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インディカー・シリーズ

round 13

SCHEDULE

July 20 2014, RACE Honda Indy Toronto Race 1

アメリカトロント

土曜日から順延されたレースでシモン・パジェノーが4位フィニッシュ
佐藤琢磨は多重アクシデントに巻き込まれたものの、終盤にレース復帰して23位

2014年7月20日(日)・決勝  会場:トロント市街地特設コース  天候:曇り  気温:19〜22℃

五大湖の一つであるオンタリオ湖の北岸に位置するカナダ最大の都市トロントに、今年もインディカー・シリーズのレースがやってきました。「Hondaインディ・トロント」は、カナダで開催される唯一のインディカーイベントですが、昨年から週末に2レースを行うダブルヘッダーとして開催されています。週末最初のレースは、全長1.755マイルのストリートコースを使い、7月19日(土)の午後に決勝が行われる予定でしたが、インディカーはコース上の雨量の多さから安全を確保できないと判断。赤旗を出してレースのスタートを遅らせ、その後にレースのスタートを2度試みましたが、コンディションの改善は見られず、夕方6時過ぎにレース開催を翌日の20日(日)へと延期することに決めました。アスファルトに含まれた水が、インディカーが走ることによって吸い上げられ、グリップの非常に低い、危険な路面状況となる可能性が強く危惧されたことによる決定でした。また、コンクリートウオールに囲まれたコースでは、タイヤがはね上げる水しぶきがドライバーたちの視界をさえぎり、そちらも危険なレベルにあるとの判断が下されたためです。

  • シモン・パジェノー(#77)シモン・パジェノー(#77)

1レース目が順延されたことで、日曜日には2レースが行われることとなりました。2レース目の予選が行われる予定だった午前10時半過ぎに、1レース目の決勝がスタート。2レース目の決勝は夕方にスタートが切られることに決まりました。また、どちらのレースも周回数は85周から65周に短縮されました。

決勝日のトロントは、早朝こそ低く垂れ込めた雲に覆われていましたが、1レース目のスタート時刻が近づくにつれて、空は明るくなっていきました。

午前10時半過ぎ、レースはローリングスタートで始まりました。しかし、バックストレートの先、ターン4でトップグループにアクシデントが発生し、赤旗が出されました。このアクシデントで4番グリッドからスタートしていたシモン・パジェノー(Schmidt Peterson Motorsports)は、サスペンションなどにダメージを受け、最後尾からのレース復帰となりました。そこで、彼らは2ピットストップに作戦を切り替え、序盤の10周目にピットイン。終盤の41周目にもう一度ピットロードへと滑り込み、新しいタイヤと十分な燃料を武器に上位陣への猛アタックをスタートさせました。パジェノーのチャージはすさまじく、表彰台まであと一歩の4位でゴールラインへと飛び込みました。

11番手スタートだったグレアム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Raging)も、最初のスタートからアグレッシブな走りで2つのポジションアップに成功し、激しいバトルを披露して6位に食い込みました。また、トロント出身のジェームズ・ヒンチクリフ(Andretti Autosport)が8番手スタートから8位でフィニッシュ。ジャスティン・ウィルソン(Dale Coyne Racing)は10位でゴールしました。

佐藤琢磨(A.J. Foyt Racing)は予選15番手でしたが、前日にトラブルのあった3台がグリッド後方に下がったため、12番手からスタートしました。しかし、1周目のターン4で起きたアクシデントによって進路をふさがれ、左から急にラインを変えてきたマシン、さらには後方にいたマシンに次々とヒットされ、コンクリートウオールに激突しました。そこでリタイアとなってもおかしくないダメージがあった佐藤のマシンでしたが、クルーたちが入念な修理を施し、佐藤はレース終盤に10周を走りました。順位は最下位の23位でしたが、佐藤は午後の2レース目に備え、マシンの確認を行うことができました。

