大接戦となった予選でマルケスが4番手、ペドロサが5番手。Repsol Honda Teamの2人が2列目から決勝に挑む

2014年9月13日(土)・予選　　会場：ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリ　　天候：晴れ　　気温：24℃
コースコンディション：ドライ

9月13日(土)、前日の雨から一転、ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリは、終日青空が広がりました。最高気温は24℃ながら、強い日差しのために、真夏の陽気。タイトなコーナーが連続するため、毎年大接戦となる同サーキットは、一周4.226kmです。今年もフリー走行、予選と激しい戦いが展開されました。過去3年連続でHonda勢が手にしているポールポジション(PP)を、今年はヤマハのホルヘ・ロレンソが獲得。それでも、PPと4番手のマルク・マルケス(Repsol Honda Team)との差は、0.122秒、5番手のペドロサとは0.180秒というわずかの差でした。

• マルク・マルケス
• マルク・マルケス
• マルク・マルケス
• ダニ・ペドロサ
• マルク・マルケス
• ステファン・ブラドル
• アルバロ・バウティスタ

その激しい戦いでマルケスは、昨年の第6戦カタルニアGPの予選6番手以来、25戦ぶりにフロントローを逃す悔しい結果となりました。昨年の大会では、サーキットベストタイムを更新する、1分32秒915でPPを獲得したマルケス。今年はフリー走行が行われた12日(金)が雨で、路面コンディションがあまりよくなかったために、セットアップを詰めきれませんでした。昨年の自らのベストタイムに約0.4秒届かなかったマルケスは、その原因を追及、決勝日のウォームアップでセットアップを前進させる意気込みです。決勝では、今季12勝目と12度目の表彰台登壇を狙います。

チームメートのダニ・ペドロサもまた、予選で完ぺきな走りはできませんでした。予選前の4回目のフリー走行では4番手でしたが、優勝を狙えるアベレージで周回を重ねました。その走りを予選で発揮できなかったと悔しがるペドロサは、サンマリノGPでは2010年以来、4年ぶりの優勝を狙います。またRepsol Honda Teamとしては、今季4度目の1-2フィニッシュを目指します。

チームのホームグランプリに闘志満々のステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)は、午前のフリー走行で、セッティングの方向性がうまく決まらず11番手。そのため午後の予選では、フリー走行の総合11番手以下の選手たちによるQ1に出場することになりました。このセッションでは2番手につけましたが、進出したQ2では最後のアタックで転倒を喫し、10番手に終わりました。転倒がなければ2列目に並べるタイムをマークする可能性のあったブラドルは、決勝では4列目から追い上げに挑みます。

この数戦、苦しんでいるアルバロ・バウティスタ(GO & FUN Honda Gresini)は、今大会もタイヤのグリップ不足に悩まされ12番手でした。なかなか改善しない状況に焦燥感を募らせていますが、チームのホームグランプリだけに、決勝ではブラドルとともに追い上げのレースを展開するつもりです。

Hondaの市販レーシングマシン「RCV1000R」で出場のスコット・レディング(GO & FUN Honda Gresini)は、フロントのセッティングが決まらず、2度の転倒を喫して14番手。同様に、セットアップに苦しんだ青山博一(Drive M7 Aspar)は、予選でタイムを更新し、15番手から決勝に挑みます。ニッキー・ヘイデン(Drive M7 Aspar)の代役で出場のレオン・キャミアは、順調にセットアップを進めて16番手。フリー走行で転倒を喫したカレル・アブラハム(Cardion AB Motoracing)は17番手でした。明日の決勝では、RCV1000Rに乗る4選手の走りにも注目です。

接戦が続くMoto2クラスは、総合2位のミカ・カリオ(Marc VDS Racing Team)が、今季3度目のPPを獲得。総合首位のエステベ・ラバト(Marc VDS Racing Team)が、わずか0.067秒差の2番手と、タイトル争いを繰り広げる2人の熱い戦いに注目が集まりました。そして3番手にはトーマス・ルティ(Interwetten Paddock Moto2)が入り、カリオからルティまではわずか0.071秒差です。以下、トップから1秒差に17台がひしめき合い、総合3位のマーベリック・ビニャーレス(Paginas Amarillas HP 40)が4番手、中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)は8番手から決勝に挑みます。

