タイトル決定戦となった第15戦ポルトガルGPは、総合首位のアルベルト・アレナス(KTM)を8点差で追う小椋藍(Honda Team Asia)が8位、11点差で追うトニ・アルボリーノ(Rivacold Snipers Team)が5位。タイトル王手のアレナスが12位でフィニッシュしたことで、アレナスを逆転することはできませんでした。
チャンピオン争いが注目されたMoto3クラス決勝は、ポールポジションスタートのラウル・フェルナンデス(KTM)が好スタートからリードを広げ、その後方で2番手争いの大集団が形成されました。その中でオープニングラップ3番手につけた小椋は、2周目に2番手に浮上しますが、その後、思うようにペースを上げられず8位でフィニッシュ。一方、予選27番手と厳しいグリッドからのスタートとなったアルボリーノはすばらしい追い上げを見せて5位でフィニッシュしますが、ともに逆転することはできませんでした。
優勝はスタートから逃げきったフェルナンデス。2位にデニス・フォッジャ(Leopard Racing)、3位にはルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得したジェレミー・アルコバ(Kömmerling Gresini Moto3)が最終戦で初表彰台を獲得しました。ライダーズタイトルは獲得できませんでしたが、この結果、コンストラクターズタイトルに王手を掛けていたHondaは、4年連続20回目のタイトルを獲得しました。
以下、Honda勢は、セルジオ・ガルシア(Estrella Galicia 0,0)が4位、ジョン・マクフィー(Petronas Sprinta Racing)が9位、ニッコロ・アントネッリ(SIC58 Squadra Corse)が11位、ルーキーの山中琉聖(Estrella Galicia 0,0)は16位、國井勇輝(Honda Team Asia)は、予選15番手から好スタートを切りますが、ロングラップのペナルティーでポジションを大きく落とし22位でした。
また、予選4番手から表彰台争いに加わった鈴木竜生(SIC58 Squadra Corse)はラスト2周となった20周目に転倒してリタイア、予選9番手から表彰台争いに加わったハウメ・マシア(Leopard Racing)も残り4周となった18周目に転倒してリタイアとなりました。
デニス・フォッジャ(Moto3 2位/総合10位)
「今日は表彰台に上がれるとは思っていませんでした。2回ロングラップを走らなければならず、簡単ではありませんでしたが、ベストを尽くし、ようやく2位でフィニッシュできました。チームに本当に感謝したいと思います。今シーズンはすばらしい仕事をしてくれました」
ジェレミー・アルコバ(Moto3 3位/総合11位)
「シーズンが始まったときの目標は、初めての表彰台獲得でした。その目標をやっと達成できました。今週末は常に上位に入っていたので、この表彰台は努力の結果だと信じています。ほかのレースでも表彰台を獲得するチャンスがありましたが、今回はペースがとてもよかったです。落ち着いていました。終盤は2021年に向けていい結果を残したいと思っていました。僕をよくサポートしてくれたチームに感謝したいです」
セルジオ・ガルシア(Moto3 4位/総合9位)
「激しいバトルでした。序盤はスピードを乗せるのが難しい状態でしたが、徐々に追い上げていき、集団の中でいいポジションにつくことができました。終盤に向けて力を蓄えていましたが、表彰台に届きませんでした。最後はタイヤが限界でした。今回はEstrella Galicia 0,0で走る最後のレースでした。いい結果を残すことができてうれしいです。ワールドチャンピオンシップに参加させてくれたチームに感謝したいです」
小椋藍(Moto3 8位/総合3位)
「最後までタイトル争いができてよかったです。2019年は、いくつかのレースでいい結果を残し、チャンピオンシップで10位を獲得しました。ルーキーシーズンとしては悪くなかったと思います。そして2020シーズンは、開幕前のへレス、カタールテストでいい走りができました。初戦のカタールで表彰台に登れたことで、タイトル争いを考えるようになりました。そして、可能性も感じました。この1年、チャンピオンシップを戦えたことはもちろんですが、もっとも重要なのは最後までベストを尽くせたことです。完ぺきなシーズンとは言えませんが、いいシーズンでした。チームと自分を支えてくれたすべての人に感謝します。Moto3で最後のレースでした。Moto2での新しい挑戦にこれから挑みます」
國井勇輝(Moto3 22位/総合27位)
「スタートはよくて序盤は12番手くらいにいました。トップグループにいて、他のライダーたちと一緒に走りを楽しむことができました。しかし、ロングラップペナルティーでグループから離れた後、グループに追いつくことができませんでした。懸命にプッシュしましたが、ミスも多く、タイヤを消耗させてしまいました。今年はシーズンを通じて、いろいろな壁にぶつかりました。すべてが初めて経験することばかりでした。いい結果を残せず、チームには謝りたいです。しかし、シーズン中盤からこの最終戦にかけてかなり前進することができました。こうした経験は、来年に向けて大いに役立つと思っています」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 25 | R.フェルナンデス | KTM | 38'06.272 |
