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MotoGP

round 18

SCHEDULE

November 7/8/9 2014 MotoGP Gran Premio Generali de la Comunitat Valenciana

バレンシアバレンシアGP

バレンシアGPプレビュー

2014年の最終戦となる第18戦バレンシアGPが、11月7日(金)から9日(日)までの3日間、バレンシア・サーキットで開催されます。バレンシアGPは1999年に第1回大会が行われ、2002年からは、最終戦の舞台として定着。今年で16回目を迎えます。バレンシアGPは、シーズンを通じて最も観客が集まる大会の一つ。今年も3日間で20万人を超える大観衆が集まることが予想されます。

バレンシアGPプレビュー

バレンシア・サーキットは、一周4.005kmのテクニカルコース。左回りで低中速コーナーが連続し、メインストレートを除き、常にマシンがどちらかにバンクしている難易度の高いレイアウトです。また、この時期のバレンシアは不安定な天候が多く、例年、チームの総合力が要求されるレースとなります。今シーズンは、個人とコンストラクターズタイトルを獲得して迎える、Honda勢の活躍に注目されます。

Hondaは、第15戦日本GPでマルク・マルケス(Repsol Honda Team)がライダーズタイトルを獲得し、第17戦マレーシアGPでは、通算63回目となるコンストラクターズタイトルを手にしました。最終戦では残るチームタイトル獲得による三冠達成に全力を尽くします。バレンシアGPは、スペインでは今年4回目のグランプリとなります。過去3回の大会では、スペインGP(ヘレス)とカタルニアGP(バルセロナ)でマルケスが優勝。最終戦バレンシア大会は、ホームグランプリを迎えるRepsol Honda Teamにとって、今季14勝目を目指す戦いとなります。

2年連続チャンピオンに輝き、今季12勝を挙げてコンストラクターズタイトル獲得に大きな貢献を果たしたマルケスは、ホームグランプリとなる最終戦でシーズン13勝目を目指します。前戦マレーシアGPでは、今季13度目のポールポジション(PP)を獲得して、シーズン最多PP記録を樹立しました。今大会は、シーズン最多優勝記録となる13勝目を目指します。

昨年の大会は、タイトルに王手をかけて迎え、緊張感あふれる戦いとなりました。その状況の中でマルケスは、タイトル決定の条件となる表彰台登壇を果たし、自力でチャンピオンを獲得。昨年は1983年にフレディ・スペンサーがHondaで樹立した最高峰クラス史上最年少記録を30年ぶりに塗り替えました。今年も史上最年少記録で2年連続チャンピオンに輝き、数多くの記録を樹立しました。昨年は、タイトル獲得のために、優勝を狙う戦いとはしませんでしたが、すでにタイトルを獲得している今年は、勝利で最終戦を飾る意気込みです。

マルケスは、09年のバレンシアGPでは125ccクラスのチャンピオンを獲得しました。Moto2クラスでは、タイトルを獲得して迎えた一昨年の大会で、最後尾スタートから優勝するという伝説のレースを披露して世界中を驚かせました。今年は、最高峰クラスで2年連続チャンピオンを獲得しての凱旋レースとなるだけに、最高峰クラスでは初のバレンシアGP制覇への期待が膨らんでいます。

チームメートで総合4位のダニ・ペドロサは、過去2戦、不運のリタイアが続いています。それだけに、今大会は優勝で最終戦を飾る意気込みです。過去、バレンシアでは、125ccクラスで1勝、250ccクラスで2勝、最高峰クラスでは、07年、09年、そして12年と3度の優勝を経験しています。シーズンを通じて最も得意とするサーキットの一つだけに、地元ファンの声援に応える意気込みです。

総合9位のステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)と総合11位のアルバロ・バウティスタ(GO & FUN Honda Gresini)は、今年を最後にHondaチームを離れることになります。ブラドルは、3年間ともにしたチームとの最後のレースをベストリザルトで飾る意気込み。後半に入ってマシンのセットアップに苦しんだバウティスタも、ホームグランプリに闘志満々。今季ベストリザルトでファンの期待に応える意気込みです。

Hondaの市販レーシングマシン「RCV1000R」勢も気合が入ります。来季、Honda RC213Vで参戦が決まっている総合12位のスコット・レディング(GO & FUN Honda Gresini)は、RCV1000R勢トップでシーズンを終える意気込みです。総合13位の青山博一(Drive M7 Aspar)も後半戦に入って調子を上げているだけに、ベストリザルトを狙います。シーズン中に手術を行った右手首の回復がやや遅れている総合16位のニッキー・ヘイデン(Drive M7 Aspar)と、総合17位のカレル・アブラハム(Cardion AB Motoracing)も、得意のサーキットに闘志をかきたてています。