Moto3クラスは、ジャック・ミラー(KTM)が今季7度目のPPを獲得。以下、1秒差以内に12台という接戦になり、総合3位のアレックス・リンス(Estrella Galicia 0,0)が3番手、総合2位のアレックス・マルケス(Estrella Galicia 0,0)が僅差の4番手と続き、総合4位のエフレン・バスケス(SaxoPrint-RTG)は9番手でした。今大会も大集団による優勝争いが予想されますが、特に、大会2連覇を狙うリンスと、サンマリノGP初勝利を狙うアレックス・マルケスの対決に注目が集まっています。

決勝日は晴れの予報。熱くて厳しい戦いが予想される中、Honda勢の活躍に注目です。

コメント

マルク・マルケス(MotoGP 4番手)
「今シーズン初めてフロントローを逃しました。まだ、このサーキットを攻略するための、ベストのセッティングを見つけられていないのだと思います。しかし、明日の朝のウォームアップがまだあるので、セットアップを進められるようにがんばらなければなりません。予選では、グリッドのポジションよりも、マシンを改善することに集中しました。レースに向けてマシンの状態がかなりよくなったので、とてもよかったです。明日は表彰台を獲得するために全力で挑まなければなりません」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 5番手)
「今日はとてもいいフィーリングでしたが、それを予選グリッドに反映できませんでした。タイムはとても接近しています。2列目からのスタートなので、明日はいいスタートを決めなければなりません。フロントタイヤの選択が決勝において重要なカギを握っています。とても長いレースですので、しっかり力を出しきらなければなりません」

ステファン・ブラドル(MotoGP 10番手)
「今日は忙しい一日でした。午前のフリー走行では、その前日からあまりにも多くの変更を加えすぎたのが原因で、自分の走りができませんでした。その結果、Q1から走らなければなりませんでした。残念なことに、今日はアタックの周回にスローコーナーで軽い転倒をしてしまいました。それがなければ5〜6番手には入れたと思います。10番グリッドからのスタートに不安はありません」

アルバロ・バウティスタ(MotoGP 12番手)
「今日はよくない一日でした。これまでと同じように、タイヤの接地感がなく、午前のフリー走行から厳しい走りを強いられました。FP4では、異なるセットアップを試しましたが、予選では元のセッティングに戻しました。とにかく、ブレーキングでしっかり止まれず、なにをやっても攻めの走りができませんでした。前戦イギリスGPでは、一発のアタックはダメでしたが、連続での周回はそれほど悪くありませんでした。明日は、そういうレースができることを願っています」

スコット・レディング(MotoGP 14番手)
「今日は思うように走れませんでした。特にフロントのフィーリングがよくなくて、それが原因で2度も転倒してしまいました。ブレーキングからコーナーに進入していく段階でフロントの接地感が足りず、その解決に全力を注ぎました。きっと、今日は間違った方向にセッティングが進んだのだと思います。今日の転倒の原因をしっかり突き止めて、明日の決勝に挑みたいです」

青山博一(MotoGP 15番手)
「午前中のフリー走行では、フィーリングは悪くなかったのですが、午後のフリー走行に向けてセッティングを変えたところ、気持ちよく走れなくなりました。しかし、予選に向けてさらにセットアップを変更すると、それがよくて、思いのほかタイムを上げられました。今日は、タイヤのテストができませんでした。フロントもリアもタイヤの選択は決まりましたが、周回を重ねたときの変化が分からないので、ちょっと不安です。明日はスタートを決めて、トップ10を狙いたいです」

レオン・キャミア(MotoGP 16番手)
「午後の予選はとても楽しく乗れましたし、今日の結果には満足しています。今日は、多くのリスクを冒すことなく、ライディングに集中できました。昨日に比べれば格段によくなりましたし、とても快適でした。予選ではFP4から0.3秒短縮しましたが、コース終盤のセクションでロスしていました。この区間では何度もフロントの接地感を失いそうになったため、慎重に走りました。明日に向けて、もう少しセットアップを進めなければなりませんが、今日はとてもいい一日でした」

