Moto3クラスは、初ポールポジション(PP)から好スタートを切って首位を快走した鈴木竜生(SIC58 Squadra Corse)が初優勝を達成しました。今季もっとも厳しい戦いとなった予選では、地元イタリア勢を抑えてPPを獲得すると、決勝でも10台前後の大集団となったトップグループの主導権を握りました。レース後半には、ホームGPに闘志を燃やすジャウメ・マシア(KTM)とトニ・アルボリーノ(VNE Snipers)に先行を許しますが、ラスト3周で再び首位に浮上すると後続を引き離しました。チームのホームGPで念願の初優勝を達成。スタッフとともに喜びを爆発させることになりました。
2位にはジョン・マクフィー(Petronas Sprinta Racing)。終盤、大接戦のグループから抜け出して2位でフィニッシュ。今季3回目の表彰台を獲得しました。3位にはホームGP制覇に闘志を燃やしたアルボリーノでHonda勢が3戦連続で表彰台を独占、今季10勝目を挙げました。
ケガからの復帰戦となったガブリエル・ロドリゴ(Kömmerling Gresini Moto3)が6位、前戦イギリスGPで優勝のマルコス・ラミレス(Leopard Racing)が7位、総合首位で大会2連覇を狙ったロレンソ・ダラ・ポルタ(Leopard Racing)は8位でした。
思うような結果を残せなかったダラ・ポルタですが、総合2位につけるアーロン・カネット(KTM)がリタイアに終わり、14点差を22点差へと広げることに成功しました。ホームGPに気合のリカルド・ロッシ(Kömmerling Gresini Moto3)が14位で初ポイントを獲得しました。
今大会は、30台が出場し完走16台という厳しい戦いとなりました。最終ラップまでトップグループにつけて表彰台争いに加わった小椋藍(Honda Team Asia)は他者の転倒に巻き込まれてリタイア。鳥羽海渡(Honda Team Asia)、佐々木歩夢(Petronas Sprinta Racing)はオープニングラップの混戦の中で転倒リタイアという結果でした。
鈴木竜生(Moto3 優勝)
「チームのホームGP、そして、シモンチェリさんの名前がついたサーキットで初優勝を達成できて、本当にうれしいです。初表彰台に立ったスペインGPもうれしかったレースですが、それとは比べられないほど最高の気持ちでした。いいスタートが切れて、2位以下にリードを広げたときは逃げられるかと思いました。しかし、自分のミスもあり追い上げられて集団になりました。後半、後ろに下がったときに、前を走る2人もタイヤがきつそうだったので、とにかく前に出ていこうと決めました。本当に最高のレースになりました。チーム、スタッフ、そして応援してくれたファンに感謝したいです」
ジョン・マクフィー(Moto3 2位)
「おもしろいレースでした。レースウイークを通していいペースがありましたが、予選で転倒してから、やるべきことがたくさんできてしまいました。スタートでプランがありましたが、1コーナーからプラン通りには行きませんでした。なるべくたくさん追い上げたかったのですが、ほかのライダーの転倒の影響で僕は16番手でした。その後、一生懸命追い上げてトップ10まで来ましたが、ほかのライダーが転倒して再び18番手まで下がってしまいました。追い上げるのは難しかったですが、いいリズムがあったので、ひとりずつパスしていきました。トップグループに追いついたときが一番満足できました。3位が狙えると思いましたが、最終ラップで僕の前でライダーが転倒したとき、もう一つ上が狙えると思いました。優勝のチャンスもありましたが、残り4コーナーで、2番手に上がるのが限界でした。チームは今日すばらしいマシンを準備してくれました。次の週末が楽しみです」
トニ・アルボリーノ(Moto3 3位)
「表彰台を獲得できてうれしいです。ホームのファンの前で表彰台に立てて最高の気分です。今日はリアのグリップがあまりなく、難しいレースでした。最初はどのタイヤを使えばいいのかわかりませんでした。しかし、ソフトタイヤの方がいいフィーリングがあったので、ソフトタイヤに決めました。チャンピオンシップのことは考えずに、すべてのレースで集中力を維持していきたいです」
小椋藍(Moto3 リタイア)
「どう言っていいのかわかりません。レースではいいペースで走れていたし、終盤には表彰台争いに加わることができました。悔しいですが、最終ラップに転倒し、完走することができませんでした。今年1番悔しいレースでした。次戦アラゴンGPに向けて気持ちを切り換えます」
鳥羽海渡(Moto3 リタイア)
「スタート直後の1コーナーで他車に巻き込まれ転倒してしまいました。悔しいとしか言いようがありません。今朝のウォームアップ走行でベストタイムを刻めたし、マシンにとてもすばらしいフィーリングだったし、自信を持ってスタートを切ることができました。後方のポジションからのレースでしたが、トップ10を目指しました。次戦のアラゴンに向けて気持ちを切り替え、準備していきたいです」
佐々木歩夢(Moto3 リタイア)
「難しい週末でした。いいペースがありましたが、グリッドがよくなかったので序盤に追い上げなければなりませんでした。いいスタートを切って、4つポジションを上げたのですが、前を走るライダーのブレーキングがとても早くて、避けることができませんでした。結果を残すことができず残念でしたが、いいペースがあったことと、マシンのフィーリングがすばらしかったので、次のレースにつなげることができました。連戦なので、今日のことは忘れて、次のアラゴンに集中したいです」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 24 | 鈴木竜生 | ![]() | 40'00.034 |
