのブレーキングで、リアが安定している分突っ込めるのはすごいメリットです。
また、S字のような連続している切り返しのコーナーもいい。たとえばS字の1つ目を左に入って次に右に切り返すとき、荷重移動でリアが抜けやすくなってしまうことがあるんですけど、NSX-GTはそういう状態になりにくく、ニュートラルな状態で走れるところも強みだと思います。
だから、鈴鹿でタイムを稼ぐときは、セクター1で頑張りますね。ホームストレートからダンロップブリッジぐらいまでのNSXの速さは際立っていると思います。
エンジンは、ドライバーの要求に上手く応えてくれるピックアップのよさとリニアなトルク特性が強みですね。パワーだけでなく、ドライバーが扱いやすいか扱いやすくないかといったエンジン特性は、レースで非常に差が出る部分なんです。僕は、アクセルを開けたい時にレスポンスがよくエンジンが回ってくれることを求めるんですけど、NSX-GTはそういう点でも非常に扱いやすいですね。
PAGE TOP
NSXトップページへ