今大会もMoto3クラスは厳しい優勝争いとなり、今季初PPからトップグループに加わり、レース終盤、グループの先頭に出たジョン・マクフィー(Petronas Sprinta Racing)が、2016年のチェコGP以来、3年ぶりの優勝を達成しました。
今大会も優勝争いは大きな集団となりましたが、次々に転倒者が出る厳しい戦いとなりました。終盤は、マクフィー、ロレンソ・ダラ・ポルタ(Leopard Racing)、鳥羽海渡(Honda Team Asia)、アーロン・カネット(KTM)の4台のし烈な優勝争いとなり、今大会、スピードのあるマクフィーが真っ先にチェッカーを受けました。マクフィーは今季初表彰台が初優勝となり、これからの活躍が注目されます。
ダラ・ポルタが僅差の2位で今季2回目の表彰台獲得。この表彰台でダラ・ポルタは、総合2位に浮上しました。トップ集団のすぐ後ろにいたガブリエル・ロドリゴ(Kömmerling Gresini Moto3)が4位、トップ集団にいた鳥羽は、最終ラップの攻防でハードブレーキングでインを差してきたA.カネットとの接触を避けるためラインを外し、残念ながら6位へと後退しました。
今大会は、29台が出場して完走17台という厳しい戦いとなりました。24番グリッドから追い上げた佐々木歩夢(Petronas Sprinta Racing)が14位でフィニッシュしました。
初のフロントロー3番手から決勝に挑んだ小椋藍(Honda Team Asia)は、好スタートを切ってトップグループに加わるも、オープニングラップの10コーナーでハイサイドで転倒しリタイア。レースの大半をリードした予選4番手の鈴木竜生(SIC58 Squadra Corse)は、17周目に転倒、再スタートを切るもピットに戻り、リタイアとなりました。
そのほか、予選2番手から決勝に挑んだトニ・アルボリーノ(VNE Snipers)、前戦スペインGPで優勝のニッコロ・アントネッリ(SIC58 Squadra Corse)も転倒リタイアに終わり、Honda勢9台がリタイアという厳しいレースでした。
ジョン・マクフィー(Moto3 優勝)
「この気持ちをうまく説明できません。久しぶりの優勝なのでとても興奮しています。シーズンを通して、とても苦しんできましたが、昨日ポールポジションを獲得して、ようやくいい状態になりました。サポートしてくれたチームに感謝しています。最後に優勝したのは2016年、ウエットコンディションのブルノだったので、こうしてドライコンディションでも優勝できて、とてもうれしいです。最近の4戦は、落ち着いて自分を信じ続けました。いいスピードはいつもありましたし、セッションでは毎回それを示すことができました。今回いい結果を出したことで、総合順位でもトップ10に入りました。Moto3クラスは差がほとんどないので、みんなが100%でプッシュしています。これまでの10レースはすべて違うライダーが優勝しています。それだけ厳しいクラスだということです。いつもはあまり速くないル・マンで、いい仕事ができたので、今後のレースが楽しみです」
ロレンソ・ダラ・ポルタ(Moto3 2位)
「今日の結果はとてもうれしいです。今週末は4回も転倒し、マシンのフィーリングがあまりよくありませんでした。とても難しい状況でしたが、一生懸命取り組みました。レースが始まるまで、このような結果になるとは思いませんでした。ベストを尽くしました。猛列に追い上げました。ここ数戦あまりいい結果を残せていなかったので、いい結果を出さなければならないと思っていました。チームに本当に感謝しています。本当にうれしいです」
ガブリエル・ロドリゴ(Moto3 4位)
「今日はとても速いレースでした。序盤はいい感じで走ることができました。後半に入ると雨粒が落ちてきまいた。この時点でレースは3分の2が終わっていたので、チームはプッシュしろと言ってきました。アタックしようとしましたが、ミニョとぶつかり、緑のストライプに乗ってしまったことでポジションをいくつか落とさなければなりませんでした。表彰台には立てませんでしたが、4位という結果に満足しています。バトルができることを証明しました。表彰台に上がるためには、もう少し運が必要です」
鳥羽海渡(Moto3 6位)
「8番手からスタートして、序盤は少しポジション落としましたが、その後、徐々にポジションを回復することができました。終盤、トップグループに追いついたのですが、最終ラップの11コーナーでカネットが強引にインをついてきて、それを避けるためにバイクを起こさなくてはならず、6番手までポジションを落としました。表彰台に立てなかったのは残念ですが、しっかり走りきって6位になれたのはよかったです。総合4位をキープできましたし、次のイタリアでは、序盤でペースを上げられるように取り組みます」
佐々木歩夢(Moto3 14位)
「すごい難しいウイークでした。コンディションが不安定だっただけではなく、この数戦、気持ちよく乗れていません。自分のライディングスタイルで乗れていないので、それを修正するウイークでした。正直、なにが足りないのかが今大会も分からない状態でしたが、24番グリッドからすぐに16番手まで追い上げられましたし、最後は14位でフィニッシュできました。2ポイント獲得できたことで、次につながるレースになったと思います。今はテストが必要です。来週、バルセロナで2日間のテストがあるので、テストで問題点を改善して次のイタリアに挑みたいです」
鈴木竜生(Moto3 リタイア)
「難の前ぶりもなく、2コーナーの立ち上がりで転倒してしまいました。ウイークを通してみんなが転んでいるコーナーで、すごく気をつけていました。それだけにすごく悔しいです。今日は一周目からリアにバイブレーションが出ていましたが、ずっとレースをリードすることができました。こういうかたちで終えたのは本当に悔しいです。今日は難しいコンディションで転倒者も多いレースでしたが、トップグループの中で余力はありました。焦って転んだ訳ではないですし、今は、自分のせいなのかどうなのかも分かりません。いずれにしても、フィーリングはいいので、次も優勝を目指してがんばります」
