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はじめてのトライアル講座―日本GP@もてぎに行こう!―

section.6
トライアルのルール

トライアルは、他の多くのモータースポーツのように、速くゴールしたものが勝ちという競技ではありません。トライアルのルールはたいへん多岐にわたっています。

トライアルの減点は前述の通り、試合時間を過ぎることによるペナルティ減点と、セクションでの減点があります。各セクションでの減点は、最大5点、最小0点で採点されます。セクションの入り口から出口まで、足をつかずにスムーズに走りきれば、減点はゼロ(=クリーン)。足をつかないから、泥沼を走ってもブーツが汚れないということから、クリーンすると呼ばれています。足を1回つくと、減点は1。足つきといっても、頭でも肩でも、マシンのバランスをとるのに身体を使うと、1点減点となります。1回で1点、2回で2点、3回では減点3となりますが、3回以上は減点3のまま。3回足をついても50回足をついても、減点3は変わりません。

3回以上は何度足を着いても減点3。これも最小の減点数でセクションをクリアする一つの方法

減点5と判断されるのは、セクションから飛び出してしまった(タイヤがセクションテープの外に出てしまった)、セクションテープを切ったりゲートマーカーを動かしたりしてしまった、転んでしまった、マシンから降りてしまった、などがこれにあたります。転倒とは、ハンドルが地面に接地することと定義されています。テクニシャンぞろいの世界選手権では、きちんと定義をしておかないと、転んでいるようで転んでいない、ということも多いのです。

三角形が描かれたカードが、ゲートマーカー。クラスに応じてゲートマーカーが設置される場所が異なる。

ゲートマーカーを動かしてしまったことで、減点5。もう少しでセクションアウトするところだったが、繊細なテクニックが要求され、最後まで油断できないのが、トライアルだ

エンジンストップは、実はそれだけでは減点5点ではありません。マシン停止、タイヤ以外が接地していること、エンジンが止まっていること、3つの条件がすべてあてはまると、5点です。下り坂でエンジンが止まって、そのまま惰性でセクションをアウトできれば5点にはなりません。惰性でなくても、人力で押していってもいいのですが、これはそう簡単なことではありません。トップライダーは、たとえエンジンが止まっても、足を地面に足をつくことなくキックペダルを出し、エンジンを再始動してセクションを走ります。これなら、減点は0のままです。

ルールの解説も、だんだん難しくなってきました。両輪のワダチが自分が作ったワダチを踏んではいけないというルールもあります。たとえば、難しい左90度ターンをするより、右に270度ターンしたほうが楽になることは多いのですが、それは許してもらえません。また、たとえ足をつかなくても、セクション走破に1分以上かかってしまうと5点となってしまうので、足をつきながらも時間内にセクションを出ようとするシーンも多く見られるはずです。

ライダーの走行の様子をセクションインからアウトまで追いかけることが難しい場合もありますが、ライダーの減点数を知らせるためにセクション審判がいます。審判はギャラリーに見えるように手を上げてくれていることが多いので、彼らの示す手を見ていると、ライダーの減点数がわかります。グーなら減点0。人差し指1本で1点、人差し指と中指で2点、薬指が加わって3点、そしてパーになったら、残念減点5です。

審判の手がライダーの減点数を表す。ライダーの動きを全て見れなくても、審判の手を見ることで、減点数を把握できる

魔法のようなライディングで、自然の地形を次々に走破していく世界のトップライダーたち。彼らの戦いは、実は緻密な計算の上に成り立っています。華麗なライディングも、高度なテクニックと、細やかかつ、強じんで、そして大胆な精神に支えられている。トライアルは、フィジカルにもメンタルにも、究極のパフォーマンスを要求されるモータースポーツなのです。

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