モータースポーツ > ロードレース世界選手権 > 第1戦 カタールGP > 2日目フリー走行

MotoGP

round 01

SCHEDULE

March 21 2014, PRACTICE MotoGP Commercial Bank Grand Prix of Qatar

カタールカタールGP

バウティスタが好調をキープして3番手。マルケスは5番手にポジションを上げる

2014年3月21日(金)・2日目フリー走行  会場:ロサイル・インターナショナル・サーキット  天候:晴れ、ときどき曇り
気温:26℃  コースコンディション:ドライ

開幕戦カタールGPの2日目フリー走行は、アルバロ・バウティスタ(GO & FUN Honda Gresini)がタイムを更新して3番手。初日のポジションを一つ落としましたが、好調をキープしました。2日目は2回のセッションが行われ、バウティスタは着実にタイムを更新しました。Honda勢は初日に続いて2日目も苦戦を強いられました。しかし、その中でバウティスタは事前テストの成果をしっかり発揮し、予選、決勝に期待をつなげました。

  • アルバロ・バウティスタアルバロ・バウティスタ
  • マルク・マルケスマルク・マルケス
  • マルク・マルケスマルク・マルケス
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • ダニ・ペドロサ(#26)、マルク・マルケス(#93)ダニ・ペドロサ(#26)、マルク・マルケス(#93)
  • ステファン・ブラドルステファン・ブラドル
  • ニッキー・ヘイデン(#69)、スコット・レディング(#45)ニッキー・ヘイデン(#69)、スコット・レディング(#45)

シーズンオフにおけるトレーニング中のケガからの復帰戦となった2013年チャンピオンのマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、足の状態を確認しながらの走行となり、初日は11番手という結果でした。しかし、2日目は大きくタイムを更新し、5番手に浮上。2013年のカタールGPを振り返ると、マルケスはルーキーながらフリー走行でトップにつけていました。それに比べると決していい状態とはいえませんが、「まだまだ改善の余地はある」とさらなる快走に期待をつなぎます。

初日6番手のダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は8番手へとポジションを落としましたが、決勝に向けてのセットアップに集中しました。この日はいろいろなことにトライし、前進するためのデータ取りを行いました。ロサイル・インターナショナル・サーキットで事前テストを行っていないRepsol Honda Teamの2人は、初日、2日目となかなかトップ争いに加われませんでしたが、セッションをこなすごとに上位勢とのタイムを短縮しており、土曜日の予選ではポールポジション(PP)争いに参加することが望まれます。

ステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)は、初日12番手から2日目9番手へとポジションを上げました。事前テストから、ソフトタイヤで思うようにタイムを出せないという課題を抱えていましたが、この日もソフトタイヤで思ったほどタイムを縮めることができませんでした。土曜日の予選に向けて、この問題の解決に全力を尽くします。

Hondaの市販レーシングマシン「RCV1000R」で出場しているニッキー・ヘイデン(Drive M7 Aspar)は14番手。初日、電気系統のトラブルで思うように走れなかった青山博一(Drive M7 Aspar)はトラブルを解消し、大きくタイムを短縮しましたが16番手という結果でした。そして、スコット・レディング(GO & FUN Honda Gresini)が17番手、カレル・アブラハム(Cardion AB Motoracing)が18番手と続きました。

Moto2クラスは2日目、1回だけのフリー走行となりました。中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)が初日に出したベストタイムでフリー走行首位をキープしました。中上は、初日のタイムを更新できなかったことに悔しさをにじませましたが、セットアップの方向性が見えているだけに、予選ではポール・ポジション(PP)を狙います。エステベ・ラバト(Marc VDS Racing Team)は2日目3番手でしたが、初日のタイムにより2番手をキープしました。

接戦が続くMoto2クラスは、2日間で3回のセッションを行い、トップの中上から1秒差以内に15台が入る大接戦。初日35番手の長島哲太(Teluru Team JiR Webike)は、2日目もタイムを更新できず、35番手となりました。

Moto3クラスでもこの日、1回だけのフリー走行が行われました。初日9番手のアレックス・リンス(Estrella Galicia 0,0)が大幅にタイムを縮め、2番手に浮上。初日6番手のアレックス・マルケス(Estrella Galicia 0,0)が4番手、ジョン・マクフィー(SaxoPrint-RTG)が6番手、アレックス・マスボー(Ongetta-Rivacold)が7番手とHonda勢が好調な走りをみせました。

コメント

アルバロ・バウティスタ(MotoGP 3番手)
「今のところ、ミディアムコンパウンド*1では一番速いライダーなのでうれしいです。僕の前にいるのは、ソフトを使用したオープンカテゴリーのマシンだけです。また、マシンの感触もテストのときに比べて少しよくなりました。ユーズドタイヤでもマシンのパフォーマンスをさらに発揮できるようにしなければなりません。3周か4周走ると、リアタイヤのパフォーマンスがかなり落ちます。明日はあと1回だけフリー走行があるので、状況を改善したいです。リアにソフトが使えるオープンカテゴリー勢から、約0.4秒遅れているので厳しい状況だとは思いますが、予選では全力を尽くして、なるべくいいグリッドポジションを獲得したいです」

