• MotoGP2011
  • ロードレース世界選手権
  • MotoGP
  • Moto2
  • 125cc
2011 Schedule&Results
ストーナー、移籍初年度でHondaに5年ぶりのタイトルをもたらす!

ランキング3位にドヴィツィオーゾ、4位にペドロサ
チーム、コンストラクターズと合わせて3冠を達成

度重なるケガと戦いながら、年間3勝を挙げてランキング4位を獲得したダニ・ペドロサ(後ろはケーシー・ストーナー、マルコ・シモンチェリ) Repsol Honda Team最後のシーズンを自己最高のランキング3位で締めくくったアンドレア・ドヴィツィオーゾ
PhotoGallery

2006年以来、5年ぶりにHondaに復帰したケーシー・ストーナーを新たに迎え、ダニ・ペドロサ、アンドレア・ドヴィツィオーゾの3台体制で2011年シーズンに臨んだRepsol Honda Team。

開幕戦のカタールGP。注目のストーナーが移籍後初レースでいきなりポール・トゥ・ウイン。昨シーズン終盤戦に痛めた左肩が完治していないペドロサは、今大会で3位表彰台を獲得すると、第3戦ポルトガルGPでは開幕から3戦連続表彰台となる今季初優勝を飾りました。

第4戦フランスGPでは、ストーナーが今季2回目のポール・トゥ・ウイン。今季初表彰台となる2位に入ったドヴィツィオーゾとともにRepsol Honda Teamが今季初の1-2フィニッシュを達成しました。一方、レース中盤、接触事故に巻き込まれてリタイアに終わったペドロサは、鎖骨を骨折して次戦からの欠場を余儀なくされました。

ストーナーは、続く第5戦カタルニアGP、第6戦イギリスGPと3連勝を達成。ポイントランキングでもトップに躍り出ます。さらには第10戦アメリカGPで今季5勝目を挙げると、第11戦チェコGP、第12戦インディアナポリスGPと今季2回目の3連勝で7勝目を飾りました。チェコでは今季5回目の表彰台となる2位入ったドヴィツィオーゾ、自身初の表彰台となる3位に入ったマルコ・シモンチェリ(Team San Carlo Honda Gresini)と合わせてHonda勢が今季初、2006年アメリカGP以来5年ぶりに表彰台を独占しました。

第14戦アラゴンGPでは、ストーナーが今季5回目となるポール・トゥ・ウインで8勝目。2位には3戦連続でペドロサが入り、Repsol Honda Teamが今季5回目の1-2フィニッシュを達成しました。

東日本大震災の影響で日程を変更して開催された第15戦日本GP。2列目4番グリッドから得意のロケットスタートを見せたペドロサが今季3勝目。Hondaとしても2004年の玉田誠以来の地元優勝の美酒に酔いしれました。

第16戦オーストラリアGPではストーナーが今季6回目となるポール・トゥ・ウインで、2007年以来4年ぶりとなる自身2回目のチャンピオンを母国で確定させました。さらにはシモンチェリが今季2回目の表彰台となる自己最高位の2位、ドヴィツィオーゾが今季6回目の表彰台となる3位、4位に入ったペドロサと合わせて上位4台をHonda勢が独占しました。

第17戦マレーシアGP。第2ラップに発生した事故によりシモンチェリ選手が負傷、サーキットのメディカルセンターで救命処置が行われましたが同日逝去されました。レースは赤旗中断となり、その後に中止が発表されました。今年、MotoGP参戦2年目となるシモンチェリ選手は、第5戦カタルニアGPで初のPPを獲得。第11戦チェコGPと直前のオーストラリアGPでも表彰台に立つ活躍を見せ、将来を嘱望されていただけに世界中が深い悲しみに包まれました。

最終戦バレンシアGPでは、ストーナーが最終ラップの最終コーナーでベン・スピーズ(ヤマハ)に僅差で競り勝ち、今季7回目のポール・トゥ・ウインで年間10勝を達成。今年獲得した12回のPPは、ミック・ドゥーハンが持つシーズン最多PP記録に並び、今大会で達成した16回の表彰台もシーズン最多表彰台タイ記録。まさに圧倒的な強さを見せつけての戴冠でした。Repsol Honda Teamとしては2006年以来5年ぶりのライダーズ&チームタイトルであると同時に、Hondaとしても全クラス通算60回目のコンストラクターズタイトルという金字塔をうち立てました。

最終戦で今季7回目となる表彰台3位でチェッカーを受けたドヴィツィオーゾは、年間ランキングで自己最高の3位を獲得。5位でチェッカーを受けてランキング4位となったペドロサは、シーズン中盤でのケガの影響でタイトル争いからは脱落しましたが、今季3勝を挙げる活躍で、来季はストーナーとチームメート同士のタイトル争いが期待されます。

