Team HRCのチームメート対決はディフェンディングチャンピオンの成田亮を
山本鯨が破り、2年ぶり2度目のチャンピオンを獲得

2019年の全日本モトクロス選手権(JMX)IA1クラスは、全8大会(16ヒート)が開催された。Team HRCは前年に2年ぶり12度目のチャンピオンを獲得した成田亮と、17年チャンピオンの山本鯨の2名体制で参戦した。前年をほうふつさせるTeam HRCのチームメートで優勝を分け合う展開となり、山本が6勝を挙げて2年ぶり2度目のチャンピオンを獲得。成田はタイトル連覇を目指し、5勝して最終的に2位となった。プライベーター勢では、小島庸平(Bells Racing/SoCalMXTF)、大塚豪太(T.E.SPORT)が上位に入り、総合5位までに4人とHonda勢が強さをみせたシーズンとなった。

開幕戦のHSR九州大会にはAMAモトクロス選手権にフル出場した富田俊樹もTeam HRCに加わり、ヒート1はTeam HRCが山本、富田、成田の順位で表彰台を独占。レース2も1-2フィニッシュ。山本が両ヒート優勝と、幸先のよいシーズン開幕となった。

続く、第2戦関東大会は成田がヒート2で優勝。第3戦中国でも成田が優勝/3位となり、3位/4位だった山本を引き離す格好となった。7月に開催された第4戦SUGO大会はマディコンディションの中で行われ、ヒート1では山本がレースをリードするも、転倒などのトラブルもあり、成田が優勝、山本が2位。ヒート2も成田が優勝し、2位には山本、3位に大塚が入り、Honda勢が表彰台を独占した。

第5戦東北大会のヒート1は成田が優勝、山本が2位。3位には小島が入り、Honda勢が2戦連続で表彰台を独占。ヒート2は山本が優勝、成田が2位とTeam HRCの両者が互角の戦いを演じたが、ここから山本の逆襲が始まる。9月に入ってからの第6戦近畿大会では、山本が両ヒート優勝する中、成田が両ヒート3位で、265ポイントの成田に対して山本が4ポイント差まで詰め寄ると、今年2度目の開催となったHSR九州大会でも2位/優勝とし、9月下旬のモトクロス・オブ・ネーションズで負傷した成田は14位/13位と低迷したため、ポイントランキングの逆転に成功して最終戦を迎えることとなった。

(写真左から)富田俊樹、ミッチ・エバンス、成田亮

最終戦MFJグランプリは例年海外のトップライダーが参戦するが、今年は、来季モトクロス世界選手権MXGPクラスにTeam HRCから参戦するミッチ(ミッチェル)・エバンスがゲストライダーとして来日。AMAライダーの富田に、JMXレギュラーの山本、成田をあわせ、Team HRCはCRF450RWの4台体制で臨んだ。ヒート1ではエバンスが圧倒的な力を示し、後続に40秒以上の差をつけてトップでフィニッシュ。富田、成田、山本、大塚とトップ5をHonda勢が占めるレースとなった。このヒートを終えて、山本が成田に対し26ポイントのリード。ヒート2で、山本が20位以内になれば、成田の順位を問わずにチャンピオン決定という状況だった。ヒート2でもエバンスの強さは留まることを知らず、2位の富田に約26秒の差をつけて優勝。2位に富田、山本は3位に入り、Team HRCが表彰台を独占。山本は表彰台で自らのチャンピオン獲得をチームメンバー、ファンとともに祝った。