*1
速さと耐久性の両立を狙ったソフトとハードの中間的な位置づけのタイヤ

マルク・マルケス(MotoGP 5番手)
「今日はかなり順調でした。タイムシートでは思ったほど上位ではありませんが、足のフィーリングが昨日よりもよくなり、ほっとしました。昨日に比べて足に力が入りましたし、痛みも少なかったです。明日もこの調子で走り続けられるか様子を見たいと思います。セットアップでも前進しました。マシンにも、自分自身にも、まだ改善の余地があります。明日もレースへ向けて集中し、引き続き取り組んでいきたいです。オープンカテゴリーのライダーはソフトタイヤを使うことができるので、大変な予選になると思います。引き続きがんばります」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 8番手)
「1周のタイムとロングラン、タイヤの感触、タンクにある燃料の残量の違いによるフィーリングなど、すべての点で少しずつ改善できるようにがんばりました。限られた時間の中で多くのことに集中しています。今のところ大きく前進はできていませんが、着実にプログラムをこなし、これ以上悪くならないようにがんばっていきたいです。明日はトップタイムを出すチャンスがあると思いますが、そのためにはラップタイムの改善に取り組まなければなりません。ここまででとても速いタイムを出しているライダーたちがいます。予選は厳しい戦いになると思います」

ステファン・ブラドル(MotoGP 9番手)
「厳しい一日でしたが、全体的なペースは悪くはありませんでした。しかし、ソフトタイヤで速いタイムを出すことができなかったのが残念です。2つのセッションの間にマシンを改善できましたが、テストのときのベストタイムには届きませんでした。ほかのライダーたちも苦戦しているようです。簡単にはいかないと思いますが、明日の路面コンディションを見て、タイヤをどう合わせていくかを考えたいです」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 14番手)
「2回目のセッションはユーズドタイヤで走り出したにもかかわらず、少しだけ前進することができました。3回目のセッションでは、車体のジオメトリーを変更したのですが、フィーリングがとてもよくなりました。カタールで事前テストを行っているため、初日はアドバンテージがありましたが、2日目はそれも少なくなり、タイムが全体的に接近してきました。この2日間で路面のグリップも上がり、そのおかげもあってセットアップが確実によくなっています」

青山博一(MotoGP 16番手)
「昨日の問題も解決して、今日はチーム2台ともにトラブルなく走ることができました。昨日のトラブルの原因はアップデートしたソフトウエアの問題も多少はありましたが、センサーの配線が切れていたことが原因だったことが判明しました。今日は、昨日のトラブルの影響でイチからのスタートとなり、コーナーの旋回性に苦しみ、思うようにセットアップが進みませんでした。明日は違う方向でトライしてみます」

スコット・レディング(MotoGP 17番手)
「昨日より今日の方が明らかによかったです。電子制御の問題を解決させ、2つのプラクティスセッションでアドバンテージを得ることができました。マシンは快適でしたが、コーナー進入でまだ少し苦戦しています。プッシュするたびにフロントエンドの感触がなくなります。明日の最後のフリー走行ではここに取り組みたいと思います。そして状況を改善させたいです。ようやくハードタイヤを試すことができます」

中上貴晶(Moto2 1番手)
「昨日の課題だった旋回性の改善に向けてセットアップを変更したのですが、フィーリングはよくありませんでした。今日は風が強く、風向きもよくなかったことがストレートの伸びに影響し、タイムを更新することができませんでした。タイムを更新できなかったので気分はよくありません。ですが、今日の走行でセッティングの方向性も絞られてきたので、明日の予選はミスをしないよう、しっかり走ろうと思います」

エステベ・ラバト(Moto2 2番手)
「今回も成果のあるフリー走行となりました。昨日生じたいくつかの小さな問題の解決策を見つけることができました。また、日曜日のレースで使うタイヤについて、いいアイデアも出てきて、今夜はいいリズムを見つけられました。ペースも速く安定していました。明日は予選へ向けてもう少しがんばる必要があります。全体的には満足できる一日でした」

長島哲太(Moto2 35番手)
「昨日の転倒でいろいろパーツを交換した影響なのか、コーナーの進入でチャタリング*2が出てしまい、立ち上がりでスライドがひどくなり、思うように走れませんでした。セッションが1回のみで、セッティングを変更する時間もなく、そのまま走り続けました。残念な一日でした」