小椋藍(Moto3 リタイア)
「スタートはよかったのですが、オープニングラップのシケインの立ち上がりでハイサイドで転びました。自分としては無理をしている感じは全くなかったのですが、久しぶりのハイサイドを経験しました。今日はスタートから竜生さんのペースが速くて、しっかりついていこうと思っていました。いい位置からレースができたのに、本当に残念です。サーキットの医務室で左手の甲と左足の甲の骨折と言われました。バルセロナに帰ってしっかり検査を受けて、一日も早く復帰できるようにしたいです」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 17 | ジョン・マクフィー | ![]() | 37'48.689 |
2 | 48 | ロレンソ・ダラ・ポルタ | ![]() | +0.106 |
3 | 44 | A.カネット | KTM | +0.757 |
4 | 19 | ガブリエル・ロドリゴ | ![]() | +0.978 |
5 | 16 | A.ミニョ | KTM | +1.201 |
6 | 27 | 鳥羽海渡 | ![]() | +1.410 |
7 | 13 | C.ヴィエッティ | KTM | +1.451 |
8 | 22 | 真崎一輝 | KTM | +1.636 |
9 | 84 | J.コーンフェール | KTM | +1.848 |
10 | 25 | R.フェルナンデス | KTM | +2.049 |
11 | 75 | A.アレナス | KTM | +2.663 |
12 | 5 | J.マシア | KTM | +3.748 |
13 | 76 | M.ユルチェンコ | KTM | +11.812 |
14 | 71 | 佐々木歩夢 | ![]() | +11.896 |
15 | 12 | F.サラク | KTM | +30.511 |
16 | 61 | C.オンジュ | KTM | +32.544 |
17 | 69 | T.ブース・アモス | KTM | +40.026 |
RT | 7 | D.フォッジャ | KTM | +5Laps |
RT | 21 | アロンソ・ロペス | ![]() | +5Laps |
RT | 24 | 鈴木竜生 | ![]() | +5Laps |
RT | 14 | トニ・アルボリーノ | ![]() | +6Laps |
RT | 77 | V.ペレス | KTM | +7Laps |
RT | 23 | ニッコロ・アントネッリ | ![]() | +8Laps |
RT | 55 | ロマーノ・フェナティ | ![]() | +13Laps |
RT | 42 | マルコス・ラミレス | ![]() | +15Laps |
RT | 54 | リカルド・ロッシ | ![]() | +16Laps |
RT | 40 | D.ビンダー | KTM | +21Laps |
RT | 79 | 小椋藍 | ![]() | - |
RT | 11 | セルジオ・ガルシア | ![]() | - |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 44 | A.カネット | KTM | 74 |
2 | 48 | ロレンソ・ダラ・ポルタ | ![]() | 60 |
3 | 23 | ニッコロ・アントネッリ | ![]() | 57 |
4 | 27 | 鳥羽海渡 | ![]() | 51 |
5 | 5 | J.マシア | KTM | 49 |
6 | 13 | C.ヴィエッティ | KTM | 45 |
7 | 16 | A.ミニョ | KTM | 40 |
8 | 19 | ガブリエル・ロドリゴ | ![]() | 37 |
9 | 17 | ジョン・マクフィー | ![]() | 34 |
10 | 40 | D.ビンダー | KTM | 26 |
11 | 14 | トニ・アルボリーノ | ![]() | 26 |
12 | 75 | A.アレナス | KTM | 26 |
13 | 25 | R.フェルナンデス | KTM | 25 |
14 | 42 | マルコス・ラミレス | ![]() | 24 |
15 | 24 | 鈴木竜生 | ![]() | 23 |
16 | 84 | J.コーンフェール | KTM | 22 |
17 | 79 | 小椋藍 | ![]() | 17 |
18 | 71 | 佐々木歩夢 | ![]() | 14 |
19 | 7 | D.フォッジャ | KTM | 14 |
20 | 21 | アロンソ・ロペス | ![]() | 14 |
21 | 22 | 真崎一輝 | KTM | 11 |
22 | 55 | ロマーノ・フェナティ | ![]() | 7 |
23 | 76 | M.ユルチェンコ | KTM | 3 |
24 | 12 | F.サラク | KTM | 1 |
25 | 61 | C.オンジュ | KTM | 0 |
26 | 77 | V.ペレス | KTM | 0 |
27 | 69 | T.ブース・アモス | KTM | 0 |
28 | 11 | セルジオ・ガルシア | ![]() | 0 |
29 | 82 | S.ネパ | KTM | 0 |
30 | 81 | A.ヴィウ | KTM | 0 |
31 | 6 | 山中琉聖 | ![]() | 0 |
32 | 54 | リカルド・ロッシ | ![]() |
0 |
33 | 83 | M.カワカミ | KTM | 0 |
順位 | コンストラクター | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | Honda | 104 |
2 | KTM | 98 |