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May 10 2015, RACE Formula 1 Gran Premio De España Pirelli 2015
スペインGP
2015年5月10日(日)・決勝 会場:カタルニア・サーキット 全長:4.655km
今日はチーム全体にとって難しいレースとなりました。
フェルナンド・アロンソはリアブレーキの不具合のため26周目でリタイアとなってしまいました。リア周辺のチェックとタイヤ交換のための予備の意味で行ったピットストップの際に、ブレーキ力を失ったマシンがピットボックスで止まりきれず、そのままレース終了となりました。幸いにも、フロントジャッキ担当のメカニックが瞬時に状況を判断し、安全のため脇に逃げたので、ケガ人はでませんでしたが、トップ10位以内まで着実に追い上げていたフェルナンドのレースはそこで終了となりました。
ブレーキロスの原因解明はこれからとなりますが、ガレージ内でマシンの右後方のブレーキダクトに破損したバイザーのフィルムが詰まっていたことは確認されています。
一方、ジェンソンは完走したものの、彼にとっても今日は残念なレースとなりました。スロースタートを切った直後から、マシンのハンドリングが悪く、オーバーステアで、出力時にホイールがスピンするとの訴えがありました。ラジオ越しにチームとやり取りしながら解決策を見出そうとしましたが改善することができず、3回のピットストップ作戦で最終的に16位でレースを終えました。
順位 | ドライバー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|
1 | ニコ・ロズベルグ | Mercedes | 1:41'12.555 |
2 | ルイス・ハミルトン | Mercedes | +17.551 |
3 | セバスチャン・ベッテル | Ferrari | +45.342 |
4 | バルテッリ・ボッタス | Williams | +59.217 |
5 | キミ・ライコネン | Ferrari | +60.002 |
6 | フェリペ・マッサ | Williams | +81.314 |
7 | ダニエル・リカルド | Red Bull | +1Lap |
8 | ロマン・グロージャン | Lotus | +1Lap |
9 | カルロス・サインツ Jr. | Toro Rosso | +1Lap |
10 | ダニール・クビアト | Red Bull | +1Lap |
11 | マックス・フェルスタッペン | Toro Rosso | +1Lap |
12 | フェリペ・ナスル | Sauber | +1Lap |
13 | セルジオ・ペレス | Force India | +1Lap |
14 | マーカス・エリクソン | Sauber | +1Lap |
15 | ニコ・ヒュルケンベルグ | Force India | +1Lap |
16 | ジェンソン・バトン | McLaren-Honda | +1Lap |
17 | ウィル・スティーブンス | Marussia | +3Laps |
18 | ロベルト・メリ | Marussia | +4Laps |
RT | パストール・マルドナド | Lotus | DNF |
RT | フェルナンド・アロンソ | McLaren-Honda | DNF |
ドライバー
順位 | ドライバー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | ルイス・ハミルトン | Mercedes | 111 |
2 | ニコ・ロズベルグ | Mercedes | 91 |
3 | セバスチャン・ベッテル | Ferrari | 80 |
4 | キミ・ライコネン | Ferrari | 52 |
5 | バルテッリ・ボッタス | Williams | 42 |
6 | フェリペ・マッサ | Williams | 39 |
7 | ダニエル・リカルド | Red Bull | 25 |
8 | ロマン・グロージャン | Lotus | 16 |
9 | フェリペ・ナスル | Sauber | 14 |
10 | カルロス・サインツ Jr. | Toro Rosso | 8 |
11 | マックス・フェルスタッペン | Toro Rosso | 6 |
12 | ニコ・ヒュルケンベルグ | Force India | 6 |
13 | セルジオ・ペレス | Force India | 5 |
14 | マーカス・エリクソン | Sauber | 5 |
15 | ダニール・クビアト | Red Bull | 5 |
16 | フェルナンド・アロンソ | McLaren-Honda | 0 |
17 | ジェンソン・バトン | McLaren-Honda | 0 |
18 | ロベルト・メリ | Marussia | 0 |
19 | ウィル・スティーブンス | Marussia | 0 |
20 | パストール・マルドナド | Lotus | 0 |
コンストラクター
