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MotoGP

round 18

SCHEDULE

November 7 2014, PRACTICE MotoGP Gran Premio Generali de la Comunitat Valenciana

バレンシアバレンシアGP

マルケスがトップタイムをマーク。今季13勝目に向けて絶好のスタートを切る

2014年11月7日(金)・1日目フリー走行  会場:バレンシア・サーキット  天候:晴れ  気温:21℃  コースコンディション:ドライ

11月7日(金)、シーズン最終戦となるバレンシアGPの初日は、2年連続でのライダーズタイトルの獲得を決め、ホームグランプリを迎えたマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、1回目、2回目のフリー走行でともにトップタイムをマーク。シーズン13勝目に向けて、絶好のスタートを切りました。午前に行われた最初の走行は、トップのマルケスから1秒差以内に9台という接戦に。風が強くなり、厳しいコンディションとなった午後の走行は、全体的にタイムが伸び悩む中、トップのマルケスから1秒差以内に12台となりました。

  • マルク・マルケスマルク・マルケス
  • マルク・マルケスマルク・マルケス
  • マルク・マルケス(#93)、ニッキー・ヘイデン(#69)マルク・マルケス(#93)、ニッキー・ヘイデン(#69)
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • ステファン・ブラドルステファン・ブラドル
  • アルバロ・バウティスタアルバロ・バウティスタ

昨年の大会でマルケスは、ポールポジションを獲得したものの、タイトルの獲得を優先して3位でフィニッシュしました。チャンピオンを確定させた上で臨む今年の大会では、最高峰クラスで自身初のバレンシアGP制覇と、シーズン最多優勝記録を更新する、13勝目を目指します。

マルケスのチームメートで、今季2勝目を狙うダニ・ペドロサは、午前の走行では4番手。午後の走行では、多くのライダーと同じくタイムを伸ばせず、5番手へとポジションを落としました。そんな中でもタイヤテストに集中し、決勝に向けて着実に準備を進めました。

LCR Honda MotoGPで最後のレースとなるステファン・ブラドルは、マルケスに0.639秒差の8番手。ブラドルと同様に、ひとまずHondaのマシンで最後のレースとなるアルバロ・バウティスタ(GO & FUN Honda Gresini)は、セットアップが進まず16番手と、厳しいスタートになりました。

Hondaの市販レーシングマシン「RCV1000R」勢は、カレル・アブラハム(Cardion AB Motoracing)が17番手、スコット・レディング(GO & FUN Honda Gresini)が18番手、ニッキー・ヘイデン(Drive M7 Aspar)は20番手でした。今大会を前に、HRCとのテストライダー契約を済ませた青山博一(Drive M7 Aspar)は、来年型のオープンマシンであるRCV213V-RSの初テストに挑み、21番手でした。初めて走らせるマシンということで、セットアップに多くの時間を割きました。結果は21番手でしたが、マシンのポテンシャルの高さを実感したというだけに、2日目でのタイムの短縮と、ポジションアップが期待されます。

Moto2クラスは、ヨハン・ザルコ(AirAsia Caterham)がトップタイムをマーク。以下、1秒差以内に14台という接戦になり、トーマス・ルティ(Interwetten Sitag)が2番手、前戦マレーシアGPでライダーズタイトルの獲得を決めたエステベ・ラバト(Marc VDS Racing Team)が3番手と続きました。

総合2位のミカ・カリオ(Marc VDS Racing Team)は4番手。現在2連勝中で、カリオと総合2位を争うマーベリック・ビニャーレス(Paginas Amarillas HP 40)は5番手につけ、注目の選手が上位に並びました。中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)は、セットアップが決まらず24番手。6戦ぶりに復帰の長島哲太(Teluru Team JiR Webike)は、35番手でした。

Moto3クラスは、トップから1秒差以内に19台という大接戦。総合2位のジャック・ミラー(KTM)が2番手、総合首位でタイトル王手のアレックス・マルケス(Estrella Galicia 0,0)が3番手と、タイトルを争う2人が僅差で続き、サーキットに集まったファンを喜ばせました。アレックス・マルケスが、ミラーに11点差をつけて迎えた最終戦。MotoGPクラスを制した兄に続いて、タイトル獲得に期待が集まります。

