Moto3クラスは、予想通り、し烈な戦いとなり、予選3番手から決勝に挑んだトニ・アルボリーノ(VNE Snipers)が、初表彰台獲得となる3位でフィニッシュしました。序盤は20台前後の大集団。終盤になっても17台がトップ集団を形成する厳しい戦いでした。駆け引き、位置取りなど、頭を使う難しい展開でしたが、念願の初表彰台を獲得したアルボリーノは、満面の笑みでした。
その厳しい戦いの中で予選5番手のニッコロ・アントネッリ(SIC58 Squadra Corse)が4位、予選9番手から終始、大集団の中で常に先頭グループにつけた佐々木歩夢(Petronas Sprinta Racing)がベストリザルトとなる5位、ガブリエル・ロドリゴ(Kommerling Gresini Moto3)が6位、2戦連続表彰台を狙ったロレンソ・ダラ・ポルタ(Leopard Racing)が7位、チームメートのマルコス・ラミレスが9位、予選8番手から2戦連続優勝と表彰台を狙った鳥羽海渡(Honda Team Asia)は大接戦の中で10位でした。
この結果、2戦を終えた鳥羽が31ポイントで総合首位をキープ。ダラ・ポルタが29ポイントで総合2位、アントネッリが21ポイントで総合4位につけました。
中盤まで何度もトップに浮上した鈴木竜生(SIC58 Squadra Corse)が終盤タイヤの消耗に苦しんで13位。テルマス・デ・リオ・オンドで優勝経験のあるロマーノ・フェナティ(Snipers Team)が16位でポイント獲得できず。ルーキーの小椋藍(Honda Team Asia)もトップグループに加わりますが、17位でポイント獲得を果たせませんでした。
優勝したハウメ・マシア(KTM)から17位の小椋までの差が、2.350秒という壮絶な戦い。予選で上位につけたHonda勢は、開幕2連勝を果たせませんでしたが、ファンを魅了するすばらしいレースでした。
トニ・アルボリーノ(Moto3 3位)
「表彰台を獲得できてとてもうれしいです。この瞬間をずっと待っていました。レースウイークを通していい仕事ができました。カタールGPは難しいレースになりましたが、そのあと一生懸命取り組んできました。最終ラップでオーバーテイクされたとき、すべてを失ってしまうのではないかと思いました。しかし、深いブレーキングとそのあとの加速で表彰台を獲得できました。いい仕事をしてくれたチームに感謝しています。カタールのあと、チームメートのロマーノも僕をよく助けてくれました」
ニッコロ・アントネッリ(Moto3 4位)
「今日は序盤からいいペースで走ることができました。しかし、大集団となったことで、ペースが遅くなり、目まぐるしくポジションを入れ替えることになりました。最終的に4位でフィニッシュすることができてよかったです。表彰台に立てなかったのは残念ですが、今日の結果には満足しています。次もしっかり走りきって結果を残したいです」
佐々木歩夢(Moto3 5位)
「今日は絶対に表彰台に立てると思っていました。そのためにグループの中では5番手くらいをキープしていました。最終ラップまでは予定通りに走れていました。しかし、最終ラップにちょっとだけミスをしてしまい、表彰台争いのグループから少し遅れてしまいました。表彰台に立てなかったのは悔しいですが、テルマス・デ・リオ・オンドはシーズンでもっとも嫌いなサーキットなので、ここでこのような走りができたことは自信になりました。次のアメリカズGPは好きなサーキットなので、上位を目指します」
ガブリエル・ロドリゴ(Moto3 6位)
「予選13番手から追い上げることができました。今日はウオームアップでハードタイヤで走ることを決めましたが、いいスタートを切ってポジションを上げることができました。しかし、最終ラップのミスは残念でした。僕がレースをリードしていて表彰台も目の前でした。しかし、ビンダーたちがきて、僕はなにもすることができませんでした。今回、トップグループで戦うことができました。オースティンでも今回のようなレースをしたいです」
鳥羽海渡(Moto3 10位)
「今日は優勝するために、集団の中で位置取りを考えながら走っていました。タイヤを温存したかったので、10番手前後を走っていたのですが、前を走る2台が転倒、それを避けるために大きくタイムロスをしてポジジョンも落としてしまいました。レースなので仕方のないアクシデントでしたが、そこから追い上げるのはたいへんでした。なんとか10位でチェッカーを受けましたが、残念な結果でした。でも、(ポイントランキングで)総合首位をキープできたのはよかったです。次のアメリカズGPでは、再び、表彰台、優勝を目指したいです」
鈴木竜生(Moto3 13位)
「スタートはよく、集団の前にいることができました。何度もトップに出られたし、調子はよかったのですが、中盤からはリアタイヤの消耗で、コーナーの立ち上がりでうまくアクセルをあけられなくなり、厳しい走りになりました。みんな同じハードを選択していましたし、言い訳になってしまうのですが、序盤のペース配分の失敗が敗因でした。今年もこのようなレースになることが多いと思うので、この経験を活かしたいです」
小椋藍(Moto3 17位)