コメント

シモン・パジェノー(4位)
「4位フィニッシュを喜んでいます。あの1周目のアクシデントのことを考えると、なおさらです。なぜあそこで接触が起こり、スピンをさせられてしまったのか、残念でなりません。もちろん、あの状況からレースに復帰できたのはラッキーでした。だれかが真横から突っ込んでくる可能性が十分にあったからです。チームが素早くマシンを修理してくれ、作戦もよかったことから、マシンの調子はレース再開後も大変よかったので、スタートからゴールまで全力でプッシュし続けました。チャンピオンシップポイントで競い合っているライバルが、1人だけしか私の前でフィニッシュしなかったのもうれしいことです」

佐藤琢磨(23位)
「今日のレースでは慎重にスタートをして、ターン3でもイン側にラインを取ってポジションを保っていました。序盤から無理をせず、ゴールまでにポジションを着々と上げていこうという目標を立てていました。ところが、ターン4でアクシデントが起こって、1台のマシンがコースをふさぐようにストップしたため、それを避けようとした1台が左から私にぶつかってきて、さらには後方からもヒットされました。その上、スピンしてストップしていたマシンがレースに戻ろうとしたとき、彼も私のマシンにぶつかりました。左フロントサスペンションが壊れていたため、レースに戻るのには時間がかかりました。それでも、新しいセッティングを施したマシンで何周かを走ることができました。残念なことに、新セッティングはよくなかったので、今朝の状態に戻して午後の2レース目を戦うことになると思います」

アート・セントシアー| HPD社長
「シモン・パジェノーと彼のチームがすばらしいレースを戦っていましたね。パジェノーはファステストラップも記録していました。それだけに、最初のスタートにおける1周目のアクシデントは本当に不運であり、残念でした。ライアン・ハンターレイにもスピードがありましたね。彼ら2人は優勝争いを行えていたであろう速さを備えていたと思います。ハンターレイはアウト側からのパスをトライし、スペースが十分になかったことからアクシデントになってしまいましたが、彼ら以外でも多くのHondaドライバーたちが好レースを戦っていましたから、午後のレース2が実に楽しみです」

決勝リザルト

順位 No. ドライバー エンジン 周回数 タイム/差
111S.ブルデーシボレー651:15'44.3232
23H.カストロネベスシボレー65+3.3408
310T.カナーンシボレー65+4.8655
477シモン・パジェノーHonda65+5.4271
59S.ディクソンシボレー65+12.5472
615グレアム・レイホールHonda65+15.5804
783C.キンボールシボレー65+28.6978
827ジェームズ・ヒンチクリフHonda65+31.1677
912W.パワーシボレー65+33.1220
1019ジャスティン・ウィルソンHonda65+33.7258
 
117ミハイル・アレシンHonda65+39.0741
1398ジャック・ホークスワースHonda65+58.3644
1418カルロス・ウエルタスHonda65+58.4969
1625マルコ・アンドレッティHonda65+1'01.4298
1734カルロス・ムニョスHonda65+1'01.7675
2067ジョセフ・ニューガーデンHonda63+2Laps
2128ライアン・ハンターレイHonda39+26Laps
2216ルカ・フィリッピHonda17+48Laps
2314佐藤琢磨Honda10+55Laps

ポイントスタンディング

ドライバー
順位 No. ドライバー エンジン 総合ポイント
13H.カストロネベスシボレー512
212W.パワーシボレー484
377シモン・パジェノーHonda454
428ライアン・ハンターレイHonda448
52J.P.モントーヤシボレー417
634カルロス・ムニョスHonda371
79S.ディクソンシボレー361
825マルコ・アンドレッティHonda351
910T.カナーンシボレー340
1011S.ブルデーシボレー336
 
1227ジェームズ・ヒンチクリフHonda318
137ミハイル・アレシンHonda291
1419ジャスティン・ウィルソンHonda290
1667ジョセフ・ニューガーデンHonda270
1798ジャック・ホークスワースHonda259
1815グレアム・レイホールHonda256
1918カルロス・ウエルタスHonda250
2114佐藤琢磨Honda204
2416オリオール・セルビアHonda88
2526カート・ブッシュHonda80
2916ルカ・フィリッピHonda32
305ジャック・ヴィルヌーヴHonda29
3168アレックス・タグリアーニHonda28
3363ピッパ・マンHonda21
3441マーティン・プロウマンHonda18
36 26フランク・モンタニーHonda8