開発の歩み

小型ターボファンエンジン「HF118-2」を独自に生み出したHondaと、
ゼネラル・エレクトリック社(GE)との共同事業化による
HF120の商品化への歩みをご紹介します。

第1期 要素技術確立(1986年~1992年) 様々なエンジン型式の研究・開発を通じて、要素設計や部品製造の技術を蓄積

研究・開発スタート

1986年

基礎技術研究センターを設立し、小型ジェットエンジンの研究を開始。平均年齢26歳のチームで開発をスタート。

1.0X・2.5X・3.5X開発

既存のエンジンの常識にとらわれず、セラミック材料を用いて独自開発した1.0X

1986–1987年

タービンと燃焼器にセラミック材料の適用を検討した先進的な設計に挑戦したものの、脆弱性を克服できず。

エンジンでプロペラを回転させるアドバンストターボプロップ形式の2.5X

1987–1989年

燃費が良いため、当時盛んに研究されていた先進的な推進形式に挑戦するが、プロペラの安全性と騒音の課題に直面 (石油価格の下落にともない燃費性能の要求レベルが下がったため、業界全体でこの方式が開発中止となった)。

2.5Xの前部分を流用し後方にファンを取り付けた3.5X

1989–1992年

プロペラで推進力を発生させるエンジンから、ファンにより推進力を得る形式へ変更。コスト改善のためファンブレードの鋳造に取組むなど、ユニークな設計に挑戦したものの、鋳造材の信頼性目標に到達できず。

※鋳造(ちゅうぞう):金属を熱で溶かし、型に流し込んで形にする生産技術