Round15タイタイGP

MotoGP 決勝

2018年10月7日(日)

会場:チャーン・インターナショナル・サーキット
天候:晴れ
気温:32℃
コースコンディション:ドライ
観客:10万245人(3日間:22万2535人)

マルケス2連勝で今季7勝目。タイトルに王手をかける

初開催となったタイGPは、今季5度目のポールポジション(PP)を獲得したマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)との最終ラップの攻防を制し、今季7勝目を達成。総合2位で今大会2位のドヴィツィオーゾとの差を77点とし、3年連続5度目のタイトル獲得に王手をかけました。

PPから好スタートを切ったマルケスは、ホールショットを奪うと4周目までトップを快走します。その後、5周目にバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)、11周目にはドヴィツィオーゾが首位に立ちました。マルケスもドヴィツィオーゾに続き、ロッシをかわして2番手へ。その2人を追うロッシの3人がトップグループを形成しました。

わずかの差でカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)、マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)、ヨハン・ザルコ(ヤマハ)、アレックス・リンス(スズキ)、そしてダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が続き、トップグループは一時、8台まで膨れあがりました。

しかし、終盤はドヴィツィオーゾとマルケスの一騎打ちとなり、マルケスは何度も首位を奪いますが、すかさずドヴィツィオーゾが抜き返すという大接戦。迎えた26周目、最終ラップで前に出たマルケスをドヴィツィオーゾが最終コーナーで逆転。しかし、クロスラインで立ち上がったマルケスが再逆転し、サーキットに集まった10万人の大観衆から大きな歓声と拍手が送られました。

マルケスは、これまで最高峰クラスで4回のタイトルを獲得。そのうち2回は日本GPでタイトルを決めています。今年は、日本GPでの3度目のタイトル決定に期待が寄せられます。

予選5番手からトップグループに加わり、前半4番手を走行したクラッチローは、終盤にかけてややペースを落とし7位。トップ集団に加わったペドロサは、19周目の5コーナーで転倒を喫し、リタイアに終わりました。

予選13番手からシングルフィニッシュが期待されたフランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、暑さの中でブレーキが思うように機能せず14位、チームメートのトーマス・ルティは20位。中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、序盤3周目の最終コーナーで転倒。再スタートを切って22位でした。

コメント

マルク・マルケス(MotoGP 優勝)
マルク・マルケス「今日はとてもうれしいです。このようなかたちでドビ(ドヴィツィオーゾ)を破ったのは初めてです。僕たちはほとんど同じペースだったので、僕の戦略はギャップを広げるためにアタックすることでした。そして最終ラップまでバトルすることを避けること。でもドビのペースはとてもよく、僕はフロントタイヤに苦戦していたので、それはできませんでした。その代りにタイヤをうまく使い、彼についていきました。正直、最終ラップへ入るときはあまり自信がありませんでした。なぜならこれまで彼との一対一のバトルで何度も負けていたからです。でも今回は役割が逆転しました。僕はドビのスタイルを使い、ドビはマルケススタイルでした。それがうまくいき最終コーナーで彼をオーバーテイクできました。すべてのライダーを平等に応援してくれるタイのすべてのファンの前でこのようなレースができて素晴らしい気分です。このスポーツがとても楽しく、レースウイークを通していい気分でした。彼らに本当に感謝しています。最初のマッチボールは日本になります。Hondaにとって唯一のホームグランプリなので最も重要なレースです。もちろん僕たちもベストを尽くしますが、もしそれが可能でなければ、目標はどこかでタイトル獲得を達成することです」

カル・クラッチロー(MotoGP 7位)
カル・クラッチロー「今日は素晴らしいレースでした。数周ですが、トップグループで戦うことができていいショーになりました。残念ながら前のライダーたちのペースをキープすることはできませんでした。ベストを尽くしましたが、15周走ったところでリアタイヤがかなり消耗したのを感じました。フロントタイヤのグリップのよさがリアに影響し、うまくグリップをマネジメントすることができませんでした。チームは戦闘的なマシンを僕に準備するためにいい仕事をしてくれました。レースを完走することはチャンピオンシップにおいて重要なことです。しかし、今回は、今シーズンの中では最悪なフィニッシュの一つになりました。以前、トップと6秒差で表彰台に立ったことがあるのですが、今日はトップと6秒差で7位というリザルトだったからです。でも、今はこれからの3連戦が楽しみです。日本はHondaのホームレースです。ベストを尽くします。もてぎは僕と相性がいいと思います」

フランコ・モルビデリ(MotoGP 14位)
フランコ・モルビデリ「とても難しいレースでした。最初からトップスピードに苦しみ、集団の中では思ったように深くブレーキができませんでした。ポイント圏内に戻るのも難しいレースでしたが、なんとか貴重な2ポイントを獲得しました」

