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MotoGP

round 01

SCHEDULE

March 22 2014, QUALIFYING MotoGP Commercial Bank Grand Prix of Qatar

カタールカタールGP

マルケスがポールポジションを獲得し、連覇に向けて好スタートを切る
バウティスタも2番手と好調をキープ

2014年3月22日(土)・予選  会場:ロサイル・インターナショナル・サーキット  天候:曇り  気温:21℃
コースコンディション:ドライ

開幕戦カタールGPの予選は、フリー走行で着実にタイムを短縮し、5番手までポジションを上げたマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、予選に先立つフリー走行で2番手に浮上、その後の予選で、見事にトップタイムをマークしてポールポジション(PP)を獲得しました。

  • マルク・マルケスマルク・マルケス
  • マルク・マルケスマルク・マルケス
  • アルバロ・バウティスタアルバロ・バウティスタ
  • アルバロ・バウティスタアルバロ・バウティスタ
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • ステファン・ブラドルステファン・ブラドル
  • ニッキー・ヘイデンニッキー・ヘイデン

セッションをこなすごとに、負傷中の右足がしっかり機能するようになっていったマルケス。前日のフリー走行を終えたときに「明日のフリー走行と予選は、もっといい走りができるはずです」と語っており、予選ではその言葉通り、ラップタイムの短縮に成功しました。2番手だったフリー走行では、ブラッドリー・スミス(ヤマハ)にトップの座を譲りましたが、予選ではアタックするごとにタイムを短縮して、ライバルを圧倒しました。

マルケスは2月の中旬、トレーニング中にケガをして、2回目のマレーシアテストと3回目のオーストラリアテストに参加できませんでした。そのため、テスト不足と、ケガをした右足腓骨(ひこつ)の状態に不安を抱えての開幕戦となりましたが、チャンピオンらしい走りでPPを獲得しました。

2番手には、アルバロ・バウティスタ(GO & FUN Honda Gresini)が続きました。今大会は、初日に2番手、2日目に3番手と、好調な走りをみせていました。予選でも好調は続き、セッション終盤にはトップに浮上しましたが、マルケスに逆転されてPPを逃しました。しかし、開幕戦でフロントローを獲得して満面の笑み。優勝争いと表彰台獲得に期待が高まります。

今大会、12台が出場した「予選2」は、トップのマルケスから12番手までが0.645秒差というデッドヒートとなりました。その大接戦の中で、ダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が6番手、ステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)が7番手と、RC213Vを駆って出場するHonda勢の4台が、7番手までに名前を連ねる好走となりました。

予選前のフリー走行で4番手となり、PP争いが期待されたペドロサは、着実にセットアップを進めて僅差の中で6番手に。ソフトタイヤのアタックが課題になっていたブラドルは、予選で今大会の自己ベストをマークして7番手につけました。フロントローに並んだマルケスとバウティスタ、2列目から決勝に挑むペドロサ、そして3列目から決勝に挑むブラドルは、開幕戦での勝利と表彰台を目指します。

市販レーシングマシンのRCV1000Rで出場するニッキー・ヘイデン(Drive M7 Aspar)は、フリー走行の総合11番手以下の選手で行われる「予選1」で3番手。「予選2」進出にあと一歩届かず、13番グリッドが確定しました。しかし、走るごとにRCV1000Rのポテンシャルを引き出していただけに、決勝ではシングルフィニッシュが期待されます。チームメートの青山博一も3日間のベストタイムを刻んで15番手。本人が「最後のアタックは3周の予定でした。あと一周走れれば、もっといいタイムが出せました」と語る、悔しい予選となりましたが、ヘイデンとともに、調子を上げていることを感じさせました。

スコット・レディング(GO & FUN Honda Gresini)も3日間のベストタイムを刻んで16番手。カレル・アブラハム(Cardion AB Motoracing)も1分56秒台までタイムを上げ、18番手でした。

Moto2クラスは、フリー走行で好調だったエステベ・ラバト(Marc VDS Racing Team)が快調にラップを刻んで開幕PPを獲得しました。この日は風が強く、決していいコンディションではありませんでしたが、サーキットベストタイムを更新するすばらしい走りをみせました。