第2戦スペインGPで自己最高位の4位を獲得した青山博一(Team San Carlo Honda Gresini)は10位以内入賞10回、ランキング10位で2年目のシーズンを終えました。
2011 ポイントスタンディング

ライダー

順位 ライダー マシン 総合 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18
1ケーシー・ストーナーHonda35025-1625252520161625252516251625-25
2J.ロレンソヤマハ2602025201320-102520201313251620---
3アンドレア・ドヴィツィオーゾHonda2281341320132016201311201111-1116-16
4ダニ・ペドロサHonda219162025----82516-2020202513-11
5B.スピーズヤマハ17610--1016-251311131116101110--20
6マルコ・シモンチェリHonda13911--1110-71110-16413131320--
7V.ロッシドゥカティ13991111161110131071010696----
8N.ヘイデンドゥカティ132716798131168992-999--
9C.エドワーズヤマハ1098-103-1697688933811--
10青山博一Honda9861398-7851677557--4
11H.バルベラドゥカティ82410-75549576-78---5
12C.クラッチローヤマハ70588-9-2-2--5675--13
13A.バウティスタスズキ67--34411539--10810----
14K.アブラハムドゥカティ6439-669-445--4--6-8
15トニ・エリアスHonda61-7553861-3531--8-6
16R.デ・ピュニエドゥカティ49--6--4-23-4824610--
17L.カピロッシドゥカティ43-54-76---43----7-7
18中須賀克行ヤマハ10-----------------10
19J.ヘイズヤマハ9-----------------9
20秋吉耕佑Honda7------3-------4---
21J.ホプキンススズキ6-6----------------
22伊藤真一Honda3--------------3---

コンストラクター

順位 コンストラクター 総合 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18
1Honda40525202525252520202525252520252525-25
2ヤマハ32520252013201625252020131625162011-20
3ドゥカティ18091611161113131081010899910-8
4スズキ73-634411539--10810----

特集

MotoGP 2011 HRCチーム代表 中本修平 現場レポート
vol.70 2011年シーズン終了と、来シーズンに向けて
青山博一チャンネル
日本人ただ一人のMotoGPライダー、青山博一の奮闘の記録をお届けします。
Honda MotoGP 2011シーズン分析
激動の2011年シーズンからHondaが得たものとは何か
日本GPの興奮。
1963年の初開催以来、29回を数える日本グランプリにおけるヒーローの誕生を追う
MotoGP学科
ちょっと難しいMotoGPのルールや最新のトピックスについて解説していきます。

マシン&選手紹介

RC212V
RC212V

株式会社ホンダ・レーシング(HRC)は、MotoGPクラスに6台の“RC212V”を投入。2011年モデルは、重心位置の最適化によるコーナリング性能のさらなる向上を目指し、マシンの各部を見直しています。

主要諸元

名称 RC212V
全長 2052mm
全幅 645mm
全高 1110mm
ホイールベース 1435mm
最低地上高 115mm
車両重量 150kg以上
エンジン種類 水冷4ストローク DOHC4バルブ V4
排気量 800cc
最高出力 155kW以上
燃料タンク容量 21リットル
変速機 6速
タイヤ(前) 16.5インチ
タイヤ(後) 16.5インチ
サスペンション(前) テレスコピック式
サスペンション(後) プロリンク
フレーム形式 ツインチューブ
レプソル・ホンダ・チーム
ダニ・ペドロサ #26

ダニ・ペドロサ

Dani Pedrosa

生年月日:1985年9月29日
国籍:スペイン
身長:160cm
体重:51kg
趣味:音楽鑑賞、インターネット
URL:http://www.danipedrosa.com/

初めてバイクに乗ったのは4歳のとき。11歳で地元スペインのポケットバイク選手権に参戦。1999年には、モビスター・アクティバ・カップ(スペイン人ライダーを対象としたライダー養成プロジェクト)に選出され、そこでの活躍が認められて2001年からロードレース世界選手権(WGP)125ccクラスに参戦。Honda RS125Rを駆り、高いライディングスキルと他を圧倒する走りで、03年には同クラスでチャンピオンを獲得しました。

翌04年からは、250ccクラスにステップアップし、ここでも開幕戦から優勝を遂げる好成績を残し、参戦初年度でチャンピオンに。05年も引き続き250ccクラスに参戦し、2年連続で250ccタイトルを獲得しました。

そして、最高峰のMotoGPクラスにステップアップした06年は、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得。07年は2勝を挙げて総合2位、08年、09年は総合3位と上位にランクインしてきました。2010年は総合2位を獲得。11年は3勝を挙げるも、序盤の欠場が響いて総合4位となりました。