Moto2クラスは、前戦マレーシアGPでエステベ・ラバト(Marc VDS Racing Team)のタイトルが決まりました。今大会は、すべてのプレッシャーから解放されてホームグランプリを迎えるラバトの、シーズン11度目のPPと8勝目に期待されます。チームメートで総合2位のミカ・カリオは、タイトル獲得こそ果たせませんでしたが、最終戦バレンシアGPは、今季4勝目を目指し、総合2位を守る戦いとなります。対して、総合3位のマーベリック・ビニャーレス(Paginas Amarillas HP 40)は、後半戦に入って調子を上げて通算4勝としました。カリオとの総合2位争いにも注目が集まっていますが、ホームグランプリを迎えるビニャーレスは、ラバトとともに優勝候補の筆頭であり、今季5勝目への期待が膨らんでいます。日本人勢は、中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)が今季ベストリザルトを目標に戦います。また、ケガのために欠場していた長島哲太(Teluru Team JiR Webike)が、6戦ぶりに復帰します。

Moto3クラスは、アレックス・マルケス(Estrella Galicia 0,0)と総合2位のジャック・ミラー(KTM)のタイトル争いに大きな注目が集まっています。11点差で最終戦を迎えるマルケスは、3位以内でフィニッシュすれば自力チャンピオンが決まります。ホームグランプリで11点リードのアドバンテージ。大きなプレッシャーのかかる大会となりますが、兄のマルク・マルケスとともに史上初の兄弟チャンピオン誕生に挑みます。

コメント

マルク・マルケス(MotoGP 2014チャンピオン)
「この1カ月は、本当にあっという間に過ぎました。日本GPでチャンピオンを獲得したのがずいぶん前のことのように感じます。マレーシアGPの後はHondaのイベントに出席し、そして帰りには、タイで行われたアルパインスターのイベントに参加しました。その後、スペインで数日、リラックスした日々を過ごし、少しトレーニングをして、ミラノのEICMAのイベントに行きました。とてもいいイベントで、たくさんの人が来ていました。すべての人から優しい言葉をいただき、感謝しています。これからバレンシアに向かいます。すばらしいシーズンになったし、こうして、地元ファンの前でレースをするのは毎回うれしいことです。今年はいつもよりリラックスしています。プレッシャーを感じることなく最終戦を楽しむことができそうです」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 総合4位)
「マレーシアでリタイアに終わり、チャンピオンシップの2位、3位争いから脱落しました。それだけに、バレンシアでいい結果を残してシーズンを終えたいと思います。僕にとって、バレンシアはいつも特別なレースです。ファンは最高ですし、彼らは最高の雰囲気を作ってくれます。これまでも、いい結果をたくさん残してきたし、今週末もそれを繰り返せることを願っています。そして、日曜日には優勝へ向けて戦いたいです」

ステファン・ブラドル(MotoGP 総合9位)
「最終戦バレンシアは、僕にとってとても特別なグランプリになります。LCR TeamとHondaとの最後のレースになります。3年間一緒にがんばってきました。チーム監督のルーチョは、チームマネージャーとしての関係だけでなく、いい友人でもありました。マレーシアでは4位を獲得しました。これまでの大会を振り返っても、バレンシアは特別得意なサーキットではありません。しかし、バレンシアでもマレーシアのようなパフォーマンスを繰り返したいです。シーズンをいい結果で終えて、3年間最後のレースをいい形で締めくくれたらと思います」

アルバロ・バウティスタ(MotoGP 総合11位)
「長く、とても難しいシーズンの最後にバレンシアに向かいます。最近のレース結果については、あまり話すことはありません。厳しい戦いになることは分かっていますが、いい結果を出してシーズンを終えたいと思います。今シーズンは僕たちのシーズンとは言えませんでした。多くの問題に苦しみましたし、前回のマレーシアGPでは不運に見舞われました。ミスはしなかったのに2周目で巻き込まれて転倒してしまいました。最初のフリー走行のあと、自分たちの状況を見極めようと思います。そして、いつものようにベストを尽くしたいと思います」

スコット・レディング(MotoGP 総合12位)
「マレーシアは難しいコンディションだったので、天候がそれほど難しくはないヨーロッパのサーキットに戻ってくることができてうれしいです。とにかく、今回もまた厳しいバトルになると思いますが、RCV1000R勢のトップでフィニッシュできるようにがんばりたいです。これが今大会の僕たちの目標です。それを達成できたらとてもうれしいです」

