Moto3クラスは、予選3番手から決勝に挑んだ鳥羽海渡(Honda Team Asia)と予選2番手のロレンソ・ダラ・ポルタ(Leopard Racing)、そしてポールポジションスタートのアーロン・カネット(KTM)の3人の優勝争いとなり、最終ラップのし烈な攻防を制した鳥羽が初表彰台を、初優勝というかたちで達成しました。
大混戦のオープニングラップに9番手までポジションを落とした鳥羽ですが、着実にポジションを上げて6周目にはトップに浮上しました。そのあと、トップグループは目まぐるしくポジションを入れ替える厳しい戦いとなりましたが、終始、首位争いに加わった鳥羽が、最終ラップのし烈な戦いを制し、念願の初優勝を達成しました。
昨年総合5位のダラ・ポルタは、昨年のサンマリノGP以来、7戦ぶりの優勝を逃す悔しい結果となりましたが、念願のタイトル獲りに向けて、まずは好調なスタートを切りました。
今大会のトップグループは13台という大集団になりました。その中で、優勝争いの3台からはやや遅れましたが、ダラ・ポルタのチームメートのマルコス・ラミレス(Leopard Racing)が4位、予選5番手のニッコロ・アントネッリ(SIC58 Squadra Corse)が8位、2年ぶりにMoto3クラスに復帰のロマーノ・フェナティ(Snipers Team)が序盤にオーバーランを喫し16番手までポジションを落としますが、素晴らしい追い上げをみせて9位でフィニッシュしました。
ルーキーの小椋藍(Honda Team Asia)は、トップグループに加わり11位。アロンソ・ロペス(Estrella Galicia 0,0)が12位、ジョン・マクフィー(Petronas Sprinta Racing)が13位と、トップグループに加わってポイントを獲得しました。トップ集団からやや遅れて、ガブリエル・ロドリゴ(Kommerling Gresini Moto3)が15位でポイントを獲得。代役出場の山中琉聖(Estrella Galicia 0,0)は予選25番手から20位でフィニッシュしました。
予選19番手の鈴木竜生(SIC58 Squadra Corse)は、好スタートからトップグループに加わりましたが、14番手を走行中の5周目に追突されて転倒リタイア。予選22番手から追い上げのレースに挑んだ佐々木歩夢(Petronas Sprinta Racing)もオープニングラップに追突されて転倒リタイアでした。
鳥羽海渡(Moto3 優勝)
「優勝を目指してがんばってきたので、今日の優勝は本当にうれしいです。チェッカーを受けたときは最高の気分でした。今日はあまりにも大きな集団になってしまい、どうがんばっても抜け出すことは難しいと感じました。そのため、グループのトップにいようと集中しましたが、タイヤが滑り出してくると、何度も集中力がきれそうになりました。スタートはよかったのですが、ウォームアップで転倒したこともあり、ちょっと慎重になってしまい9番手までポジションを落としました。そこからすぐに追い上げられたし、いい走りができたと思います。今日はエンジンが速く、ギアの選択もよかったと思います。初優勝を達成できてうれしいですが、これがやっとスタートラインなので、これからも表彰台、優勝を目指し、チャンピオンを目指したいです。Honda、チーム、スタッフ、スポンサー、そしてファンに感謝したいです。時間はかかりましたが、やっと少しだけ、恩返しができたかなと思います」
ロレンソ・ダラ・ポルタ(Moto3 2位)
「すばらしいレースでした。とても楽しかったです。レース中、タイヤのパフォーマンスはあまり落ちませんでした。チームはとてもいい仕事をしてくれました。僕の戦略はあまり完ぺきではありませんでしたが、最終的に2位になれてうれしいです。今日は優勝を狙っていました。厳しい戦いでしたが、最後まであきらめませんでした。次戦アルゼンチンでも優勝を狙って全力で挑みます」
マルコス・ラミレス(Moto3 4位)
「新しいチームの開幕戦で、4位を獲得できて、とてもうれしいです。素晴らしい結果だと思います。マシンのフィーリングはよく、ポジションをたくさん上げられました。残念ながら、最終ラップでミスをしてしまい、表彰台は逃してしまいましたが、すばらしい仕事をしてくれたチームに感謝したいです。次のレースが楽しみです」
小椋藍(Moto3 11位)
「事前テスト、そして開幕戦と難しいウイークとなりましたが、とりあえず、ベストは尽くせたと思います。トップグループにはついていけましたが、ついていくのがやっとで、なにもできなかったというのが正直なところです。これが今の自分の課題なので、それを克服できるようにがんばりたいです。今日はチームメートが世界一になったので、そこから学べることもたくさんあると思います。アジア・タレント・カップ、ルーキーズ・カップ、FIM CEVレプソルインターナショナル選手権とこれまで開幕戦はすべて転倒リタイアだったので、今回は11位で完走できてよかったです。次のアルゼンチンは初めて走るサーキットです。なるべく早く、攻略できるようにがんばります」
山中琉聖(Moto3 20位)
「スタートでミスして遅れてしまい、1コーナーでも転倒した選手を避けようとオーバーランした選手に追い出されるかたちで最後尾まで下がってしまいました。そこから最後尾のグループでのバトルになりましたが、そこから抜け出せず、力不足を感じました。しかし、今回は本当にたくさんのことを学べました。いまの自分にはなにが足りないのかということをしっかり分析して、4月からスタートするFIM CEVレプソルインターナショナル選手権に挑みたいです。チャンスを与えてくれたチーム、スタッフ、スポンサーの皆さんに感謝しています」
