Moto3クラスは今年も大集団の戦いとなり、今季初PPからトップグループに加わったトニ・アルボリーノ(VNE Snipers)が8台で繰り広げられた接戦を制しました。アルボリーノは、第2戦アルゼンチンGPで3位になり初表彰台を獲得しました。以来、3レース連続で表彰台に立つことはできませんでしたが、ホームグランプリで見事初優勝を達成しました。これでHondaは今季4勝目を達成し、コンストラクターズポイントでKTMとの差を15ポイントとしました。
2戦連続今季3回目のフロントローから決勝に挑んだロレンソ・ダラ・ポルタ(Leopard Racing)が、今季3回目の表彰台に立ちました。優勝したアルボリーノとの差は、0.029秒という厳しい優勝争いでした。
予選の信号無視のペナルティーで18番手スタートになったニッコロ・アントネッリ(SIC58 Squadra Corse)が追い上げて4位でフィニッシュ、前戦フランスGPで3年ぶりの優勝を達成したジョン・マクフィー(Petronas Sprinta Racing)が17番グリッドから追い上げて6位、信号無視のペナルティーで9番グリッドにポジションダウンの鈴木竜生(SIC58 Squadra Corse)がトップグループの中で8位でチェッカーを受けました。
今大会は、31台が出場しましたが、転倒者が多く、完走21台という厳しい戦いでした、その中で、セルジオ・ガルシア(Estrella Galicia 0,0)が初ポイント獲得の13位でフィニッシュ。ケガで欠場の小椋藍の代役出場のゲリー・サリム(Honda Team Asia)は16位。ワイルドカードで優勝の山中琉聖(Estrella Galicia 0,0)が17位と、ともにポイント獲得まであと少しでした。
予選19番手から10番手まで追い上げた佐々木歩夢(Petronas Sprinta Racing)と、6番グリッドから11位を走っていた鳥羽海渡(Honda Team Asia)は、ともに17周目に転倒し、リタイアに終わりました。
トニ・アルボリーノ(Moto3 優勝)
「最高の週末になりました。いい週末になると感じていました。今回のレースは戦略がとても重要でした。集中力を維持しました。優勝するためには、最終コーナーで2番手になる必要がありました。その通りのレースができました。サポートしてくれたすべての人に感謝しています。観客は最高でした。イタリアとして、このサーキットで優勝できたことは特別なことです。本当にすばらしいチームです」
ロレンソ・ダラ・ポルタ(Moto3 2位)
「今日はとても楽しかったです。スタートからいいフィーリングといいペースがあり、思ったような走りができました。必要な時にたくさんのライダーをオーバーテイクできました。レースを通して必要なことはすべてやり遂げることができましたが、最後に少しミスをしてしまいました。マシンは完ぺきでしたが、金曜日に転倒して、マシンを修復するために時間がかかってしまい、走行時間が短くなったことが一番の問題だったと思います。それでも、いいフィーリングがあり、とてもうれしいです。チームとスポンサー、家族、そしてムジェロで応援してくれたすべての人に感謝しています」
ニッコロ・アントネッリ(Moto3 4位)
「後方からのスタートになったのでとても厳しいレースでした。ひとりでも多く抜こうと一生懸命に走りました。しかしそのせいでレース終盤はタイヤと体力が消耗しました。でもポイントを獲得することができました。次戦も表彰台獲得を目指し、チャンピオン争いをしたいと思います」
鈴木竜生(Moto3 8位)
「今日はだれにとってもタイヤに厳しいレースだったので、だれも逃げられないと思いました。その通りの展開になり、トップグループにいた選手全員に優勝のチャンスがあったと思います。今日はブレーキングがよかったので最終ラップのストレートをトップで通過したのですが、やっぱりスリップ(ストリーム)を使い、ズバズバ抜かれてしまいました。前回のル・マンはトップを走り続けましたが、転倒して0ポイントだったので、今回はしっかり走ろうと思っていました。ポイントを獲得できでよかったです。今年はどこのグランプリでも優勝争いができています。自信はあります。次戦カタルニアでは、初優勝を目指したいです」
ゲリー・サリム(Moto3 16位)
「ファンタスティックな結果でレースを終えることができました。昨日、走行を終えたあと、チーフメカニックと走行データを解析してまだまだ改善の余地があることが分かりました。グランプリのMoto3クラスのライダーは、スタート直後から限界で攻めて走ります。その中でうまく走れるかどうか心配でしたが、転倒しないことを第一に走ろうと心掛けました。ベストラップでは12番目。そして16位という結果でレースを終えることができました。このチャンスを与えてくれた、HondaとHonda Team Asiaに感謝します。とても楽しむことができました」
山中琉聖(Moto3 17位)
「今大会は3日間を通じて自分の力を出せず、しかも決勝ではポイントも獲得できずという悔しいレースになりました。FIM CEVレプソルインターナショナル選手権とグランプリでは、予選のタイムの出し方が全く違うので、それに慣れていないことも、予選でいいグリッドを獲得できなかった理由でした。決勝はそれほど速いペースではなかったのですが、その中でも、自分の思い通りに走ることができませんでした。自分の力不足を感じるレースになりました。この悔しさを次のレースに活かせるようにしたいです」
佐々木歩夢(Moto3 リタイア)
「転倒という残念な結果でしたが、今年になって初めて楽しいレースができました。ファステストラップでも2番目だったし、転んでいなければトップグループまで上がっていけたのではないかなと思います。今回はバトルしていて楽しかったですし、その部分では大きな自信になりました。課題は、今回もフリーと予選でしっかりタイムを出せなかったことでした。次戦カタルニアは、今大会の前にテストをしているので初日からしっかりタイムを出していきたいです。今季ベストを目指します」
鳥羽海渡(Moto3 リタイア)