青山博一(MotoGP 総合13位)
「2014年最後のレースになりました。ここはとてもいい思い出がある場所です。2009年に250ccのタイトルを獲得しました。また、チームのホームサーキットなので、できる限りいい結果を出してシーズンを終えたいです。 Drive M7 Aspar Teamとの最後のレースにもなりますが、一年間ベストを尽くしてくれた最高のチームに感謝を示したいです。昨年、このマシンでバレンシアを走っているので、最初のセッションからいい状態でスタートすることができます。ここ数週間でとてもいいセットアップを見つけることができたので、今回も高いレベルでパフォーマンスができることを願っています。バレンシアは難しいサーキットですが、とても好きです。ここではファクトリーマシンに近づけると思うので、とても楽しみです」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 総合16位)
「スペインの大観衆の前で行われるシーズン最終戦なので、とても楽しみにしています。すでにタイトルも決定しているし、すべてのライダーが結果を出そうと闘志を燃やしています。このサーキットは大好きなので、とてもワクワクしています。狭くてタイトで、2速で走ることが多いサーキットです。かつてMotoGPのチャンピオンを獲得したのもこのサーキットでした。今週末も完ぺきな状態ではありませんが、いつものように限界までプッシュしたいです。そして満足できる形でシーズンを終えたいです。バレンシアは天候に左右されることが多いのですが、ファンのためにいいパフォーマンスをしたいと思います」

カレル・アブラハム(MotoGP 総合17位)
「ここ数戦、非常に残念なレースが続きました。今大会は、来年のためのウインターテストに向けて、とても重要なレースになるので、いい結果で終えたいです。このところずっと抱えている問題を解決できるように、一生懸命がんばります」

エステベ・ラバト(Moto2 2014チャンピオン)
「チャンピオンシップのプレッシャーもなくバレンシアに向かうことができるのは、とてもうれしいです。今週末はこれまでと違って少しリラックスすることができます。地元ファンの前で、世界チャンピオンとして初めてレースをすることになります。おそらく、信じられない気分だと思います。プレッシャーはほとんどありません。プレッシャーがない分、いままでより速く走れるかもしれません。目標はこれまでと同じです。いつものようにプッシュします。そして、優勝でシーズンを終えられたら完ぺきな一年になります」

ミカ・カリオ(Moto2 総合2位)
「今週末、バレンシアでいい結果を出してシーズンを終えたいと思います。そして、総合2位のままシーズンを終えたいです。今週末、すべてがうまくいけばそれも可能だと思います。バレンシアではこれまでいい結果を出してきました。残り1戦で15ポイントの差はかなりのアドバンテージになります。優勝してシーズンを終えられれば、いい気分のまま長い冬休みに入ることができます。バレンシアは、とりあえず、僕にとってMarc VDS Racing Teamでの最後のレースになるので、非常に重要な戦いになります。表彰台の一番上に上がって、4年間の契約を終えたいです」

マーベリック・ビニャーレス(Moto2 総合3位)
「ここ数戦は、信じられないほどうまくいっています。4レース中、3勝しました。チームも、とてもいい仕事をしてくれました。今回も同じようにがんばって結果を出したいです。さまざまな種類のサーキットで、さまざまな展開のレースを勝ってきたので、今回も優勝できるかもしれません。チームのレベルも高く、スペインのファンの前でまた勝つことができたら最高です。そして、最高の形でMoto2のシーズンを終えられると思います」

中上貴晶(Moto2 総合22位)
「前戦マレーシアGPは転倒リタイアに終わり、残念な結果でした。後半戦に入ってマシンの状態も上向き、ところどころでいい走りができるようになってきたのですが、なかなかそれを結果につなげられません。バレンシアはスペイン選手権時代から走っているサーキットです。今大会はシーズン最終戦なので、いい結果を残してシーズンを締めくくりたいと思います」

長島哲太(Moto2 ノーポイント)
「イギリスGPでケガをしてから約2カ月ぶりの復帰となります。ケガをした足の状態はまだ完全ではありませんが、最終戦に出場できるチャンスをいただいたので、ベストを尽くします。バレンシアはGP参戦が決まって初めて合同テストに参加したサーキットです。初テストからどこまで自分が成長したかを知りたいと思います。体調が100%ではありませんが、シーズン最後のレースなので、全力で挑みます」

アレックス・マルケス(Moto3 総合1位)
「マレーシアは厳しいレースでしたが、ポイントリーダーとしてバレンシアに向かうことが一番重要なことでした。それだけに、マレーシアのように最大限の集中力を維持しなければなりません。また、Moto3クラスでの僕の最後のレースになるので、楽しみたいです。これまでのように優勝へ向けてがんばります。でも、重要なことは自分のレースをして、タイトルを獲得することです」

アレックス・リンス(Moto3 総合3位)
「リカルド・トルモ・サーキットは、曲がりくねっていて低速です。ロングストレートはありますが、スリップストリームは、ほかのサーキットほど重要ではありません。今回のレースは僕にとって、Moto3で最後のレースになるので、特別です。タイトル獲得のチャンスはありませんが、3位を維持できるようにがんばりたいです。そして楽しみたいです」

エフレン・バスケス(Moto3 総合4位)
「シーズン最後のレースです。ここ数戦と同じレベルを維持したいです。僕のキャリアで本当にいい時期を迎えています。一番の目標はレースをハッピーに終えて、来シーズンに挑むことです」