2番手には、0.02秒差でサンドロ・コルテセ(Dynavolt Intact GP)が続きましたが、セッション終盤に転倒、左足を負傷したため、決勝日にドクターのチェックを受けて、出場を決めることになります。

フリー走行でトップタイムをマークした中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)は、セッティングの変更がうまくいかず、強風の影響もあり、思うようにタイムを伸ばせませんでした。しかし、最低限の目標だったフロントローを獲得。決勝では念願の初優勝を狙います。

2013年シーズンから大接戦が続くMoto2クラスは、今大会もトップから1秒差以内に15台という、接戦になりました。なお、ルーキーの長島哲太(Teluru Team JiR Webike)は、タイムを更新しましたが、34番手からレースに挑むことになります。

Moto3クラスは、フリー走行で2番手と好調な走りをみせたアレックス・リンス(Estrella Galicia 0,0)が開幕PPを獲得。フリー走行で3番手だったアレックス・マルケス(Estrella Galicia 0,0)が僅差で続き、Honda勢が1-2と好スタートを切りました。今年のHondaはニューエンジンを3チーム6台に投入。開幕戦からすばらしいパフォーマンスを発揮しました。

コメント

マルク・マルケス(MotoGP ポールポジション)
「ポールポジションを獲得できて、とてもうれしいです。このポールポジションは特別です。ケガからの復帰戦でしたので、自信につながりました。とにかく、明日が本番ですので、決勝に向けて集中しなければなりません。日ごとに回復してはいますが、足にあまり力が入らないため、体力的には、とても厳しいレースになると思います。足に力が入らない分を、腕で補わなければなりません。今日の走りには満足しています。いいセットアップを見つけられました。あとは明日のウォームアップで少し微調整をするだけです。たくさんのライダーたちが、わずかのタイム差でひしめき合っており、厳しい戦いになると思います。明日は大変ですが、いいレースができるように全力を尽くします」

アルバロ・バウティスタ(MotoGP 2番手)
「今日の2番手は、自分にとってポールポジションを獲得したのと同じような気持ちです。今大会はレースウイークを通じて、ここまで一度も不安を感じたことがなく、どのセッションでもトップグループで戦えました。今日はポールポジションを逃しましたが、マルケスが速かったですし、仕方ありません。明日は厳しいレースになると思いますが、いいレースができることを願っています。とにかく、トップグループでの戦いに加わり、表彰台を目指します」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 6番手)
「今日の予選は本当に接戦でした。特に終盤は厳しい戦いになりました。予選は6番手でしたが、いいペースです。セッションでは、速いラップタイムを出すことができました。しかし、本当にわずかの差で6番手でした。厳しい戦いになるため、引き続きがんばっていかなければなりません。ここまでやってきた仕事を信じて、今年の開幕戦となる明日のレースで、全力を尽くしたいと思います」

ステファン・ブラドル(MotoGP 7番手)
「今日は前のライダーたちとのギャップを縮めることができました。これはとてもポジティブなことです。予選は接戦でした。たくさんのライダーたちが同じようなペースでした。目標は2列目でしたが、本当にちょっとした差で3列目になってしまいました。しかし、トップとそれほど離れていません。新しいルールのため、(バレンティーノ)ロッシ(ヤマハ)や(ホルヘ)ロレンソ(ヤマハ)、ペドロサが私と同じようなペースで走っていますので、トップは大集団になり、おもしろいレースになると思います。明日のレースは、どうなるか全く分かりません」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 13番手)
「今日は、タイムを1分55秒台まで上げられるとは思っていませんでしたので、うれしいです。しかし、そのタイムでも予選2に進出することができませんでした。シーズン最初のレースですので、少しでもいいグリッドから決勝に挑みたかったのですが、初めてのマシンのため、今日の結果には満足したいです。明日の決勝は、いいスタートを切って、22周をハイペースで走りたいと思います。この3日間、自分のマシンのことしか見ていなかったので、明日の決勝は、ライバルたちとどういうレースができるのか楽しみにしています」