コメント

マルク・マルケス(MotoGP 1番手)
「初日の走行を終えて、最もよかったことは、マシンの感触です。ファステストタイムで終えられたのは、あまり参考にはなりませんが、最も重要なのはペースがよかったことです。とにかく、いろんなテストに取り組み、前進できました。午後のセッションではタイムを更新できませんでしたが、明日も引き続き、前進していきたいです。僕とホルヘ(ロレンソ、ヤマハ)、ダニ、そしてバレンティーノ(ロッシ、ヤマハ)の4人によって、ポールポジションが争われると思います」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 5番手)
「今日はタイヤのテストに集中しました。特にフロントは、2種類のタイヤを試せました。リアは両セッションともにソフトで走りました。今日の路面コンディションとしては、思ったよりも速く走れました。午後は風があったことで、タイムの更新が少し難しかったです。このサーキットは、ファクトリーマシンとオープンマシンのタイム差があまりないため、セットアップを進めて、決勝に向けていいタイヤの選択をしなければなりません」

ステファン・ブラドル(MotoGP 8番手)
「いいセッティングを見つけるのに苦労しました。午前のセッションでは、高速コーナーへの進入が決まらず、かなり深刻な状態でした。午後にはかなりよくなりましたが、まだ完全ではないので、引き続きセットアップを進める必要があります。しかし、8番手で終えられたことはよかったです。全体的にギャップが小さいので、明日はQ2に進めるように準備を整えなければなりません。もしマシンを調整できれば、もっと速く走ることができます。でも、今日の問題の原因が完全には分かっていないため、明日はそれを究明する必要があります。大変な一日になりそうです」

アルバロ・バウティスタ(MotoGP 16番手)
「これまでのレースと比べて、あまり状況は変わっていません。今日は一生懸命に取り組みましたが、満足のいくものは見つけられませんでした。リアの感触がよくなく、プッシュしようとすると、グリップがなくなります。このようなコンディションで走るのはとても難しいです。明日はセットアップを変えて、引き続きがんばりたいです。改善されることを願います。日曜日の決勝まで、全力でセットアップに取り組みます」

スコット・レディング(MotoGP 18番手)
「今日はかなりいい感触がありました。コースに出て、すぐに快適だと感じました。ラップタイムが安定し、仕事もうまくこなせました。ここまでのところ、かなり満足しています。ブレーキング時に、少しタイムをロスしていますが、これはバンプのせいです。明日に向けて、なにかいい方法を見つけたいです。タイヤに関しては、ハードでもソフトでもいい仕事をしているので、心配はしていません」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 20番手)
「第15戦日本GPから始まった3連戦のあと、今回のバレンシアGPまで、一週間の休みがあったのでよかったです。右手の状態がだいぶよくなりました。このサーキットは、ほかのサーキットと比べて、右手への負担がそれほどありません。しかし、今日は思うようにはいきませんでした。目標は速く、そして強く走ることです。このサーキットは好きなので、明日は前進するために全力を尽くす必要があります。今日はいろいろなセッティングにトライしましたが、旋回性に苦しみました。特に午前中は大変でした。幸い、午後には改善されましたが、もっとよくするにはどうしたらいいか、考えたいです」

青山博一(MotoGP 21番手)
「今日は初めて乗るマシンでした。これまでとはキャラクターの異なるマシンだったので、いろいろと苦労しました。今まで乗っていたマシンとは、エンジンのフィーリングが異なるし、電子制御とのマッチングもうまくいきませんでした。さらに、ギアリングも合わず、それらのセットアップで一日が終わりました。午前の走行を終えて、もう少しパワーが出てた方がいいかと思ったのですが、結果的にうまくいかず、明日に課題を残しました。2日目もニューマシンのセットアップに集中し、パフォーマンスを引き出したいです」

