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WTCC 開発プロジェクトリーダーレポート

Round 1 - Round 5 念願の優勝とトップチームの宿命

ミケリス選手が大奮闘―ハンガリーラウンド ハンガロリンク

前戦スロバキアでの実績によって、ハンガリーラウンドからHonda Civic WTCCには、30kgのウエイトハンディが課せられることになりました。これは過去3戦のラップタイムを検証し、レースの均衡を保つためにウエイト搭載を義務付けられるルールで、昨年の優勝車であるシボレーは、開幕戦から40kgを課せられています。

ハンガリーは、Honda Civic WTCCのカスタマーチームであるZengõ Motorsportと、そのドライバーであるノルベルト・ミケリス選手の母国です。特にミケリス選手は地元のヒーローであり、サーキットには彼の応援団が詰めかけ、独特の雰囲気を漂わせていました。

多くの応援も味方したのでしょう。母国でのレースでミケリス選手はすばらしい活躍をしてくれました。予選ではCastrol Honda World Touring Car Teamの2台を抑えて2番手を獲得、決勝レースでも首位を追い詰めての2位フィニッシュという好結果です。サーキットの観客席はすごい盛り上がりでした。私もいろいろな国でさまざまなレースを見てきましたが、あれほど観客席が一体となって熱狂する様子は、経験したことがないかもしれません。

対照的にCastrol Honda World Touring Car Teamの2台は、レース1でタルクィーニ選手が3位に入ったものの、前戦のような速さをみせることはできませんでした。レース1でモンテイロ選手が、レース2ではタルクィーニ選手がクラッシュを喫してしまいます。タルクィーニ選手のクラッシュはガードレールと他車に激しくヒットし、病院に搬送されるほどのもので、とても心配しました。けれども、病院からタルクィーニ選手自らが電話をかけてきてくれて「少し痛いけど、大丈夫」と聞いたときには、本当にほっとしました。

この2チームの明暗からか「エンジンが違うのでは?」という質問を受けましたが、3台とも全く同じスペックです。ワークスの2台はサスペンションのセッティングがやや合わない感じでしたが、やはり母国での応援を背に、実力をフルに発揮したミケリス選手のがんばりが光ったラウンドだったと思います。

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