Moto2クラスは、FP1がウエット、FP2はドライコンディションの中で走行が行われましたが、不安定な天候と厳しいコンディションがリザルトに大きく影響しました。通常、トップから1秒差に20台前後という厳しい戦いが予想されるル・マンですが、初日のフリー走行はトップから1秒差に13台という結果でした。
トップタイムをマークしたのは、この数戦、調子を上げているジェイク・ディクソン(Petronas Sprinta Racing)で、今大会は初のフロントローが期待されます。ディクソンは、第8戦エミリア=ロマーニャGPで予選7番手につけると、第9戦カタルニアGPでは予選5番手と調子を上げてきました。決勝ではエミリア=ロマーニャGPの6位が最高位ですが、今大会の初日は、初フロントロー、初表彰台も視野に入れる走りを見せました。
2番手には新型コロナウイルスの感染で2レースを欠場、前戦カタルニアGPに3戦ぶりに復帰したホルヘ・マルティン(Red Bull KTM Ajo)で本来の調子を取り戻したことをアピールする走りでした。3番手にはマルコ・ベツェッキ(SKY Racing Team VR46)で、今季2回目のポールポジションと3回目のフロントローに向けて絶好のスタートを切りました。
4番手には、安定した速さと強さを見せるサム・ロース(EG 0,0 Marc VDS)。5番手にはアウグスト・フェルナンデス(EG 0,0 Marc VDS)。6番手にホルヘ・ナバロ(Termozeta Speed Up、7番手にルーキーのアーロン・カネット(Inde Aspar Team Moto2)と続き、8番手にはこのサーキットを得意とするベテランのトーマス・ルティ(Liqui Moly Intact GP)、10番手にはチームメートのマルセル・シュローター(Liqui Moly Intact GP)でした。
IDEMITSU Honda Team Asiaのソムキアット・チャントラは、ウエットコンディションとなったFP1は3周目に転倒しましたが、FP2では元気あふれる走りを見せて11番手に浮上。土曜日の予選では、ダイレクトでのQ2進出と今季初フロントローに挑みます。チームメートのアンディ・ファリド・イズディハール(IDEMITSU Honda Team Asia)もFP1ではセッション開始早々に転倒を喫しましたが、FP2では17ラップを刻み27番手でした。
ジェイク・ディクソン(Moto2 1番手)
「このような形でレースウイークをスタートできてとてもうれしいです。今日はとてもトリッキーでした。FP1はウエットで、FP2はウエットパッチが残り、セッション終盤に向けてドライになっていきました。マリーニのように大きな転倒をしかねないコンディションだったので、本当に気を付けなければなりませんでした。彼が無事であることを願っています。正確な走りをしなければなりませんでした。フィーリングはよかったです。ウエットとドライのセットアップに取り組みました。ドライよりもウエットに少し苦戦しましたが、両方のコンディションに取り組まなければなりませんでした。このサーキットをカレックスで走ったのは初めてなので、やらなければならない仕事はまだありますが、明日の予選でいいポジションを獲得できることを願っています」
ホルヘ・マルティン(Moto2 2番手)
「今日の結果に満足しています。FP1は、路面コンディションがミックスしていて、少し不思議な感じでした。そのためFP1は少し控えめに走りました。それでも強さはありました。FP2はすばらしい仕事ができました。最初からとても快適に走行できました。重要なのは、この調子で明日も仕事をすることです。そしてさらに前進したいです。目標はフロントローを獲得すること。いい予選にしたいです」
マルコ・ベツェッキキ(Moto2 3番手)
「いい一日となりました。ウエットではグリップはよかったのですが、コンディションがミックスだった午後よりも苦労しました。このコースの4輪と共用する部分は滑りやすく、リスクをおかさないようにしました。全体的に今日はいい仕事ができたと思います。セッティングの変更もいい方向に向かっているし、明日が楽しみです」
ソムキアット・チャントラ(Moto2 11番手)
「今朝は路面が驚くほど滑りやすく、多くのライダーが転倒していました。僕も走行を開始して2周目に、いつもよりほんの少し強めにブレーキを掛けただけで、転倒してしまい、午前中を無駄にしてしまいました。しかし、メカニックがすばらしい速さと正確さで僕のマシンを修理し、午後のセッションに僕を送り出してくれました。最初からプッシュし、前を走るライダーを追いかけました。コンスタントに走れたし、そこから学ぶことができました。最後には単独でもいいラップを刻むことができました。今日のいいリズムを維持して明日もしっかりと走ります」
アンディ・ファリド・イズディハール(Moto2 27番手)
「コースインした最初のラップの最終コーナーで転倒をしてしまいました。最終コーナーはとても滑りやすく、多くのライダーが転倒していました。バイクが修復された後、注意深く再びコースに入り、特に最終セクターは用心したのですが、同じ場所でまた転倒してしまいました。ドライコンディションとなった午後はとてもよかったです。多くのラップを走り、タイムも改善されたのですが十分ではありませんでした。明日は、もっとコンディションがよくなることを期待しています。今朝の転倒でなくした自信を取り戻せるように懸命に走ります」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 96 | ジェイク・ディクソン | KALEX | 1'37.713 |
2 | 88 | ホルヘ・マルティン | KALEX | +0.049 |
3 | 72 | マルコ・ベツェッキ | KALEX | +0.304 |
4 | 22 | サム・ロース | KALEX | +0.442 |
5 | 37 | アウグスト・フェルナンデス | KALEX | +0.472 |
6 | 9 | ホルヘ・ナバロ | SPEED UP | +0.508 |
7 | 44 | アーロン・カネット | SPEED UP | +0.546 |
8 | 12 | トーマス・ルティ | KALEX | +0.561 |
9 | 23 | マルセル・シュローター | KALEX | +0.628 |
10 | 97 | チャビ・ビエルゲ | KALEX | +0.746 |
11 | 35 | ソムキアット・チャントラ | KALEX | +0.763 |
12 | 16 | ジョー・ロバーツ | KALEX | +0.796 |
13 | 62 | ステファノ・マンシィ | MVアグスタ | +0.999 |
14 | 33 | エネア・バスティアニーニ | KALEX | +1.103 |
15 | 40 | ヘクター・ガルゾ | KALEX | +1.130 |
16 | 7 | ロレンソ・バルダッサーリ | KALEX | +1.244 |
17 | 24 | シモーネ・コルシ | MVアグスタ | +1.297 |
18 | 42 | マルコス・ラミレス | KALEX | +1.307 |
19 | 45 | 長島哲太 | KALEX | +1.309 |
20 | 19 | ロレンソ・ダラ・ポルタ | KALEX | +1.363 |
21 | 55 | ハフィス・シャーリン | SPEED UP | +1.644 |
22 | 99 | カスマ・ダニエル・カスマユディン | KALEX | +1.819 |
23 | 87 | レミー・ガードナー | KALEX | +1.857 |
24 | 64 | ボウ・ベンドスナイダー | NTS | +2.063 |
25 | 11 | ニッコロ・ブレガ | KALEX | +2.141 |
26 | 57 | エドガー・ポンス | KALEX | +3.256 |
27 | 27 | アンディ・ファリド・イズディハール | KALEX | +3.302 |
RT | 10 | ルカ・マリーニ | KALEX | +7.396 |
RT | 21 | ファビオ・ディ・ジャンアントニオ | SPEED UP | +16.322 |
RT | 74 | ピオトル・ビエシキルスキー | NTS | +20.255 |