カレル・アブラハム(MotoGP 17番手)
「金曜日に続き、今日もFP4で転倒してしまいました。ほかのライダーたちの転倒と同じように、突然フロントのグリップを失いました。その原因を追及しなければなりません。さらに予選でも不運が続き、いいラップを刻んでいたのですが、10コーナーで飛び出してしまいました。その後のアタックも完ぺきではありませんでした。しかし、自分と同じマシンに乗っているライバルたちとは、タイムはそれほど離れていません。明日は彼らといいレースができると思います」

ミカ・カリオ(Moto2 ポールポジション)
「昨年より速いタイムで走れました。ミサノは得意とするサーキットではないので、今日のポールポジション獲得はとても自信になりました。ポールポジションを獲得するのは大変でした。特にトップ5はとても接近していますし、明日の決勝は厳しいレースになると思います。今日は予選が始まったときから気持ちよく乗れていました。新品のタイヤに替えてアタックしたときは、フロントブレーキに問題があり、時間をロスするのが嫌だったので、中古のフロントタイヤにチェンジして走行しました。このときの走行でブレーキの違和感がなくなり、残り10分で再びホイールを入れ替えてアタックしました」

エステベ・ラバト(Moto2 2番手)
「フロントローに並べてよかったです。しかし、ミカ(カリオ)が自分よりもタイムを出したので、あまり喜べませんでした。今日は、マシンに若干の問題を抱えていました。それを解消するために、チームはいい仕事をしてくれました。予選はトップ10が大混戦だったので、明日の決勝も厳しい戦いになると思います。優勝を目指して全力で挑みます」

トーマス・ルティ(Moto2 3番手)
「今大会はいいペースで走れていますし、フロントローに並べたので、明日の決勝レースがとても楽しみです。昨日のウエットコンディションから、すでにいいフィーリングでした。今日はドライコンディションでしたが、走り出しから気持ちよく乗れました。明日に向けていい状態にできたので、とてもうれしいです」

中上貴晶(Moto2 8番手)
「まだフロントのフィーリングが完全ではありませんが、大接戦の中で8番手にポジションを上げられました。昨日は雨の中で周回を重ねて、いろいろなデータを得ることに成功しました。しかし、今日は青空が広がり、明日も晴れの予報です。昨日もドライで走れればよかったです。明日の決勝に向けて、フロントのフィーリングをもう少し改善して、決勝に挑みたいです。予選の終盤に、新品のタイヤでポジションを上げられました。こうして、一発のアタックでタイムが出せるようになってきたことはいいことです。明日は少しでも上のポジションでフィニッシュできるようにがんばります」

アレックス・リンス(Moto3 3番手)
「今日はマシンの状態がよく、快適に乗れました。予選では、いいラップタイムで周回できましたし、僕のスリップを使って、よりいいタイムを出した選手も多かったと思います。しかし、重要なのは単独でどこまでタイムを上げていけるかであり、その点では満足しています。明日も集団での走りになると思います。その集団の数を減らすために、序盤からペースを上げていくつもりです。明日はいいレースにしたいです」

アレックス・マルケス(Moto3 4番手)
「今日は楽しい一日でした。午前も午後もドライで走れたことで、セットアップが進みました。今日は午前中から着実にタイムを上げられましたし、午後の予選でもそれは同じでした。なにもかもが順調でしたが、セッション終盤に転倒してしまったので、ポールポジションを狙うのはあきらめました。明日のウォームアップで、もう少しマシンのセットアップを進めて、自分のライディングに合った走りができるようにしたいです」

エフレン・バスケス(Moto3 9番手)
「セッション終盤に転倒しましたが、ピットに戻ることはできました。そして、マシンの修理を行い、再度コースインしてグリッドを上げようと思いましたが、クリアラップがなかなか取れず3列目がやっとでした。しかし、マシンの状態はいいので、明日のウォームアップでセットアップを進めたいです。決勝ではいい走りができるようにがんばります」

予選リザルト

※F＝ファクトリーオプション、O＝オープンカテゴリー