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2016 MotoGP レギュレーション解説

2. Moto2クラス

共通エンジンはどこまで変更できる?

2-1. ワンメイクエンジン

 中量級のMoto2クラスは、Hondaの市販車「CBR600RR」のエンジンをレース用に改造したものが公式サプライヤーから全員に供給され、タイヤもダンロップのワンメイクで争われる、イコールコンディションのカテゴリーです。そのエンジンとタイヤが搭載される車体に関しては、複数の製造事業者がレース用のプロトタイプシャシーを提供し、コンペティションが行われています。

 では、このワンメイクエンジンが、どのように供給されているか、皆さんはご存知でしょうか? 実は、これもレギュレーションで明確に規定されているのです。その規定を見ていきましょう。

(原文)

2.5.3.2 Moto2 Engine Supply

1. Only engines from the official Supplier are allowed to be used. The term official Supplier shall refer to the engine producer and/or to the company nominated to perform such functions as engine assembling, rebuilding, maintenance, and logistics.

2. Sealed engines will be provided to each team, allocated on a random basis by the Technical Director and staff.

3. Security seals may not be removed or broken and the team may not open the engine, except to remove unsealed covers for maintenance as described in Art. 2.5.3.2.4) specifically the cam cover, cylinder head, cylinders, crankcase, may not be opened or removed.

4. Teams may only perform maintenance of parts specifically authorised by the Championship Organisers which does not involve removal of security seals. This includes change of oil and external items as detailed in the following articles including cooling, fuel and electrical systems, and clutch parts including plates, hubs, control mechanisms.

(日本語訳)

2.5.3.2 Moto2エンジン供給

1. 公式サプライヤーによるエンジンのみ使用が許される。公式サプライヤーという用語は、エンジン製造者かつ/あるいは、エンジン組み立て、補強、分解修理、物流の業務遂行に選任された企業をいう。

2. 封印されたエンジンは各チームに供給され、テクニカルディレクターおよび担当者によって無作為に割り当てられる。

3.セキュリティ用の封印を取り外したり破損したりしてはならない。チームはエンジンを開いてはならない。ただし、条文2.5.3.2.4で記述する封印されていない保守用カバーの取り外しは除く。カムカバー、シリンダーヘッド、シリンダー、クランクケースは特に、開けたり取り外したりしてはならない。

4.チームは、セキュリティ用封印の取り外しを行わない選手権主催者によって特に許可されたパーツの保守作業のみ、実施してもよい。これには、オイル交換や以下の項目で詳細に定める冷却、燃料、電子システム、およびプレートやハブ、制御機構のクラッチ部品等、外側部品を含む。

 供給されるエンジンは、あらかじめ封印された状態で提供されており、各チームはその封印を解いてエンジンの中身を改造することはできません。ただし、走行後のオイル交換などのメンテナンス作業はチーム内で行うことができます。

 つまり、ルールで定める範囲内であれば外側部品のメンテナンスは許可されている、というわけです。認められているメンテナンスは、オイル交換のほかに、冷却系や燃料系、電子システムのほか、クラッチプレートやハブを含む制御機構も該当します。

 そこで近年数を増やしているのが、「クイックシフター」です。これは、ギアのチェンジペダルに連動し、ペダルを操作したときに一瞬だけエンジンの点火を止める技術です。通常のクラッチを使いアクセルを戻す操作と同様の効果があるため、スロットルを開いたままクラッチを使わずシフトチェンジができるようになり、ラップタイム短縮に貢献できます。