青山博一(MotoGP 15番手)
「昨日のデータをもとにセットアップを変更してフリー走行に挑み、タイムを更新しました。予選でもタイムを短縮できましたし、いい方向に向かっていると思います。予選では、最後のアタックで3周する予定だったのですが、ちょっとした差でチェッカーにひっかかり、2周しか走れませんでした。それでも、56秒台が出ましたし、満足しています。カタールの事前テストから苦しんでいた旋回性も、ソフトのタイヤを履くことでいい方向にいきました。それだけに、最後のアタックであと一周できていればと思います」

スコット・レディング(MotoGP 16番手)
「今日はとても前進しましたし、満足のいく一日でした。ただ、予選セッションでは、電気系のトラブルでスローダウンしなくてはならず、それが残念でした。エンジンが息切れするような感じになったため、仕方なくピットに戻り、セカンドマシンでアタックしなければなりませんでした。幸いなことに、セカンドマシンの方がフィーリングがよく、明日の決勝もセカンドマシンで挑もうと思います。明日はポイント獲得を目指します」

エステベ・ラバト(Moto2 ポールポジション)
「新しいチームでの最初のレースで、ポールポジションを獲得できてとてもうれしいです。最初のフリー走行では、リアタイヤのグリップが不足していましたが、みんなでこの問題に取り組み、状況を改善させることができました。そのおかげでポールポジションを獲得できました。感触はとてもいいのですが、決勝はこれからです。レースの戦略を決める前に、明日のウォームアップでしっかり確認したいと思います」

中上貴晶(Moto2 3番手)
「昨日から今日にかけてセッティングを変えたのですが、昨日よりも風が強く、ストレートでは完全に向かい風になったことが、タイムに影響しました。セッションを通してフィーリングがよくなく、タイムも想定していたより遅くて残念でした。そんな状態でも、なんとかフロントローに並べたのでよかったと思います。明日の決勝は、かなりのハイペースになると思いますが、昨年の反省をしっかり生かして、優勝争いに加わりたいです」

長島哲太(Moto2 34番手)
「昨日よりもよくなり、タイムも上げられたのですが、最後のアタックはミスばかりで、うまくまとめることができませんでした。コーナー入り口のチャタリングと出口のスライドはだいぶんよくなりましたが、どういうわけか最高速が遅く、それがタイムロスの一つの原因になりました。それをしっかり解明し、明日のウォームアップでさらにタイムを詰めて、決勝に挑みたいと思っています」

アレックス・リンス(Moto3 ポールポジション)
「今シーズン最初のレースでポールポジションを獲得できて、とてもうれしいです。みんな、一生懸命がんばってくれました。特にHRCには感謝したいです。今日は向かい風が強く、しかも単独で走っていました。もしだれかが前にいれば、もっと楽にタイムを出せたかもしれません。それだけに、うれしいポールポジションでした。あとは明日の決勝を待つのみです。6人か7人のトップグループになると思います。大変なレースになると思いますし、逃げきるのは難しいですね。レースは残り3周で決まると思います」

アレックス・マルケス(Moto3 2番手)
「いいポジションを獲得することができました。昨日の問題を解決しましたし、まだまだ、改善できるところがあります。マシンの感触には満足しています。ペースもいいです。開幕戦をフロントローから挑めるのでとても楽しみにしています。予選は決して簡単ではありませんでした。明日の決勝では表彰台に立てるよう、全力を尽くします」

予選リザルト

MotoGP
順位 No. ライダー マシン F/O タイム
193マルク・マルケスHondaF1:54.507
219アルバロ・バウティスタHondaF1:54.564
338B.スミスヤマハF1:54.601
44A.ドヴィツィオーゾドゥカティ F1:54.644
599J.ロレンソヤマハF1:54.661
626ダニ・ペドロサHondaF1:54.703
76ステファン・ブラドルHondaF1:54.871
835C.クラッチロードゥカティ F1:54.888
941A.エスパルガロFORWARD YAMAHAO1:54.986
1046V.ロッシヤマハ F1:55.096
1129A.イアンノーネドゥカティ F1:55.127
1244P.エスパルガロヤマハF1:55.152
1369ニッキー・ヘイデンHondaO1:55.894
145C.エドワーズFORWARD YAMAHAO1:56.042
157青山博一HondaO1:56.479
1645スコット・レディングHondaO1:56.555
1768Y.ヘルナンデスドゥカティ F1:56.648
1817カレル・アブラハムHondaO1:56.715
198H.バルベラAVINTIAO1:57.006
209D.ペトルッチARTO1:57.513
2123B.パークスPBMO1:57.574
2263M.ディ・ミリオAVINTIAO1:57.667
2370M.ラバティPBMO1:58.254

