Moto2クラス同様、Moto3クラスも、今大会から新しい予選方式で行われました。その中でHonda勢が好走を見せました。ポールポジション獲得は果たせませんでしたが、ロレンソ・ダラ・ポルタ(Leopard Racing)が2番手、3年目のシーズンを迎える鳥羽海渡(Honda Team Asia)が初フロントロー獲得となる3番手、Q1からQ2に進出したジョン・マクフィー(Petronas Sprinta Racing)が4番手、転倒を喫しましたがニッコロ・アントネッリ(SIC58 Squadra Corse)が5番手とHonda勢が上位に名前を連ねました。
今大会から採用された予選方式は、選手たちがスリップを使い合うという点ではこれまでと変わりませんが、コース上を走る台数が少ないため、クリアラップが取れないというフラストレーションから開放されます。その中で、開幕前の公式テストから好調な走りを見せ、大接戦のフリー走行で11番手につけた鳥羽が、Q2でも伸び伸びとした走りで初のフロントローを獲得しました。鳥羽と一緒に3年目のシーズンを迎えるチームスタッフも大喜びでした。昨年の大会で7位でフィニッシュしている鳥羽は、今年の大会では、念願の初表彰台獲得に挑みます。
以下、鳥羽のチームメートで今年からフル参戦の小椋藍(Honda Team Asia)は、Q1で3番手につけてQ2進出を果たし15番手。前日のフリー走行で転倒を喫した鈴木竜生(SIC58 Squadra Corse)は、Q1で5番手に終わり19番手が確定。佐々木歩夢(Petronas Sprinta Racing)もQ1で8番手に終わり22番グリッド。代役出場の山中琉聖(Estrella Galicia 0,0)はQ1で11番手に終わり25番グリッドと、小椋、鈴木、佐々木とともに後方からの追い上げに挑みます。
ロレンソ・ダラ・ポルタ(Moto3 2番手)
「予選はとてもポジティブでした。予選が新しいシステムになり、時間がとても短かくなりました。そのためアタックのチャンスは2回しかありませんでした。でもうまくいきました。ミディアムタイヤはとても快適でした。残念ながら前に大きな集団があって、少しタイムロスしましたが、同時に役に立つこともありました。とにかく、タイヤの選択も決まり準備はできました。これはとても重要なことです。決勝レースではいいスタートを切って、できる限り前に出たいと思います」
鳥羽海渡(Moto3 3番手)
「事前テストも昨日のフリー走行もいい感じで走れたことで、予選に向けての準備はできていました。いい走りをする自信もありました。最初のアタックを終えたときには、正直、今日はポールポジションを獲得できるんじゃないかと思いました。最後のアタックもタイム更新のチャンスはありましたが、クリアラップが取れず、集中力も切れてしまいました。最終的に3番手でしたが、初めてのフロントローなので素直に喜びたいです。昨年は、日本人で僕だけがフロントローに並べなかったので、やっとみんなと肩を並べることができた気持ちです。昨年もカタールGPではいいレースができました。明日は、もちろん表彰台を目標に全力を尽くします」
ジョン・マクフィー(Moto3 4番手)
「僕だけではなく、Petronas Sprinta Racing全体にとって、とてもうれしい結果でした。今日は、Q1からQ2に進出して2列目を獲得するという、すばらしい結果になりました。プレシーズンテストで強さを感じていたので上位に行けると思いました。昨日のFP2は苦戦しました。その状況を好転できたことはすばらしいことだと思います。レースペースは僕の強みなので明日の決勝が楽しみです。トップグループで戦えると確信しています」
小椋藍(Moto3 15番手)
「ロサイルは、テストからあまりいいフィーリングがなく、いろいろ試してきたのですが、決定的な改善策を見つけることはできませんでした。単独ではあまりペースを上げられず、速いペースの選手の後ろについてもなかなか追いついていけないという状況でした。課題はフロントのフィーリングで、特に中高速コーナーで接地感が感じられません。そのため、プッシュすればするほどフロントが逃げていく感じが続いています。明日のウォームアップでなんとか改善策を見つけたいです。今日はQ1からQ2に進出できましたが、他の選手の後ろについていって出したタイムなので、まだ自分の力で出しているタイムという感じではありません。明日は一つでも上を目指し、全力をつくしたいです」
鈴木竜生(Moto3 19番手)