「今季2回目のノーポイントのレースとなりました。最悪の結果でした。チャンピオン争いでもポジションを落としました。今日は、序盤の混戦の中で、自分のベストの走行ラインを走ることができずポジションを落としました。レース中盤にはなんとかトップグループに追いついたのですが、他者に押し出されるかたちとなり転倒してしまいました。今日はなにを言っていいのか分からない気持ちです。次戦はカタルニアでのレースになりますが、先日のテストでとてもいい感じで走ることができたので、今回の転倒をばん回できるようにがんばります」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 14 | トニ・アルボリーノ | ![]() | 39'29.874 |
2 | 48 | ロレンソ・ダラ・ポルタ | ![]() | +0.029 |
3 | 5 | J.マシア | KTM | +0.078 |
4 | 23 | ニッコロ・アントネッリ | ![]() | +0.156 |
5 | 7 | D.フォッジャ | KTM | +0.267 |
6 | 17 | ジョン・マクフィー | ![]() | +0.403 |
7 | 44 | A.カネット | KTM | +0.559 |
8 | 24 | 鈴木竜生 | ![]() | +0.595 |
9 | 13 | C.ヴィエッティ | KTM | +1.566 |
10 | 40 | D.ビンダー | KTM | +1.597 |
11 | 25 | R.フェルナンデス | KTM | +2.519 |
12 | 75 | A.アレナス | KTM | +2.554 |
13 | 11 | セルジオ・ガルシア | ![]() | +2.578 |
14 | 84 | J.コーンフェール | KTM | +22.830 |
15 | 76 | M.ユルチェンコ | KTM | +26.669 |
16 | 31 | ゲリー・サリム | ![]() | +26.745 |
17 | 6 | 山中琉聖 | ![]() | +26.777 |
18 | 61 | C.オンジュ | KTM | +26.779 |
19 | 77 | V.ペレス | KTM | +26.873 |
20 | 12 | F.サラク | KTM | +29.782 |
21 | 54 | リカルド・ロッシ | ![]() | +51.331 |
RT | 71 | 佐々木歩夢 | ![]() | +4Laps |
RT | 27 | 鳥羽海渡 | ![]() | +4Laps |
RT | 16 | A.ミニョ | KTM | +5Laps |
RT | 55 | ロマーノ・フェナティ | ![]() | +5Laps |
RT | 42 | マルコス・ラミレス | ![]() | +9Laps |
RT | 69 | T.ブース・アモス | KTM | +11Laps |
RT | 21 | アロンソ・ロペス | ![]() | +13Laps |
RT | 3 | K.ザノーニ | TM | +13Laps |
RT | 19 | ガブリエル・ロドリゴ | ![]() | +17Laps |
RT | 22 | 真崎一輝 | KTM | +18Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 44 | A.カネット | KTM | 83 |
2 | 48 | ロレンソ・ダラ・ポルタ | ![]() | 80 |
3 | 23 | ニッコロ・アントネッリ | ![]() | 70 |
4 | 5 | J.マシア | KTM | 65 |
5 | 13 | C.ヴィエッティ | KTM | 52 |
6 | 14 | トニ・アルボリーノ | ![]() | 51 |
7 | 27 | 鳥羽海渡 | ![]() | 51 |
8 | 17 | ジョン・マクフィー | ![]() | 44 |
9 | 16 | A.ミニョ | KTM | 40 |
10 | 19 | ガブリエル・ロドリゴ | ![]() | 37 |
11 | 40 | D.ビンダー | KTM | 32 |
12 | 24 | 鈴木竜生 | ![]() | 31 |
13 | 75 | A.アレナス | KTM | 30 |
14 | 25 | R.フェルナンデス | KTM | 30 |
15 | 7 | D.フォッジャ | KTM | 25 |
16 | 42 | マルコス・ラミレス | ![]() | 24 |
17 | 84 | J.コーンフェール | KTM | 24 |
18 | 79 | 小椋藍 | ![]() | 17 |
19 | 71 | 佐々木歩夢 | ![]() | 14 |
20 | 21 | アロンソ・ロペス | ![]() | 14 |
21 | 22 | 真崎一輝 | KTM | 11 |
22 | 55 | ロマーノ・フェナティ | ![]() | 7 |
23 | 76 | M.ユルチェンコ | KTM | 4 |
24 | 11 | セルジオ・ガルシア | ![]() | 3 |
25 | 12 | F.サラク | KTM | 1 |
26 | 61 | C.オンジュ | KTM | 0 |
27 | 31 | ゲリー・サリム | ![]() | 0 |
28 | 77 | V.ペレス | KTM | 0 |
29 | 69 | T.ブース・アモス | KTM | 0 |
30 | 6 | 山中琉聖 | ![]() | 0 |
31 | 82 | S.ネパ | KTM | 0 |
32 | 81 | A.ヴィウ | KTM | 0 |
33 | 54 | リカルド・ロッシ | ![]() | 0 |
34 | 83 | M.カワカミ | KTM | 0 |
順位 | コンストラクター | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | ![]() | 129 |
2 | KTM | 114 |