Round15ポルトガルポルトガルGP

MotoGP

2020年11月22日(日)

アルガルベ・インターナショナル・サーキット
天候:晴れ
気温:22℃
コースコンディション:ドライ

第15戦 ポルトガルGP

中上貴晶 追い上げのレースで5位。ステファン・ブラドル7位、アレックス・マルケス9位、カル・クラッチロー13位。Honda勢全員がポイントを獲得する

最終戦ポルトガルGPは、予選11番手から決勝に挑んだ中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)が、すばらしい追い上げを見せて5位でフィニッシュしました。オープニングラップはグリッドと同じ11番手。アルガルベ・インターナショナル・サーキットはパッシングポイントが少なく、序盤は10台前後に膨れあがった4位争いの大集団の中で足踏み状態が続きましたが、4周目にマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)を抜いて10番手へ、10周目にはファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)をかわし9番手に浮上しました。

その後、ポジションに変動はなく、5番手争いを視野に周回を重ねますが、21周目には、ステファン・ブラドル(Repsol Honda Team)、カル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)のHonda勢とヨハン・ザルコ(ドゥカティ)、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)を次々にパスして5番手に浮上。前が一気に開けた中上は、1分40秒中盤から1分40秒前半へとタイムを上げて、4位を走るポル・エスパルガロ(KTM)を猛追撃。最終ラップの25周目には約0.7秒差まで縮めますが、惜しくも届きませんでした。

MotoGPクラス3年目のシーズンを迎えた中上は、ポールポジションを含め4回のフロントローを獲得。4位2回、5位2回など14戦を戦い、12レースでトップ10フィニッシュを果たすなど、安定した走りを見せました。

今季ベストの6番グリッドから決勝に挑んだステファン・ブラドルが、今季ベストリザルトの7位でフィニッシュしました。今大会は初日から好調で、フリー走行、予選と快調にラップを刻みました。決勝レースもオープニングラップ7番手から、中盤はカル・クラッチローとともに5番手争いを繰り広げました。レース終盤は、それまでの1分40秒台中盤から後半へとペースをやや落としましたが、第10戦フランスGPの8位をしのぐ7位でフィニッシュしました。

今季は、第2戦スペインGPで右腕上腕を骨折し、治療とリハビリを続けるマルク・マルケス(Repsol Honda Team)の代役として11戦に出場。シングルフィニッシュが2度というすばらしい結果を残し、マシン開発で大きな貢献をしました。

アレックス・マルケス(Repsol Honda Team)が9位でフィニッシュしました。今大会は表彰台争いに加わることはできませんでしたが、3日間を通じて着実に前進しました。今大会は16番手という厳しいグリッドからのスタートとなりましたが、序盤は大集団となった4番手争いのグループに加わり、その後も安定したペースで周回を重ね、9位でフィニッシュしました。ルーキーシーズンの今年は、MotoGPマシンでは初めて経験するサーキットが続き、厳しいレースが続きました。しかし、第10戦フランスGP、第11戦アラゴンGPで連続2位になり、大きな成長を遂げました。

LCR Honda CASTROLで最後のレースとなったカル・クラッチローは13位でした。今大会は予選4番手と本来の走りを取り戻し、決勝では中盤まで5番手争いをリードする元気あふれる走りを見せました。しかし、終盤はリアタイヤの消耗に苦しみ13位へと後退しました。シーズン最終戦に全力で挑んだクラッチローに、6年間在籍したチームスタッフから大きな拍手を送られました。

 

コメント

中上貴晶(MotoGP 5位/総合10位)中上貴晶
「今シーズンは休みがほぼなかったにも関わらず、チームはマシンを準備してくれました。いつも完ぺきだったので、チームのすべての人に感謝したいです。僕をサポートしてくれたすべてのスポンサーにも感謝したいです。LCR Honda Teamとの最後のレースとなったカル(クラッチロー)にも感謝したいです。この3年間、彼はすばらしいチームメートでした。彼の今後の幸運を祈っています。今日はいい戦略を見つけるのが難しいレースでした。11番手から追い上げるのはたいへんでしたが、いいスタートを切ることができたので、序盤はとても力強い走りができました。レース中は大きなバトルがありました。最後はいいラップタイムを刻むことができて、再び5位を獲得できました。とてもうれしいです。今シーズンの僕のパフォーマンスは、昨年と比べると全体的に大きく前進できたので、チームの仕事に感謝したいです。僕たちはすでに来年のことを考えています。来年も前進できることは明らかです。来年はチャンピオンシップ争いができることを願っています。それが目標です。また来年会いましょう」

ステファン・ブラドル(MotoGP 7位/総合19位)ステファン・ブラドル
「とても楽しいレースでした。チャンピオンシップで上位争いができるスピードとモチベーションがあることを証明できました。代役として最初に乗ったときは厳しいレースが続きましたが、それからはチームとどんどん強くなることができました。そして、いい仕事ができるようになりました。とても満足しています。今日のレースはたくさんのバトルがありました。前回のバレンシアはあまりよくありませんでしたが、今回はポテンシャルを発揮することができました。Repsol Honda TeamとHRCに感謝したいです。すばらしい関係です。そして、仕事を続けることができてとてもうれしいです。レースとテストでとても忙しい日々でしたが、すべての仕事をこなすことができました。そのおかげで強くなることができました。みんなにとって難しい1年でした。シーズンを可能にしてくれたすべての人に感謝したいです」