主な戦績

2001 世界選手権デビュー、世界選手権 125cc 8位
2002 世界選手権 125cc 3位
2003 世界選手権 125cc チャンピオン
2004 世界選手権 250cc チャンピオン
2005 世界選手権 250cc チャンピオン
2006 世界選手権 MotoGP 5位、ルーキー・オブ・ザ・イヤー獲得
2007 世界選手権 MotoGP 2位
2008 世界選手権 MotoGP 3位
2009 世界選手権 MotoGP 3位
2010 世界選手権 MotoGP 2位
2011 世界選手権 MotoGP 4位
アンドレア・ドヴィツィオーゾ #4

アンドレア・ドヴィツィオーゾ

Andrea Dovizioso

生年月日:1986年3月23日
国籍:イタリア
身長:165cm
体重:54kg
趣味:モトクロス、スーパーモタード、サッカー、スノーボード
URL:http://www.andreadovizioso.com/

幼い頃からミニバイクに乗り、イタリアのミニバイク選手権に参戦。2000年からイタリアをはじめとするヨーロッパのロードレース選手権に出場し、01年にはロードレース世界選手権(WGP)のイタリアGPにワイルドカードで参戦。02年からWGP125ccクラスにフル参戦を開始しました。

04年には年間5勝を挙げて、125ccタイトルを獲得。翌05年には250ccにステップアップし、総合3位。06年には、同クラスにHonda RS250RWワークス仕様のマシンで参戦し、徐々にランキングを上げ、07年はシーズンを通して優勝争いを繰り広げて総合2位と好成績を残しました。

08年は、最高峰クラスのMotoGPにステップアップを果たし、初年度ながら安定した走りで総合5位にランクイン。09年は、ワークスチームである「レプソル・ホンダ・チーム」に移籍し、MotoGPクラスでの初優勝も達成。同チーム2年目の2010年は総合5位、3年目の11年は総合3位と躍進を果たしました。

主な戦績

2001 世界選手権デビュー
2002 世界選手権 125cc 16位
2003 世界選手権 125cc 5位
2004 世界選手権 125cc チャンピオン
2005 世界選手権 250cc 3位
2006 世界選手権 250cc 2位
2007 世界選手権 250cc 2位
2008 世界選手権 MotoGP 5位
2009 世界選手権 MotoGP 6位
2010 世界選手権 MotoGP 5位
2011 世界選手権 MotoGP 3位
ケーシー・ストーナー #27

ケーシー・ストーナー

Casey Stoner

生年月日:1985年10月16日
国籍:オーストラリア
身長:171cm
体重:58kg
URL:http://www.caseystoner.com.au/

1989年から地元オーストラリアのダートバイク選手権に参戦。2000年からロードレースへの参戦を開始しました。翌01年には世界選手権にステップアップ。05年には250ccクラスで現チームメートのペドロサとタイトルを争い総合2位を獲得しました。

06年、MotoGPクラスへステップアップしてLCR Hondaから参戦。翌07年はドゥカティワークスへ移籍してチャンピオンを獲得しました。2011年シーズンは5年ぶりにHondaへ復帰し、開幕戦からポール・トゥ・ウインから圧倒的な強さを発揮。年間10勝を挙げて見事自身2度目のチャンピオンに輝くとともに、Hondaの3冠奪取に貢献しました。

主な戦績

2001 世界選手権デビュー
2002 世界選手権 250cc 12位
2003 世界選手権 125cc 8位
2004 世界選手権 125cc 5位
2005 世界選手権 250cc 2位
2006 世界選手権 MotoGP 8位
2007 世界選手権 MotoGP チャンピオン
2008 世界選手権 MotoGP 2位
2009 世界選手権 MotoGP 4位
2010 世界選手権 MotoGP 4位
2011 世界選手権 MotoGP チャンピオン
チーム・サン・カルロ・ホンダ・グレッシーニ
マルコ・シモンチェリ #58

マルコ・シモンチェリ

Marco Simoncelli

生年月日:1987年1月20日
国籍:イタリア
身長:183cm
体重:72kg
URL:http://www.marcosimoncelli.it/

1996年から2000年にかけて地元イタリアのミニバイク選手権で活躍し、2年連続のチャンピオンに輝きます。01年にイタリア選手権125ccクラスのホンダ・トロフィーに参戦。翌02年には、欧州選手権の125ccタイトルを獲得するとともに、ロードレース世界選手権(WGP)にも出場。03年からWGPにフル参戦を開始し、05年には125ccで総合5位と躍進すると、翌年から250ccにステップアップを果たしました。08年には250ccのタイトルを獲得し、09年は、最終戦までライバル青山博一選手とタイトル争いを繰り広げ、総合3位となりました。