ヨハン・ザルコ(Moto2 1番手)
「順調な一日でした。両セッションともにトップタイムでした。感触がよく、走り出しから快適でした。午後は転倒してしまいましたが、大きな問題ではありません。逆に、マシンのセットアップを進めるための、いいデータを得られました。このペースをキープしたいです。日曜日のために、明日もトップを維持したいです」

トーマス・ルティ(Moto2 2番手)
「路面コンディションがとてもよくて、走り出しから気持ちよく乗れました。グリップもかなりよく、とてもいいペースで快適でした。プッシュもできました。明日が楽しみです。予選ではいいグリッドを獲得したいです。タイヤの選択については、方向性は決まっていますが、まだ取り組み中です」

エステベ・ラバト(Moto2 3番手)
「チャンピオンシップを獲得してから初めて走りましたが、とても気分がよかったです。このサーキットは、ほかのサーキットに比べて、セットアップが難しいと思います。最終コーナーでは、少しスライドしていたので、明日は改善したいです。とにかく、一歩一歩前進して、限界まで進めたいです。バレンシアは雰囲気がよくて、すばらしいサーキットです。明日はもう少し前進できるようにがんばります」

中上貴晶(Moto2 24番手)
「かなり厳しいスタートになりました。FP1は原因不明のトラブルがリア周りに出て、普通に走ることができませんでした。その問題は午後には解決しましたが、フロント、リアともにブレーキングの初期のフィーリングがつかめず、チャタリングも出て、攻めの走りができませんでした。今日はウインターテストのときよりも1秒以上遅く、現在、いろいろとチェックしています。タイヤもコンディションもウインターテストのときとは違うので、そのままでは比べられませんが、明日の走行の参考にしたいです」

長島哲太(Moto2 35番手)
「思っていたよりも乗れました。しかし、右足のけい骨がまだ完全ではないので、マシンが振られたりすると痛みがあります。今日は感覚をつかむために、痛め止めを打ちませんでした。そのため、ハイサイドで2度ほど振られて、とても痛い思いをしました。マシンは、予想以上にフィーリングがよく、攻めの走りができました。明日も着実に走りたいと思います」

アレックス・マルケス(Moto3 3番手)
「とてもいい仕事ができたので、すごくうれしいです。小さくても、常に前進できるようにセットアップに力を注ぎました。午前中は路面温度が低くて大変でしたが、午後はコンディションが改善されました。風が強くて簡単ではありませんでしたが、とてもいい感触でした。快適に走れましたし、何度も限界まで攻められました。明日に向けて自信がつきました」

アレックス・リンス(Moto3 7番手)
「今日はかなりうまくいきました。いいフィーリングでした。このチームとの最後のレースになるので、いい結果を残したいです。しかし、勝たなければならないというプレッシャーがなくなり、落ち着いて走れると思います。最初のプラクティスはコンディションがあまりよくなかったので、速く走るのが難しかったです。2回目のセッションではそれが改善され、グリップがあったので快適に走れました。新品のタイヤでは、最初からいいペースをつかめました。ただ、ソフトコンパウンドを使ったときの速さが足りなかったかもしれません」

1日目フリー走行リザルト

MotoGP
順位 No. ライダー マシン F/O タイム/差
193マルク・マルケスHondaF1'31.296
299J.ロレンソヤマハF+0.193
34A.ドヴィツィオーゾドゥカティF+0.262
441A.エスパルガロFORWARD YAMAHAO+0.269
526ダニ・ペドロサHondaF+0.351
635C.クラッチロードゥカティF+0.435
746V.ロッシヤマハF+0.471
86ステファン・ブラドルHondaF+0.639
944P.エスパルガロヤマハF+0.717
1038B.スミスヤマハF+0.723
118H.バルベラドゥカティO+0.857
1251M.ピロドゥカティF+0.971
1329A.イアンノーネドゥカティF+1.190
1415A.デ・アンジェリスFORWARD YAMAHAO+1.266
1568Y.ヘルナンデスドゥカティF+1.393
1619アルバロ・バウティスタHondaF+1.415
1717カレル・アブラハムHondaO+1.429
1845スコット・レディングHondaO+1.475
1914R.デ・ピュニエスズキF+1.503
2069ニッキー・ヘイデンHondaO+2.138
217青山博一HondaO+2.140
229D.ペトルッチARTO+2.208
2370M.ラバティPBMO+2.441
2423B.パークスPBMO+2.810
2563M.ディ・ミリオAVINTIAO+3.692