※F=ファクトリーオプション、O=オープンカテゴリー

Moto2
順位 No. ライダー マシン タイム/差
153エステベ・ラバトKALEX2:00.081
211サンドロ・コルテセKALEX+0.020
330中上貴晶KALEX+0.370
412トーマス・ルティSUTER+0.378
522サム・ロースSPEED UP+0.466
636ミカ・カリオKALEX+0.540
719ザビエル・シメオンSUTER+0.615
815アレックス・デ・アンジェリスSUTER+0.683
95ヨハン・ザルコCATERHAM SUTER+0.725
103シモーネ・コルシFORWARD KLX+0.750
1177ドミニク・エージャーターSUTER+0.829
1254マティア・パシーニFORWARD KLX+0.833
1323マルセル・シュローターTECH 3+0.923
1440マーベリック・ビニャーレスKALEX+0.951
1594ジョナス・フォルガーKALEX+0.964
1681ジョルディ・トレースSUTER+1.030
1739ルイス・サロムKALEX+1.043
1888リカルド・カルダスTECH 3+1.104
1960フリアン・シモンKALEX+1.109
2096ルイス・ロッシKALEX+1.196
2118ニコラス・テロールSUTER+1.238
224ランディ・クルメンナッハSUTER+1.253
237ロレンソ・バルダッサーリSUTER+1.350
248ジノ・レイSUTER+1.488
2549アクセル・ポンスKALEX+1.528
2695アンソニー・ウエストSPEED UP+1.651
272ジョシュ・ヘリンCATERHAM SUTER+2.177
2825アズラン・シャー・カマルザマンKALEX+2.274
2921フランコ・モルビデリKALEX+2.314
3055ハフィズ・シャーリンKALEX+2.392
3197ロマン・ラモスSPEED UP+2.595
3210ティティポン・ワロコーンKALEX+3.248
3398マシェル・アリ・ナイミSPEED UP+3.867
3445長島哲太TSR+3.955
3570ロビン・マルホウザーSUTER+4.066
Moto3
順位 No. ライダー マシン タイム/差
142アレックス・リンスHonda2:05.973
212アレックス・マルケスHonda+0.152
38J.ミラーKTM+0.392
484J.コーンフェールKTM+0.542
532I.ビニャーレスKTM+0.870
652D.ケントハスクバーナ+0.891
717ジョン・マクフィーHonda+1.140
85R.フェナティKTM+1.153
923N.アントネッリKTM+1.232
1021F.バグナイアKTM+1.285
1144M.オリベイラマヒンドラ+1.300
1257E.グラナドKTM+1.346
1358J.ゲバラKALEX KTM+1.381
1410アレックス・マスボーHonda+1.482
157エフレン・バスケスHonda+1.586
1631N.アジョハスクバーナ+1.591
1741B.バインダーマヒンドラ+1.871
189S.デウルKALEX KTM+2.087
1998K.ハニカKTM+2.136
2011L.ロイKALEX KTM+2.204
2133E.バスティアニーニKTM+2.282
2265P.エッテルKALEX KTM+2.482
2363ズルファミ・カイルディンHonda+2.723
2443L.グリュンヴァルトKALEX KTM+3.007
2522A.カラスコKALEX KTM+3.111
263M.フェラーリマヒンドラ+3.210
2751B.スホーテンマヒンドラ+3.220
2819A.トヌッチマヒンドラ+3.253
2961A.シシスマヒンドラ+3.384
3038H.アーズミーKTM+3.510
3155A.ロカテッリマヒンドラ+3.602
3295J.ダニーロマヒンドラ+4.327
334G.ラモスKALEX KTM+6.146