トーマス・ルティ(MotoGP 20位)
トーマス・ルティ「序盤に大きなミスをしてしまい、それで自分のレースが滅茶苦茶になってしまったのが残念です。1周目の3コーナーで危ない瞬間がありました。ブレーキングのコントロールできず、芝生に入ってしまい、最後尾になってしまいました。その後、中上の転倒を避けるために6秒落としてしまいました。こうして僕のレースは終わってしまい、あとはとにかく走り続け、マシンをもっと理解することにつとめました。このような暑いコンディションではいいトレーニングになりました」

中上貴晶(MotoGP 22位)
中上貴晶「スタートして3周目の最終コーナーで転んでしまいました。完全に自分のミスです。いつもより、ちょっと突っ込みすぎてしまい、ブレーキを握ったままマシンを倒し込んだときに、路面のバンプにのってフロントから転びました。今日はタイヤの選択に悩みましたが、ミシュランのエンジニアのアドバイスもあり、最終的に前後ハードをチョイスしました。フリー、予選でもハードはちょっとフィーリングがよくなかったのですが、タイヤライフを考えればハードしかありませんでした。日本GP前のレースとしては残念な結果に終わりましたが、気持ちを切り替えてもてぎに挑みたいです」

ダニ・ペドロサ(MotoGP リタイア)
ダニ・ペドロサ「今日は、表彰台争いができるチャンスだったので、この結果はとても残念でした。一生懸命プッシュして、前に近付いているときにフロントから転倒してしまいました。バンプに当たり、セーブできませんでした。今日はスタートがレースに大きく影響しました。最初はクラッチに問題があり、そのすぐあとには、(ジャック)ミラーがインに入ってきて、2人ではらんでしまったからです。今日は、みんなハードリアを使わざるを得なかったので、最初の3周は、タイヤを温めるのに苦労しましたし、グリップがあまりありませんでした。速いリズムをつかむのに少し時間がかかりました。ポジティブなことは、そのあと力強いレースができて、トップグループに近付いたことです。いいチャンスがあったのですが、転倒で終わりました。次のレースではもっとうまくいくことを願っています」

MotoGP リザルト

順位 No. ライダー マシン タイム/差
193マルク・マルケスHonda39'55.722
24A.ドヴィツィオーゾドゥカティ+0.115
325M.ビニャーレスヤマハ+0.270
446V.ロッシヤマハ+1.564
55J.ザルコヤマハ+2.747
642A.リンススズキ+3.023
735カル・クラッチローHonda+6.520
819A.バウティスタドゥカティ+6.691
99D.ペトルッチドゥカティ+9.944
1043J.ミラードゥカティ+11.077
1129A.イアンノーネスズキ+15.488
1255H.シャーリン ヤマハ+17.691
1341A.エスパルガロアプリリア+21.413
1421フランコ・モルビデリHonda+22.802
1538B.スミスKTM+23.628
1645S.レディングアプリリア+23.804
1717K.アブラハムドゥカティ+32.507
1810X.シメオンドゥカティ+37.216
1981J.トーレスドゥカティ+39.204
2012トーマス・ルティHonda+39.421
2144P.エスパルガロKTM+53.388
2230中上貴晶Honda+2Laps
RT26ダニ・ペドロサHonda+8Laps

MotoGP ポイントランキング

ライダー

順位 No. ライダー マシン 総合ポイント
193マルク・マルケスHonda271
24A.ドヴィツィオーゾドゥカティ194
346V.ロッシヤマハ172
425M.ビニャーレスヤマハ146
599J.ロレンソドゥカティ130
635カル・クラッチローHonda128
79D.ペトルッチドゥカティ126
85J.ザルコヤマハ123
929A.イアンノーネスズキ113
1042A.リンススズキ102
1126ダニ・ペドロサHonda87
1243J.ミラードゥカティ74
1319A.バウティスタドゥカティ72
1453T.ラバトドゥカティ35
1521フランコ・モルビデリHonda33
1641A.エスパルガロアプリリア32
1744P.エスパルガロKTM32
1855H.シャーリン ヤマハ28
1938B.スミスKTM19
2030中上貴晶Honda18
2145S.レディングアプリリア12
2236M.カリオKTM6
2317K.アブラハムドゥカティ5
2451M.ピッロドゥカティ1
2512トーマス・ルティHonda0
266ステファン・ブラドルHonda0
2710X.シメオンドゥカティ0
2881J.トーレスドゥカティ0
2950S.ギュントーリスズキ0
3023C.ポンソンドゥカティ0

コンストラクター

順位 コンストラクター 総合ポイント
1Honda306
2ドゥカティ273
3ヤマハ218
4スズキ157
5KTM45
6アプリリア42

チーム

順位 チーム 総合ポイント
1Repsol Honda Team358
2Ducati Team324
3Movistar Yamaha MotoGP318
4Team SUZUKI ECSTAR215
5Alma Pramac Racing200
6Monster Yamaha Tech 3151
7LCR Honda146
8Ángel Nieto Team77
9Red Bull KTM Factory Racing51
10Aprilia Racing Team Gresini44
11Reale Avintia Racing35
12Estrella Galicia 0,0 Marc VDS33

ランキング詳細

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