アレックス・マルケス(MotoGP 9位/総合14位)アレックス・マルケス
「厳しいレースでした。ベテランのライダーたちとたくさんのバトルがありました。とても楽しかったです。1周目は(ジョアン)ミル(スズキ)、そのあとはバレンティーノ(ロッシ、ヤマハ)、そしてファビオ(クアルタラロ、ヤマハ)とバトルしました。彼らからたくさんのことを学ぶことができました。4番手争いができるほどのいいリズムがありましたが、今回はスターティンググリッドが結果に影響してしまいました。それでも、うまくまとめ、追い上げることができました。激しい戦いとなったMoto3クラスとMoto2クラスのチャンピオンとなった(アルベルト)アレナス(KTM)とエネア(バスティアニーニ、KALEX)におめでとうと言いたいです。
振り返れば、前進するためにもっとできたことがあったと思います。そして、いい結果をもっと早く出せたかもしれません。しかし、すべてのカテゴリーで僕は、いつもスタートが遅いです。でも決してあきらめず、目標を達成するために全力を尽くします。今年は2度表彰台を獲得しました。シーズンが始まる前に夢見た結果です。そのうち一つはコンディションが特別でしたが、アラゴンの表彰台はすばらしいものでした。残念ながらルーキー・オブ・ザ・イヤーは獲得できませんでした。でもシーズン後半の仕事にはとても満足しています。今シーズンのレースを可能にしてくれたドルナをはじめとする、スポンサー、テレビなどで観戦しているファン、そして世界中のひとたちに感謝しています。サーキットに観客がいた方がもちろんよかったに違いありませんが、それは不可能でした。彼らのためにいいショーができたことを願っています。サーキットに来られなかった世界中の人にとって難しいシーズンでした」

カル・クラッチロー(MotoGP 13位/総合18位)カル・クラッチロー
「まずはこの6年間のチームの仕事に感謝したいです。今年は思ったように行きませんでしたが、最高の瞬間もありました。僕のキャリアのほとんどの時間をこのチームと過ごすことができました。キャリアの最後をこのチームと過ごせてよかったです。今週末は全力を尽くしました。セッションでは何度かトップタイムを出すことができました。レースでは全力を尽くしましたが、残念ながらリアタイヤがこのペースでプッシュし続けられませんでした。でもレースを完走することができたし、僕のフルタイムキャリアを終えることができました。この決断は今年の早い段階に決めました。この決断には満足しています。遠くからレースを観るのを楽しみにしています。来年はまだテストの仕事がありますが、これからはMotoGPのレースを観るのが楽しみです。エキサイティングなレースになるでしょう。若いライダーたちに引き継いでもらい、彼らにがんばってもらいたいです。幸運を祈っています」

MotoGP リザルト

順位 No. ライダー マシン タイム/差
188M.オリベイラKTM41'48.163
243J.ミラードゥカティ+3.193
321F.モルビデリヤマハ+3.298
444P.エスパルガロKTM+12.626
530中上貴晶Honda+13.318
64A.ドヴィツィオーゾドゥカティ+15.578
76ステファン・ブラドルHonda+15.738
841A.エスパルガロアプリリア+16.034
973アレックス・マルケスHonda+18.325
105J.ザルコドゥカティ+18.596
1112M.ビニャーレスヤマハ+18.685
1246V.ロッシヤマハ+18.946
1335カル・クラッチローHonda+19.159
1420F.クアルタラロヤマハ+24.376
1542A.リンススズキ+27.776
169D.ペトルッチドゥカティ+34.266
1782M.カリオKTM+48.410
1853T.ラバトドゥカティ+48.411
RT32L.サバドーリアプリリア+3Laps
RT36J.ミルスズキ+10Laps
RT33B.ビンダーKTM+23Laps
RT63F.バニャイアドゥカティ-

MotoGP ポイントランキング

ライダー

順位 No. ライダー マシン 総合ポイント
136J.ミルスズキ171
221F.モルビデリヤマハ158
342A.リンススズキ139
44A.ドヴィツィオーゾドゥカティ135
544P.エスパルガロKTM135
612M.ビニャーレスヤマハ132
743J.ミラードゥカティ132
820F.クアルタラロヤマハ127
988M.オリベイラKTM125
1030中上貴晶Honda116
1133B.ビンダーKTM87
129D.ペトルッチドゥカティ78
135J.ザルコドゥカティ77
1473アレックス・マルケスHonda74
1546V.ロッシヤマハ66
1663F.バニャイアドゥカティ47
1741A.エスパルガロアプリリア42
1835カル・クラッチローHonda32
196ステファン・ブラドルHonda27
2027I.レクオナKTM27
2138B.スミスアプリリア12
2253T.ラバトドゥカティ10
2351M.ピッロドゥカティ4
2482M.カリオKTM0
2532L.サバドーリアプリリア0

コンストラクター

順位 コンストラクター 総合ポイント
1ドゥカティ221
2ヤマハ204
3スズキ202
4KTM200
5Honda144
6アプリリア51

チーム

順位 チーム 総合ポイント
1Team SUZUKI ECSTAR310
2Petronas Yamaha SRT248
3Red Bull KTM Factory Racing222
4Ducati Team213
5Pramac Racing183
6Monster Energy Yamaha MotoGP178
7Red Bull KTM Tech 3152
8LCR Honda148
9Repsol Honda Team101
10Esponsorama Racing87
11Aprilia Racing Team Gresini54

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