順位 | コンストラクター | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | Mercedes | 202 |
2 | Ferrari | 132 |
3 | Williams | 81 |
4 | Red Bull | 30 |
5 | Sauber | 19 |
6 | Lotus | 16 |
7 | Toro Rosso | 14 |
8 | Force India | 11 |
9 | McLaren | 0 |
10 | Marussia | 0 |
ジェンソン・バトン
MP4-30-01
スタート:14番手
レース結果:16位
ファステストラップ:1分31.162秒(46周目 トップとの差 +2.892秒、10番手)
ピットストップ:3回:(オプション→プライム→オプション→オプション)
11周目(ピットストップ時間 3.23秒)、27周目(ピットストップ時間 3.98秒)、および44周目(ピットストップ時間 4.81秒)
「今日はマシンをドライブするのが怖かったです。アクセルを踏み込むと同時に低グリップのためにマシンが滑り出し、反応が読めない状況でした。低速コーナーでは、ホイールがスピンしてしまうためにスピードが出ず、逆に高速コーナーでは、出力時にリアが滑ってしまい、怖かったです。
不具合の原因を突き止めようと、レース中にエンジニアと話をしながら、問題解決のためにハンドリングバランスを何度も変更しました。レース終盤にはバランスが少し改善したものの、今日は難しいレースとなりました。
これからデータを確認し、何が問題だったのかを解明します。これは我々が調査しなければならない不具合です」
フェルナンド・アロンソ
MP4-30-03
スタート:13番手
レース結果:DNF-リアブレーキの不具合発生(26周目でリタイア)
ファステストラップ:1分33.387秒(23周目 トップとの差 +5.117秒、18番手)
ピットストップ:2回:(オプション→プライム→2回目のピットストップでリタイア)
21周目(ピットストップ時間 4.28秒)および26周目
「ピットストップのときは怖かったです。インラップのときにリアブレーキがほとんど効かず、ピットストップの際にはさらにブレーキ力がありませんでした。メカニックのメンバーにとっては怖い瞬間だったと思いますが、誰にもケガがなかったことが幸運でした。
今日、私のマシンで発生したブレーキの不具合は、昨日、ジェンソンが直面した問題とはまた別です。予選では、ジェンソンのマシンのブレーキディスクの一枚が適温まで上がらないというトラブルでしたが、私の場合はブレーキが効かなかったことが問題です。リアディスクの動きが止まってしまい、フロントブレーキのみが稼動していました。
物事が良い方向に進みつつあるものの、我々はまだ上位陣からはほど遠く、さらに大きく前進する必要があります。ただ、これは非常に難しいプロジェクトであり、 チームとしてうまくリカバリーしつつあることに私自身は満足しています。
今日は残念な結果になりましたが、我々は今日のレースで何が起きたのかを調査し、次のモナコ戦ではさらに競争力をつけて戻ってきます」
エリック・ブーリエ
McLaren-Honda Racing Director
「過去のスペイングランプリで8回以上勝利をおさめた我がチームにとって、今日のレースが残念な結果に終わったことは言うまでもありません。
フェルナンドはなかなか良い走りを見せてくれていましたが、まだ原因解明中のリアブレーキの不具合によってマシンがピットボックスをオーバーシュートしてしまい、それが原因で、突然レースを終える形になりました。これは我々全員、特にフェルナンドにとってイライラがつのる結果でしたが、大事なことはケガ人が一人も出なかったことです。
ジェンソンにとっても今日は後味が悪いレースとなりました。スタート直後からグリップがなく、それ以降もリアのトラクション不足に悩まされました。結局、ジェンソンは16位でレースを終えました。
我々はスペイン入りした際に確固たる姿勢で臨みつつも、ささやかな野望を抱いていました。予選で両マシンをQ2に進出させ、今季初となるワールドチャンピオンシップポイント獲得を目指していましたが、前者は達成したものの、後者は実現できませんでした。
ただ、残念な結果ではありましたが、希望を失ったわけではありません。もちろん、期待どおりの進歩を遂げることができれば、チーム全体にもう少し活気が出たとは思います。それでも、我々のペースはレースごとに向上しつつあり、これはチームにとって重要なことです。
2週間後はモナコグランプリですが、『曲がりくねった公道』で知られるコース上で、今日ここバルセロナでの結果よりも良い形で物事を進めたいと思います。モナコでの優勝回数が最も多いチームはマクラーレンです(過去に15回優勝)。今年、我々が16回目の勝利をおさめることを期待してはいませんが、5月24日のモナコグランプリでは、ワールドチャンピオンシップポイント獲得を目標としています」
新井康久
株式会社本田技術研究所 専務執行役員 F1プロジェクト総責任者
「残念な週末でした。しかし、これもレースという現実です。
フェルナンドのレースペースは良かったので、これから本日のデータを解析し、ドライバビリティが重要なファクターとなるモナコに臨みたいと思います」