※F=ファクトリーオプション、O=オープンカテゴリー

Moto2
順位 No. ライダー マシン タイム/差
15ヨハン・ザルコCATERHAM SUTER1'35.264
212トーマス・ルティSUTER+0.100
353エステベ・ラバトKALEX+0.340
436ミカ・カリオKALEX+0.591
540マーベリック・ビニャーレスKALEX+0.655
677ドミニク・エージャーターSUTER+0.714
721フランコ・モルビデリKALEX+0.765
839ルイス・サロムKALEX+0.774
911サンドロ・コルテセKALEX+0.824
1095アンソニー・ウエストSPEED UP+0.847
1149アクセル・ポンスKALEX+0.879
1222サム・ロースSPEED UP+0.940
137ロレンソ・バルダッサーリSUTER+0.962
1460フリアン・シモンKALEX+0.998
1594ジョナス・フォルガーKALEX+1.136
1619ザビエル・シメオンSUTER+1.181
1790ルカス・マヒアスTRANSFIORMERS+1.206
1881ジョルディ・トレースSUTER+1.228
1923マルセル・シュローターTECH 3+1.245
2014ラタパーク・ウィライローCATERHAM SUTER+1.309
2154マティア・パシーニKALEX+1.311
2296ルイス・ロッシKALEX+1.326
2388リカルド・カルダスTECH 3+1.390
2430中上貴晶KALEX+1.458
2555ハフィズ・シャーリンKALEX+1.587
2618ニコラス・テロールSUTER+1.589
2797ロマン・ラモスSPEED UP+1.958
284ランディ・クルメンナッハSUTER+1.962
2920フロリアン・マリーノKALEX+1.974
308ジノ・レイSUTER+2.067
3125アズラン・シャー・カマルザマンKALEX+2.318
3244ロベルト・ロルフォSUTER+2.342
3310ティティポン・ワロコーンKALEX+2.487
3470ロビン・マルホウザーSUTER+2.542
3545長島哲太NTS+2.705
Moto3
順位 No. ライダー マシン タイム/差
123N.アントネッリKTM1'39.647
28J.ミラーKTM+0.201
312アレックス・マルケスHonda+0.269
433E.バスティアニーニKTM+0.273
516A.ミグノマヒンドラ+0.308
65R.フェナティKTM+0.321
742アレックス・リンスHonda+0.380
841B.バインダーマヒンドラ+0.388
917ジョン・マクフィーHonda+0.409
107エフレン・バスケスHonda+0.473
1132I.ビニャーレスKTM+0.487
1221F.バグナイアKTM+0.679
1358J.ゲバラKALEX KTM+0.696
1444M.オリベイラマヒンドラ+0.791
1563ズルファミ・カイルディンHonda+0.822
1699J.ナバーロKALEX KTM+0.856
1798K.ハニカKTM+0.884
1813J.イウェママヒンドラ+0.989
1952D.ケントハスクバーナ+0.992
2019A.トヌッチマヒンドラ+1.060
2131N.アジョハスクバーナ+1.121
2210アレックス・マスボーHonda+1.180
2391G.ロドリゴKTM+1.309
2484J.コーンフェールKTM+1.571
2538H.アーズミーKTM+1.611
263M.フェラーリマヒンドラ+1.677
2743L.グリュンヴァルトKALEX KTM+1.756
2814 A.アレナスKTM+2.150
2955A.ロカテッリマヒンドラ+2.335
306マリア・エレーラHonda+2.463
3165P.エッテルKALEX KTM+2.484
329S.デウルKALEX KTM+2.597
334G.ラモスKALEX KTM+2.968
3495J.ダニーロマヒンドラ+3.448