「レース前半はトップグループの前の方にいたのですが、他者とぶつかってしまい、それからフロントのフィーリングがおかしくなり、それからはトップグループについていくのがやっとでした。レースが終わってからマシンをチェックしたら、接触の衝撃でフロントタイヤに上下のブレが発生するようになっていました。その影響でブレーキングも思いきりできない状態でした。フラストレーションのたまる走りでしたし、すごく悔しいです。ただ、最後まで走り切ったことで、また多くのことを学ぶことができました」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 5 | J.マシア | KTM | 38'54.562 |
2 | 40 | D.ビンダー | KTM | +0.108 |
3 | 14 | トニ・アルボリーノ | ![]() | +0.295 |
4 | 23 | ニッコロ・アントネッリ | ![]() | +0.386 |
5 | 71 | 佐々木歩夢 | ![]() | +0.519 |
6 | 19 | ガブリエル・ロドリゴ | ![]() | +0.550 |
7 | 48 | ロレンソ・ダラ・ポルタ | ![]() | +0.588 |
8 | 7 | D.フォッジャ | KTM | +0.671 |
9 | 42 | マルコス・ラミレス | ![]() | +0.792 |
10 | 27 | 鳥羽海渡 | ![]() | +1.280 |
11 | 16 | A.ミニョ | KTM | +1.629 |
12 | 44 | A.カネット | KTM | +1.775 |
13 | 24 | 鈴木竜生 | ![]() | +1.836 |
14 | 13 | C.ヴィエッティ | KTM | +1.978 |
15 | 25 | R.フェルナンデス | KTM | +2.092 |
16 | 55 | ロマーノ・フェナティ | ![]() | +2.273 |
17 | 79 | 小椋藍 | ![]() | +2.350 |
18 | 69 | T.ブース・アモス | KTM | +9.798 |
19 | 81 | A.ヴィウ | KTM | +9.904 |
20 | 76 | M.ユルチェンコ | KTM | +10.136 |
21 | 17 | ジョン・マクフィー | ![]() | +26.464 |
22 | 54 | リカルド・ロッシ | ![]() | +27.044 |
23 | 22 | 真崎一輝 | KTM | +39.985 |
24 | 84 | J.コーンフェール | KTM | +40.177 |
25 | 12 | F.サラク | KTM | +58.474 |
26 | 61 | C.オンジュ | KTM | +1Lap |
RT | 77 | V.ペレス | KTM | +8Laps |
RT | 21 | アロンソ・ロペス | ![]() | +10Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 27 | 鳥羽海渡 | ![]() | 31 |
2 | 48 | ロレンソ・ダラ・ポルタ | ![]() | 29 |
3 | 5 | J.マシア | KTM | 25 |
4 | 23 | ニッコロ・アントネッリ | ![]() | 21 |
5 | 40 | D.ビンダー | KTM | 20 |
6 | 44 | A.カネット | KTM | 20 |
7 | 42 | マルコス・ラミレス | ![]() | 20 |
8 | 14 | トニ・アルボリーノ | ![]() | 16 |
9 | 13 | C.ヴィエッティ | KTM | 13 |
10 | 71 | 佐々木歩夢 | ![]() | 11 |
11 | 19 | ガブリエル・ロドリゴ | ![]() | 11 |
12 | 75 | A.アレナス | KTM | 10 |
13 | 25 | R.フェルナンデス | KTM | 10 |
14 | 7 | D.フォッジャ | KTM | 8 |
15 | 55 | ロマーノ・フェナティ | ![]() | 7 |
16 | 16 | A.ミニョ | KTM | 7 |
17 | 84 | J.コーンフェール | KTM | 6 |
18 | 79 | 小椋藍 | ![]() | 5 |
19 | 21 | アロンソ・ロペス | ![]() | 4 |
20 | 17 | ジョン・マクフィー | ![]() | 3 |
21 | 24 | 鈴木竜生 | ![]() | 3 |
22 | 77 | V.ペレス | KTM | 0 |
23 | 69 | T.ブース・アモス | KTM | 0 |
24 | 61 | C.オンジュ | KTM | 0 |
25 | 22 | 真崎一輝 | KTM | 0 |
26 | 81 | A.ヴィウ | KTM | 0 |
27 | 76 | M.ユルチェンコ | KTM | 0 |
28 | 6 | 山中琉聖 | ![]() | 0 |
29 | 12 | F.サラク | KTM | 0 |
30 | 54 | リカルド・ロッシ | ![]() | 0 |
順位 | コンストラクター | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 41 |
2 | ![]() | 41 |