「昨日タイムを出せなかったのがすべての敗因でした。Q1は、新品タイヤでコースに出たときに、後ろにいた選手をひっぱる形になり、後ろにいた選手たちがQ2に進出していったので、ちょっと悔しい気持ちはあります。その結果、Q2にいけず19番グリッドから決勝に挑みますが、内容は悪くないし、バイクの状態もいいので、あとは全力を尽くすだけです。明日はいいスタートを切って、きっと大きな集団になると思うのでしっかりトップグループについていって、いい結果につなげたいです。昨年はケガのために決勝に出られなかったので、今年はしっかり完走したいです」
佐々木歩夢(Moto3 22番手)
「初日のフリー走行でQ2に上がれるタイムを出せなかったことが、こういう結果になった一つの要因でした。今日のFP3は風が強くて、とても昨日のタイムを更新できる状態ではなかったので、ユーズドタイヤで走行してタイヤを温存しました。Q1では新品タイヤでアタックしたのですが、コース終盤に大きく振られてしまいタイムロスしてしまいました。セクター2まではベストタイムで走っていたので残念です。グリッドは22番手と悪いですが、22番手という数字ほどは、走りは悪くありません。決勝はしっかり追い上げて、一つでも上のポジションでフィニッシュしたいです」
山中琉聖(Moto3 25番手)
「今日は難しい予選になってしまいました。昨日のFP1の転倒までは調子はよかったのですが、転倒してからリズムが狂ってしまい、今日まで引きずってしまいました。バイクは、チームがしっかり直してくれました。それに応える走りができず、すいませんという気持ちです。今年からQ1、Q2という予選方式になり、短い時間でタイムを出すという能力が試されることになったのですが、自分の力をしっかり出すことができませんでした。明日は後方からのスタートになるので、一つでも上を目指します。そしてこのチャンスを活かし、いろいろなことを学びたいです」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 44 | A.カネット | KTM | 2'05.883 |
2 | 48 | ロレンソ・ダラ・ポルタ | ![]() | 2'06.080 |
3 | 27 | 鳥羽海渡 | ![]() | 2'06.109 |
4 | 17 | ジョン・マクフィー | ![]() | 2'06.308 |
5 | 23 | ニッコロ・アントネッリ | ![]() | 2'06.373 |
6 | 75 | A.アレナス | KTM | 2'06.526 |
7 | 14 | トニ・アルボリーノ | ![]() | 2'06.621 |
8 | 13 | C.ヴィエッティ | KTM | 2'06.663 |
9 | 77 | V.ペレス | KTM | 2'06.670 |
10 | 25 | R.フェルナンデス | KTM | 2'06.673 |
11 | 55 | ロマーノ・フェナティ | ![]() | 2'06.681 |
12 | 19 | ガブリエル・ロドリゴ | ![]() | 2'06.805 |
13 | 22 | 真崎一輝 | KTM | 2'06.978 |
14 | 84 | J.コーンフェール | KTM | 2'07.247 |
15 | 79 | 小椋藍 | ![]() | 2'07.363 |
16 | 7 | D.フォッジャ | KTM | 2'07.411 |
17 | 16 | A.ミニョ | KTM | 2'07.525 |
18 | 61 | C.オンジュ | KTM | 2'07.638 |
19 | 24 | 鈴木竜生 | ![]() | 2'06.884 |
20 | 42 | マルコス・ラミレス | ![]() | 2'07.253 |
21 | 21 | アロンソ・ロペス | ![]() | 2'07.318 |
22 | 71 | 佐々木歩夢 | ![]() | 2'07.373 |
23 | 76 | M.ユルチェンコ | KTM | 2'07.681 |
24 | 40 | D.ビンダー | KTM | 2'07.868 |
25 | 6 | 山中琉聖 | ![]() | 2'08.179 |
26 | 69 | T.ブース・アモス | KTM | 2'08.272 |
27 | 5 | J.マシア | KTM | 2'08.442 |
12 | F.サラク | KTM | - | |
54 | リカルド・ロッシ | ![]() | - |