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WTCC 開発プロジェクトリーダーレポート

Round 1 - Round 5 念願の優勝とトップチームの宿命

Honda Civic WTCCが1-2-3で初勝利―スロバキアラウンド スロバキアリンク

モロッコでのクラッシュにより、タルクィーニ車はリア側の大修理、モンテイロ車は新シャシーの制作と、2週間という短い期間での大変な作業となりました。加えて、前戦で吸気側の対策がうまくいったことから、次は排気系に改善の余地が見つかり、その対策も行うことにしました。その過程では、当然さまざまな困難がありましたが、エンジンサポートを担当してくれているMUGEN Euroのメンバーと、チーム全員が昼夜を忘れたがんばりによって、無事にスロバキアでの戦いに臨むことができました。そして、スロバキアでHonda Civic WTCCの3台は、それまでの苦労を吹き飛ばす速さをみせてくれたのです。

排気系の改良によって出力がさらに上がり、燃焼効率もよくなったことから、ノッキングを抑えられて点火セッティングができるようになり、一段と速さを増しました。予選日の全セッションでトップタイムをマークしたタルクィーニ選手のポールタイムは、昨年より2秒以上速かったのです。

上位3グリッドからスタートしたHonda Civic WTCCのレース1は、完ぺきでした。3台が一度もそれぞれのポジションを奪われることなくフィニッシュし、表彰台を独占したのです。マニュファクチャラーとして私も表彰台に上がり、日本国歌が流れたときには、本当に感激しました。レース2でも、リバースグリッドの10番手からスタートしたタルクィーニ選手が3位まで追い上げ、連続で表彰台を獲得しました。

昨年、非常に短い開発期間を経て参戦を始め、今シーズン開幕からの困難な状況を振り返ると、スロバキアでの初勝利は本当にうれしい結果です。Hondaの開発メンバー、JASのスタッフ、M-TECのスタッフ全員の努力が報われた瞬間でした。

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