鈴木竜生(Moto3 リタイア)
「スタートはよかったし、プラン通り、トップグループについていくことができました。序盤は、焦らず、確実にポジションを上げていこうという作戦でした。しかし、6コーナーで多重クラッシュの犠牲になりました。去年はケガで出場できず、今年はぶつけられてリタイアとカタールGPでは残念な結果が続いていますが、気持ちを切り換えて、次戦アルゼンチンGPに挑みたいです」
佐々木歩夢(Moto3 リタイア)
「今日は本当に残念な一日でした。ウォームアップで試したセッティングがよくなかったので、決勝は昨日までの状態に戻し挑みました。今日は着実に追い上げていく作戦でした。しかし、オープニングラップの6コーナーのブレーキングで渋滞になり、いつもより早くブレーキをかけたのですが、後続のライダーに追突されてしまいました。今日は海渡が優勝しました。おめでとうと祝福したいです。でも、先をこされてすごく悔しいです。でも、すごくいい刺激になったので、自分も早く表彰台に登壇できるようにがんばります」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 27 | 鳥羽海渡 | ![]() | 38'08.887 |
2 | 48 | ロレンソ・ダラ・ポルタ | ![]() | +0.053 |
3 | 44 | A.カネット | KTM | +0.174 |
4 | 42 | マルコス・ラミレス | ![]() | +0.505 |
5 | 13 | C.ヴィエッティ | KTM | +0.584 |
6 | 75 | A.アレナス | KTM | +0.818 |
7 | 25 | R.フェルナンデス | KTM | +0.846 |
8 | 23 | ニッコロ・アントネッリ | ![]() | +0.850 |
9 | 55 | ロマーノ・フェナティ | ![]() | +0.890 |
10 | 84 | J.コーンフェール | KTM | +0.903 |
11 | 79 | 小椋藍 | ![]() | +0.956 |
12 | 21 | アロンソ・ロペス | ![]() | +1.755 |
13 | 17 | ジョン・マクフィー | ![]() | +1.849 |
14 | 16 | A.ミニョ | KTM | +3.450 |
15 | 19 | ガブリエル・ロドリゴ | ![]() | +3.514 |
16 | 14 | トニ・アルボリーノ | ![]() | +4.201 |
17 | 77 | V.ペレス | KTM | +4.267 |
18 | 61 | C.オンジュ | KTM | +26.272 |
19 | 22 | 真崎一輝 | KTM | +31.779 |
20 | 6 | 山中琉聖 | ![]() | +31.820 |
21 | 12 | F.サラク | KTM | +31.943 |
22 | 54 | リカルド・ロッシ | ![]() | +31.979 |
23 | 76 | M.ユルチェンコ | KTM | +1'23.259 |
24 | 69 | T.ブース・アモス | KTM | +3Laps |
RT | 24 | 鈴木竜生 | ![]() | +14Laps |
RT | 7 | D.フォッジャ | KTM | +14Laps |
RT | 40 | D.ビンダー | KTM | +17Laps |
RT | 71 | 佐々木歩夢 | ![]() | - |
RT | 5 | J.マシア | KTM | - |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 27 | 鳥羽海渡 | ![]() | 25 |
2 | 48 | ロレンソ・ダラ・ポルタ | ![]() | 20 |
3 | 44 | A.カネット | KTM | 16 |
4 | 42 | マルコス・ラミレス | ![]() | 13 |
5 | 13 | C.ヴィエッティ | KTM | 11 |
6 | 75 | A.アレナス | KTM | 10 |
7 | 25 | R.フェルナンデス | KTM | 9 |
8 | 23 | ニッコロ・アントネッリ | ![]() | 8 |
9 | 55 | ロマーノ・フェナティ | ![]() | 7 |
10 | 84 | J.コーンフェール | KTM | 6 |
11 | 79 | 小椋藍 | ![]() | 5 |
12 | 21 | アロンソ・ロペス | ![]() | 4 |
13 | 17 | ジョン・マクフィー | ![]() | 3 |
14 | 16 | A.ミニョ | KTM | 2 |
15 | 19 | ガブリエル・ロドリゴ | ![]() | 1 |
16 | 14 | トニ・アルボリーノ | ![]() | 0 |
17 | 77 | V.ペレス | KTM | 0 |
18 | 61 | C.オンジュ | KTM | 0 |
19 | 22 | 真崎一輝 | KTM | 0 |
20 | 6 | 山中琉聖 | ![]() | 0 |
21 | 12 | F.サラク | KTM | 0 |
22 | 54 | リカルド・ロッシ | ![]() | 0 |
23 | 76 | M.ユルチェンコ | KTM | 0 |
24 | 69 | T.ブース・アモス | KTM | 0 |
順位 | コンストラクター | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | ![]() | 25 |
2 | KTM | 16 |