2010年に最高峰のMotoGPにステップアップ。参戦2年目の2011年、第17戦マレーシアGP決勝レースにおけるアクシデントで負傷し、サーキットのメディカルセンターで救命処置が行われましたが同日逝去されました。享年24歳。

主な戦績

2002 世界選手権デビュー
2003 世界選手権 125cc 21位
2004 世界選手権 125cc 11位
2005 世界選手権 125cc 5位
2006 世界選手権 250cc 10位
2007 世界選手権 250cc 10位
2008 世界選手権 250cc チャンピオン
2009 世界選手権 250cc 3位
2010 世界選手権 MotoGP 8位
2011 世界選手権 MotoGP 6位
青山 博一 #7

青山 博一

Hiroshi Aoyama

生年月日:1981年10月25日
国籍:日本(千葉県出身)
身長:165cm
体重:55kg
血液型:O型
趣味:モトクロス、ダート、ダーツ
URL:http://www.hiro-aoyama.com/

5歳からポケットバイクに乗り始め、14歳でミニバイクのレース活動をスタート。15歳になり、KTR & SC桶川塾に入塾するとともに関東ロードミニ選手権を制覇。1998年に筑波ロードレース選手権 GP125クラスに参戦し、ランキング2位。全日本ロードレース選手権GP125に参戦したのは99年からで、翌2000年には全日本ロードレース選手権 GP250に参戦。03年には、同クラスで6戦中5回の優勝を遂げ、見事チャンピオンに輝きました。このタイトルをもって、Hondaのライダー育成制度「Honda Racing スカラーシップ」の第1期生に選出され、翌04年から戦いの場を世界に移してロードレース世界選手権(WGP)250ccクラスにフル参戦を開始しました。

04年から05年の2年間、スカラーシップ生としてWGPで戦い、卒業後、他メーカーに移籍するも250ccクラスで着実にキャリアを積みます。09年は再びHondaに復帰し、Honda RS250RWを駆り他のライバルライダーを圧倒する走りでシーズン最終戦までタイトル争いを展開し、見事日本人として8年ぶりとなる250cc世界チャンピオンに輝きました。

2010年は念願のMotoGPにステップアップを果たすも、ケガを負って中盤6戦を欠場。2011年はチームを移籍、スペインGPで自己ベストの4位を記録するなどコンスタントにポイントを獲得して総合10位でシーズンを終えました。

主な戦績

1999 全日本選手権 GP125 11位
2000 世界選手権デビュー、全日本選手権 GP250 2位、世界選手権 250cc パシフィックGP 8位
2001 全日本選手権 GP250 8位、世界選手権 250cc 日本GP 13位、世界選手権 250cc パシフィックGP 21位
2002 全日本選手権 GP250 2位、世界選手権 250cc 日本GP 12位、世界選手権 250cc パシフィックGP 11位
2003 全日本選手権 GP250 チャンピオン、世界選手権 250cc 日本GP 2位、世界選手権 250cc パシフィックGP 5位
2004 世界選手権 250cc 6位
2005 世界選手権 250cc 4位
2006 世界選手権 250cc 4位
2007 世界選手権 250cc 6位
2008 世界選手権 250cc 7位
2009 世界選手権 250cc チャンピオン
2010 世界選手権 MotoGP 15位
2011 世界選手権 MotoGP 10位
エルシーアール・ホンダ・モトGP
トニ・エリアス #24

トニ・エリアス

Toni Elias

生年月日:1983年3月26日
国籍:スペイン
身長:163cm
体重:57kg
趣味:ジョギング、マウンテンバイク
URL:http://www.tonielias.com/

バイクショップを営む父親の影響で早くからバイクに親しみ、1999年のスペイン選手権では総合3位を獲得。2000年から世界選手権125ccにフル参戦を開始して、翌01年は才能を開花させて総合3位を獲得しました。02年からは250ccクラスへ、そして05年からはMotoGPクラスに参戦。RC211Vを駆って参戦した06年は第16戦ポルトガルGPでクラス初勝利を収めて総合9位。07、08年は総合12位、09年は総合7位となりました。

2010年は初年度のMoto2クラスに挑戦し、大混戦の中7勝を挙げる活躍で初代王者に輝きました。MotoGPクラスに復帰した11年は、総合15位でシーズンを終えました。

主な戦績

1999 世界選手権デビュー
2000 世界選手権 125cc 20位
2001 世界選手権 125cc 3位
2002 世界選手権 250cc 4位
2003 世界選手権 250cc 3位
2004 世界選手権 250cc 4位
2005 世界選手権 MotoGP 12位
2006 世界選手権 MotoGP 9位
2007 世界選手権 MotoGP 12位
2008 世界選手権 MotoGP 12位
2009 世界選手権 MotoGP 7位
2010 世界選手権 Moto2 チャンピオン
2011 世界選手権 MotoGP 15位