2 | 17 | ジョン・マクフィー | ![]() | +0.112 |
3 | 14 | トニ・アルボリーノ | ![]() | +0.201 |
4 | 5 | J.マシア | KTM | +0.708 |
5 | 7 | D.フォッジャ | KTM | +3.232 |
6 | 19 | ガブリエル・ロドリゴ | ![]() | +3.431 |
7 | 42 | マルコス・ラミレス | ![]() | +3.518 |
8 | 48 | ロレンソ・ダラ・ポルタ | ![]() | +3.740 |
9 | 12 | F.サラク | KTM | +4.358 |
10 | 25 | R.フェルナンデス | KTM | +14.210 |
11 | 82 | S.ネパ | KTM | +17.190 |
12 | 84 | J.コーンフェール | KTM | +17.217 |
13 | 16 | A.ミニョ | KTM | +29.972 |
14 | 54 | リカルド・ロッシ | ![]() | +32.133 |
15 | 20 | E.バルトリーニ | KTM | +32.217 |
16 | 53 | D.オンジュ | KTM | +51.058 |
RT | 79 | 小椋藍 | ![]() | +1Lap |
RT | 22 | 真崎一輝 | KTM | +5Laps |
RT | 83 | M.カワカミ | KTM | +6Laps |
RT | 40 | D.ビンダー | KTM | +15Laps |
RT | 44 | A.カネット | KTM | +18Laps |
RT | 75 | A.アレナス | KTM | +20Laps |
RT | 23 | ニッコロ・アントネッリ | ![]() | +20Laps |
RT | 13 | C.ヴィエッティ | KTM | +20Laps |
RT | 69 | T.ブース・アモス | KTM | +20Laps |
RT | 21 | アロンソ・ロペス | ![]() | +21Laps |
RT | 71 | 佐々木歩夢 | ![]() | - |
RT | 27 | 鳥羽海渡 | ![]() | - |
RT | 11 | セルジオ・ガルシア | ![]() | - |
RT | 76 | M.ユルチェンコ | KTM | - |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 48 | ロレンソ・ダラ・ポルタ | ![]() | 179 |
2 | 44 | A.カネット | KTM | 157 |
3 | 14 | トニ・アルボリーノ | ![]() | 149 |
4 | 42 | マルコス・ラミレス | ![]() | 123 |
5 | 23 | ニッコロ・アントネッリ | ![]() | 118 |
6 | 17 | ジョン・マクフィー | ![]() | 113 |
7 | 5 | J.マシア | KTM | 96 |
8 | 13 | C.ヴィエッティ | KTM | 88 |
9 | 24 | 鈴木竜生 | ![]() | 75 |
10 | 84 | J.コーンフェール | KTM | 71 |
11 | 55 | ロマーノ・フェナティ | ![]() | 67 |
12 | 79 | 小椋藍 | ![]() | 66 |
13 | 7 | D.フォッジャ | KTM | 65 |
14 | 19 | ガブリエル・ロドリゴ | ![]() | 60 |
15 | 16 | A.ミニョ | KTM | 52 |
16 | 27 | 鳥羽海渡 | ![]() | 51 |
17 | 25 | R.フェルナンデス | KTM | 51 |
18 | 71 | 佐々木歩夢 | ![]() | 47 |
19 | 40 | D.ビンダー | KTM | 44 |
20 | 75 | A.アレナス | KTM | 35 |
21 | 21 | アロンソ・ロペス | ![]() | 34 |
22 | 76 | M.ユルチェンコ | KTM | 16 |
23 | 22 | 真崎一輝 | KTM | 14 |
24 | 12 | F.サラク | KTM | 13 |
25 | 11 | セルジオ・ガルシア | ![]() | 9 |
26 | 6 | 山中琉聖 | ![]() | 7 |
27 | 82 | S.ネパ | KTM | 5 |
28 | 99 | C.タタイ | KTM | 4 |
29 | 61 | C.オンジュ | KTM | 4 |
30 | 69 | T.ブース・アモス | KTM | 2 |
31 | 54 | リカルド・ロッシ | ![]() | 2 |
32 | 52 | ジェレミー・アルコバ | ![]() | 2 |
33 | 20 | E.バルトリーニ | KTM | 1 |
34 | 53 | D.オンジュ | KTM | 0 |
35 | 31 | ゲリー・サリム | ![]() | 0 |
36 | 77 | V.ペレス | KTM | 0 |
37 | 83 | M.カワカミ | KTM | 0 |
38 | 81 | A.ヴィウ | KTM | 0 |
39 | 73 | M.コフラー | KTM | 0 |
40 | 18 | R.ファン・デ・ラグマット | KTM | 0 |
41 | 28 | D.ガイガー | KTM | 0 |
42 | 96 | B.パーシュ | KTM | 0 |
順位 | コンストラクター | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | ![]() | 299 |
2 | KTM | 225 |