2 | 7 | デニス・フォッジャ | +5.810 | |
3 | 52 | ジェレミー・アルコバ | +5.866 | |
4 | 11 | セルジオ・ガルシア | +6.447 | |
5 | 14 | トニ・アルボリーノ | +12.998 | |
6 | 40 | D.ビンダー | KTM | +13.065 |
7 | 13 | C.ヴィエッティ | KTM | +13.907 |
8 | 79 | 小椋藍 | +13.929 | |
9 | 17 | ジョン・マクフィー | +13.945 | |
10 | 53 | D.オンジュ | KTM | +14.438 |
11 | 23 | ニッコロ・アントネッリ | +14.487 | |
12 | 75 | A.アレナス | KTM | +14.708 |
13 | 71 | 佐々木歩夢 | KTM | +19.285 |
14 | 99 | C.タタイ | KTM | +23.195 |
15 | 27 | 鳥羽海渡 | KTM | +24.233 |
16 | 70 | B.バルテュス | KTM | +24.260 |
17 | 6 | 山中琉聖 | +24.321 | |
18 | 31 | エイドリアン・フェルナンデス | +24.425 | |
19 | 82 | S.ネパ | KTM | +24.625 |
20 | 55 | R.フェナティ | ハスクバーナ | +24.672 |
21 | 16 | A.ミニョ | KTM | +27.637 |
22 | 92 | 國井勇輝 | +34.490 | |
23 | 50 | J.デュパスキエ | KTM | +34.884 |
24 | 54 | R.ロッシ | KTM | +35.003 |
25 | 73 | M.コフラー | KTM | +35.092 |
26 | 9 | D.ピッツォーリ | KTM | +35.216 |
27 | 2 | ガブリエル・ロドリゴ | +40.329 | |
28 | 89 | カイルール・イダム・パウィ | +46.973 | |
RT | 24 | 鈴木竜生 | +2Laps | |
RT | 5 | ハウメ・マシア | +4Laps | |
RT | 21 | A.ロペス | ハスクバーナ | +7Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 75 | A.アレナス | KTM | 174 |
2 | 14 | トニ・アルボリーノ | 170 | |
3 | 79 | 小椋藍 | 170 | |
4 | 25 | R.フェルナンデス | KTM | 159 |
5 | 13 | C.ヴィエッティ | KTM | 146 |
6 | 5 | ハウメ・マシア | 140 | |
7 | 17 | ジョン・マクフィー | 131 | |
8 | 40 | D.ビンダー | KTM | 122 |
9 | 11 | セルジオ・ガルシア | 90 | |
10 | 7 | デニス・フォッジャ | 89 | |
11 | 52 | ジェレミー・アルコバ | 87 | |
12 | 24 | 鈴木竜生 | 83 | |
13 | 2 | ガブリエル・ロドリゴ | 80 | |
14 | 55 | R.フェナティ | ハスクバーナ | 77 |
15 | 16 | A.ミニョ | KTM | 60 |
16 | 71 | 佐々木歩夢 | KTM | 52 |
17 | 53 | D.オンジュ | KTM | 50 |
18 | 27 | 鳥羽海渡 | KTM | 41 |
19 | 23 | ニッコロ・アントネッリ | 40 | |
20 | 82 | S.ネパ | KTM | 38 |
21 | 12 | フィリップ・サラク | 30 | |
22 | 99 | C.タタイ | KTM | 26 |
23 | 21 | A.ロペス | ハスクバーナ | 21 |
24 | 6 | 山中琉聖 | 14 | |
25 | 54 | R.ロッシ | KTM | 10 |
26 | 70 | B.バルテュス | KTM | 0 |
27 | 92 | 國井勇輝 | 0 | |
28 | 50 | J.デュパスキエ | KTM | 0 |
29 | 9 | D.ピッツォーリ | KTM | 0 |
30 | 73 | M.コフラー | KTM | 0 |
31 | 31 | エイドリアン・フェルナンデス | 0 | |
32 | 89 | カイルール・イダム・パウィ | 0 | |
33 | 60 | D.ガイガー | KTM | 0 |
順位 | コンストラクター | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | 326 | |
2 | KTM | 318 |
3 | ハスクバーナ | 86 |