Round15タイタイGP

MotoGP プレビュー

会場:チャーン・インターナショナル・サーキット

2月のタイ合同テストで好調だったRepsol Honda Teamが初開催のタイGP制覇を狙う

10月5日から7日までの3日間、タイのチャーン・インターナショナル・サーキットで、第15戦タイGPが開催されます。チャーン・インターナショナル・サーキットは、2015年からスーパーバイク世界選手権(WSB)が開催されていますが、ロードレース世界選手権が開催されるのは初めてとなります。

チャーン・インターナショナル・サーキットは、首都バンコクから東に約400kmに位置します。カンボジア国境に面するブリーラム県にあり、コースは一周、4.554km。前半区間はロングストレートが続き、中盤から後半にかけては中速コーナーが続くテクニカルセクションとなります。

初開催に向けて今年の2月16日から18日までの3日間、MotoGPクラスの公式テストが行われました。テストでは、アベレージが180km/h台。最高速は330km/hを超え、屈指のハイスピードコースとなっています。しかし、パッシングポイントの少ない、難しいレイアウトになっています。

14戦を終えて総合首位のマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、今大会、総合2位のアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)に72ポイント差をつけて迎えます。今大会を終えてマルケスは、2位以下に51ポイント以上のリードをキープすれば、タイトル王手がかかります。次戦日本GP以降、3年連続、5回目のタイトルを獲得するためにも、さらにリードを広げたいところ。重要な一戦となります。

今年2月の3日間のタイでの公式テストでは、総合3番手でした。このテストでマルケスは、新旧マシンの比較テストに集中、マシンのセットアップに集中しました。最終日に行った20ラップのロングランでは、1分30秒台のタイムで10周以上連続周回をこなすなど、ライバルを圧倒する走りを見せました。このテストでマルケスは、3日間で最多周回となる271ラップを刻み、しっかりとデータを積み上げました。

そして、マルケスは25歳の誕生日を迎えたテスト2日目の2月17日に一度だけアタックを敢行、2日目のトップタイムをマークして自らの誕生日を祝福する話題を提供しました。

チームメートのダニ・ペドロサは、2月のテストを総合トップタイムで締めくくりました。このテストでペドロサは、3日間で224ラップを消化。初日5番手から2日目2番手へ。そして最終日にトップタイムをマークと、2018年型RC213Vのセットアップが着実に進んでいることをアピールしました。今年はウインターテストの走りを、シーズンに入ってからなかなか発揮できない苦しいシーズンとなっています。Repsol Honda Teamのライダーとして残り5レース。前戦アラゴンGPでは表彰台争いを視野に5位でフィニッシュ。初開催となるタイGPで今季ベストを狙います。

14戦を終えて総合6位のカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)は、初開催となるチャーン・インターナショナル・サーキットで、今季2勝目と今季3回目の表彰台を目指します。2月の公式テストでは総合4番手とまずまずの仕上がりを見せているだけに、マルケス、ペドロサとともに表彰台、優勝争いが期待されます。前戦アラゴンGPは、好調な走りを見せましたが決勝では転倒リタイア。今大会はその雪辱に挑みます。

総合16位。ルーキー勢トップにつけるフランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)が、3戦連続今季10回目のポイント獲得に挑みます。第13戦サンマリノGPでは予選12番手から決勝12位。前戦アラゴンGPは予選13番手を獲得も予選中のスロー走行のペナルティーで19番グリッドに降格となりました。しかし、19番手からすばらしい追い上げを見せて11位でフィニッシュ。後半に入って調子を上げているモルビデリだけに、今大会は今季2回目のシングルフィニッシュが期待されます。

モルビデリ同様、サンマリノGPで13位、アラゴンGPで今季ベストタイの12位と調子を上げている中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)が、初開催となるタイGPでベストリザルト更新に挑みます。2月のテストでは、3日間で248ラップをこなし総合10番手でテストを終えています。初のシングルフィニッシュが期待されます。

14戦を終えて依然としてノーポイントのトーマス・ルティ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)が、目標とする初ポイント獲得に挑みます。後半戦に入って、ポイント圏内が確実に視野に入っています。初開催のチャーン・インターナショナル・サーキットで今季ベストを狙います。

コメント

マルク・マルケス(MotoGP 総合1位)
「タイで初めてのレースになるのでとても楽しみです。グランドスタンドには多くのファンが来ると思います。初めてのサーキットなので、順調にレースウイークをこなすことが重要になってきます。いつものように仕事に取り組み、集中力を維持して、落ち着いていきたいです。2月にはいいテストが行えましたが、金曜日のP1から、すべてを再度チェックする必要があります。コース上にトリッキーな場所がありますが、全体的なレイアウトはいいです。湿度と気温が高いので、体力的にきつくなると思いますが、マシンに乗ったらすべてを忘れて、ただライディングに集中するだけです」

カル・クラッチロー(MotoGP 総合6位)
「アラゴンのレースではいい感触があり、自分のペースにも満足していました。表彰台争いができるかもしれないと思いましたが、転倒してしまいました。今週末またがんばらなければなりません。タイのコースはちょっと変わっています。そして、初めてのサーキットなので決勝がどうなるかはだれも分かりません。事前テストで走りましたが、Hondaには悪くないコースのように感じました。でもコンディションは難しいです。暑くなると思います。フロントタイヤにあまりストレスを与えないようにしなければなりません。タイではいい仕事ができると思います」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 総合11位)
「ブリーラムでレースをするのは初めてなので、今週末は何を期待していいのかよく分かりません。もちろん2月にテストを行いました。それはうまく行きました。同じような感触が得られることを願っています。気温が高くなるので、マシンやタイヤ、そして自分たちが本当に試されます。でもすでにマレーシアで何度もそれに対応してきました」

フランコ・モルビデリ(MotoGP 総合16位)
「タイのレースが楽しみです。ブリーラムはMotoGPマシンですでにテストをしていて、すべてのライダーの経験値は同じです。この2戦、サンマリノとアラゴンではすばらしい仕事をしました。ポイントを獲得し、気温の高いコンディションでセットアップを進めることができました。タイでも同じようにしたいです。これからシーズンの終盤です。いくつかとても難しいサーキットがありますが、いいレースをする自信があります」

中上貴晶(MotoGP 総合20位)
「2月にタイでウインターテストを行いました。そのときはとてもうまくいって、トップ10でフィニッシュできました。いいペースがあり、マシンにはとてもいい感触がありました。今週もいいベースのセッティングが見つかることを願っています。レースを追うごとに、前進しています。トップ10に近付いています。あと少し前進できるようにがんばります。目標はレースウイークを通してできる限りトップ10に近付くことです」

トーマス・ルティ(MotoGP 総合25位)
「すでにブリーラムでテストを行っていることはとてもいいことです。なぜなら、すでにコースに関しての知識があり、マシンのセットアップに関してもインフォメーションがあるからです。2月はとても暑かったので、天気がどうなるか様子を見なければなりません。今のところ雨が少し降る可能性があるため、少し複雑になりそうです。5週間で海の向こうのレースが4つもあり、とても忙しい期間になります。そのため、厳しい挑戦へ向けて身体もメンタルもできる限りいいかたちにしておくために、数日、家でゆっくりしていました」

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