大接戦が続くMoto2クラスは、今大会も相変わらず厳しい戦いとなりました。初ポールポジション(PP)を獲得したレミー・ガードナー(ONEXOX TKKR SAG Team)から、フロントローを獲得した3選手のタイム差が、わずか0.144秒。Q2進出を果たした18位までが1.032秒差という接近戦となりました。
念願の初PPを獲得したガードナーは、高い気温と路面温度でスライドするタイヤを見事にコントロールしました。今年は第2戦アルゼンチンGPで2位に初表彰台を獲得しました。しかし、第4戦スペインGPで転倒して鎖骨を骨折、以来、厳しい走りを強いられてきましたが、やっと本来の調子を取り戻しました。レミー・ガードナーの父はHondaで500ccチャンピオンに輝いたワイン・ガードナー。父から初PP獲得の祝福の電話を受け、喜んでいました。
初日トップタイムのブラッド・ビンダー(Red bull KTM Ajo)が、今季初フロントローを獲得しました。今年はオフィシャルエンジンが変わり、車体とのマッチングにここまで苦戦してきましたが、やっと車体がまとまってきました。3番手にはチャビ・ビエルゲ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)で、6戦ぶり、そして今季3回目のフロントロー獲得となりました。決勝では今季初表彰台とMoto2初優勝を目指します。
現在、3連勝中で、今大会も優勝候補のアレックス・マルケス(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、4連勝に向けてセットアップに集中しました。2列目スタートですが、今大会も優勝候補の筆頭です。以下、サム・ローズ(Federal Oil Gresini Moto2)、Moto2ルーキーのファビオ・ディ・ジャンアントニオ(Beta Tools Speed Up)、総合3位につけるホルヘ・ナバロ(Beta Tools Speed Up)、総合2位につけるトーマス・ルティ(Dynavolt Intact GP)、ルーキーのエネア・バスティアニーニ(Italtrans Racing Team)、アンドレア・ロカテリ(Italtrans Racing Team)と僅差で続き、ここまでがトップ10でした。
IDEMITSU Honda Team Asiaのソムキャット・チャントラは、初めて経験するサーキットで初日11番手と好調なスタートを切りましたが、予選では20番手へとポジションを落としました。FP3では他者の転倒に巻き込まれる不運の転倒、その後も転倒があり、思うようにタイムを短縮できませんでした。しかし、決勝では今季2度目のポイント獲得が期待されます。チームメートで初日のフリー走行で他者にぶつけられ転倒したディマス・エッキー・プラタマは、今大会を欠場することになりました。
レミー・ガードナー(Moto2 1番手)
「FP3はうまくいきましたが、予選ではマシンがかなりスライドしたので、いいラップタイムを刻むのがたいへんでした。ピットに戻りリアタイヤを新品に変えたら、フィーリングはよくなりました。暑さの中でタイムを上げていくのはとても難しいのですが、最後にいいラップを2周できました。ピットに戻ると、父から電話があり、とてもうれしかったです。とてもいい気分です。ヘレスで鎖骨を骨折してから、厳しい走りが続いていましたが、ようやく調子が戻りました」
ブラッド・ビンダー(Moto2 2番手)
「フロントローに戻ってくることができてとてもうれしいです。難しいレースが続きましたが、今回の結果で、KTMがとてもうまく機能していることを証明できました。レースディスタンスで新しいパーツを試すのが楽しみなので、僕たちにとっては重要なレースになります。トップグループは接戦になると思うので、頭を使って走らなくてはいけません。そして終盤に勝負できるようにしたいです」
チャビ・ビエルゲ(Moto2 3番手)
「ようやくフロントローに戻ってくることができました。チームの努力が報われました。苦戦したヘレス以降、ここまでがんばってきました。バルセロナのレースウイークとそのあとのテストで前進できました。比較的スタンダードなベースのセットアップですが、自分のスタイルを変えることで違いを出すことができました。今週末の目標は、あまりマシンのセッティングを変えないことでした。チームのすばらしい努力のおかげでそれを達成できました。フロントローを獲得するために一生懸命プッシュしました。再び楽しく走ることができました。レースが楽しみです。暑く厳しいレースになると思いますが、いいペースを見せられたと思います。明日トップグループで戦う準備はできています」
ソムキャット・チャントラ(Moto2 20番手)
「今日の予選は、たくさんの失敗をしてしまいました。Q2に進むチャンスがあったのに、結果は20位でした。昨日が11位だったので、FP3では、直接Q2に進みたいと思っていました。しかし転倒したナバーロ選手に巻き込まれてしまい、私も転倒してしまいました。そこで、たくさんの時間をロスしてしまい、ル・マンの後、手術した足をまた痛めてしまいました。その後、ラップタイムは改善しましたが、十分ではありませんでした。初めてのアッセンサーキットの攻略は簡単ではありませんが、ラップタイムとペースには満足しています」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム |
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1 | 87 | レミー・ガードナー | KALEX | 1'36.572 |
2 | 41 | ブラッド・ビンダー | KTM | 1'36.682 |
3 | 97 | チャビ・ビエルゲ | KALEX | 1'36.716 |
4 | 73 | アレックス・マルケス | KALEX | 1'36.771 |
5 | 22 | サム・ロース | KALEX | 1'36.855 |
6 | 21 | ファビオ・ディ・ジャンアントニオ | SPEED UP | 1'36.979 |
7 | 9 | ホルヘ・ナバロ | SPEED UP | 1'37.076 |
8 | 12 | トーマス・ルティ | KALEX | 1'37.078 |
9 | 33 | エネア・バスティアニーニ | KALEX | 1'37.084 |
10 | 5 | アンドレア・ロカテリ | KALEX | 1'37.171 |
11 | 10 | ルカ・マリーニ | KALEX | 1'37.171 |
12 | 23 | マルセル・シュローター | KALEX | 1'37.233 |
13 | 40 | アウグスト・フェルナンデス | KALEX | 1'37.340 |
14 | 88 | ホルヘ・マルティン | KTM | 1'37.405 |
15 | 45 | 長島哲太 | KALEX | 1'37.413 |
16 | 7 | ロレンソ・バルダッサーリ | KALEX | 1'37.456 |
17 | 27 | イケル・レクオナ | KTM | 1'37.592 |
18 | 11 | ニッコロ・ブレガ | KALEX | 1'37.604 |
19 | 77 | ドミニク・エガーター | MVアグスタ | 1'37.529 |
20 | 35 | ソムキャット・チャントラ | KALEX | 1'37.626 |
21 | 62 | ステファノ・マンシィ | MVアグスタ | 1'37.789 |
22 | 72 | マルコ・ベツェッキ | KTM | 1'37.805 |
23 | 94 | ジョナス・フォルガー | KALEX | 1'38.063 |
24 | 64 | ボウ・ベンドスナイダー | NTS | 1'38.103 |
25 | 96 | ジェイク・ディクソン | KTM | 1'38.118 |
26 | 24 | シモーネ・コルシ | KALEX | 1'38.121 |
27 | 3 | ルーカス・ツロヴィッチ | KTM | 1'38.462 |
28 | 16 | ジョー・ロバーツ | KTM | 1'38.510 |
29 | 4 | スティーブン・オデンダル | NTS | 1'38.967 |
30 | 18 | シャビ・カルデルス | KTM | 1'39.474 |