*2
走行中、ステアリングに大きな振動が出てしまう現象

アレックス・リンス(Moto3 2番手)
「昨日からまた一歩前進することができました。ようやく速く走れるようになりました。マシンもさらに理解できるようになりました。タイムにはとても満足しています。引き続きセットアップを調整して、レースに向けて準備を整えたいです。昨日からコンディションが変わり、今日はタイムを出すのが難しかったのですが、感触はかなりよくなりました。今日はあまりグリップがありませんでしたが、MotoGPクラスが先に走ってくれたので助かりました」

アレックス・マルケス(Moto3 4番手)
「今日はいい仕事ができたと思います。いくつか考えていたことを試しましたが、期待していたようにはいきませんでした。しかし、終盤は感触がよくなり、ラップも向上しました。もっと速く走れたかもしれないので、完全に満足したわけではありません。引き続き改善していくことができると思います。セッションはあと1回しか残っていないので、明日は本当に集中しなければなりません。一番最初にコースに出ていくつもりです」

2日目フリー走行リザルト

MotoGP
順位 No. ライダー マシン F/O タイム/差
141A.エスパルガロFORWARD YAMAHAO1:54.773
229A.イアンノーネドゥカティ F+0.413
319アルバロ・バウティスタHondaF+0.467
44A.ドヴィツィオーゾドゥカティ F+0.477
593マルク・マルケスHondaF+0.673
638B.スミスヤマハF+0.701
799J.ロレンソヤマハF+0.722
826ダニ・ペドロサHondaF+0.789
96ステファン・ブラドルHondaF+0.903
1046V.ロッシヤマハ F +0.929
1144P.エスパルガロヤマハF+1.020
1235C.クラッチロードゥカティ F+1.240
135C.エドワーズFORWARD YAMAHAO+1.465
1469ニッキー・ヘイデンHonda O +1.584
1568Y.ヘルナンデスドゥカティ F+1.860
167青山博一HondaO+2.166
1745スコット・レディングHonda O +2.224
1817カレル・アブラハムHondaO+2.572
1923B.パークスPBMO+2.892
2063M.ディ・ミリオAVINTIAO+3.431
218H.バルベラAVINTIAO+3.446
2270M.ラバティPBMO+3.605
239D.ペトルッチARTO+3.878

※F=ファクトリーオプション、O=オープンカテゴリー

Moto2
順位 No. ライダー マシン タイム/差
130中上貴晶KALEX2:00.522
253エステベ・ラバトKALEX+0.052
311サンドロ・コルテセKALEX+0.057
477ドミニク・エージャーターSUTER+0.073
540マーベリック・ビニャーレスKALEX+0.209
612トーマス・ルティSUTER+0.388
715アレックス・デ・アンジェリスSUTER+0.410
85ヨハン・ザルコCATERHAM SUTER+0.427
994ジョナス・フォルガーKALEX+0.445
1036ミカ・カリオKALEX+0.517
1119ザビエル・シメオンSUTER+0.579
123シモーネ・コルシFORWARD KLX+0.697
1354マティア・パシーニFORWARD KLX+0.702
1418ニコラス・テロールSUTER+0.872
1596ルイス・ロッシKALEX+0.888
1688リカルド・カルダスTECH 3+1.059
1739ルイス・サロムKALEX+1.093
1860フリアン・シモンKALEX+1.108
1922サム・ロースSPEED UP+1.124
2095アンソニー・ウエストSPEED UP+1.195
217ロレンソ・バルダッサーリSUTER+1.223
2281ジョルディ・トレースSUTER+1.304
232ジョシュ・ヘリンCATERHAM SUTER+1.329
2449アクセル・ポンスKALEX+1.384
2523マルセル・シュローターTECH 3+1.587
2621フランコ・モルビデリKALEX+1.639
274ランディ・クルメンナッハSUTER+1.699
288ジノ・レイSUTER+1.774
2925アズラン・シャー・カマルザマンKALEX+1.884
3055ハフィズ・シャーリンKALEX+2.191
3197ロマン・ラモスSPEED UP+3.094
3298マシェル・アリ・ナイミSPEED UP+3.326
3310ティティポン・ワロコーンKALEX+3.842
3470ロビン・マルホウザーSUTER+4.081
3545長島哲太TSR+4.866
Moto3
順位 No. ライダー マシン タイム/差
15R.フェナティKTM2:06.121
242アレックス・リンスHonda+0.061
384J.コーンフェールKTM+0.069
412アレックス・マルケスHonda+0.152
58J.ミラーKTM+0.159
617ジョン・マクフィーHonda+0.270
710アレックス・マスボーHonda+0.311
821F.バグナイアKTM+0.318
923N.アントネッリKTM+0.430
1098K.ハニカKTM+0.510
1132I.ビニャーレスKTM+0.702
1252D.ケントハスクバーナ+0.919
1358J.ゲバラKALEX KTM+0.990
1444M.オリベイラマヒンドラ+1.037
1557E.グラナドKTM+1.174
1611L.ロイKALEX KTM+1.282
177エフレン・バスケスHonda+1.287
1841B.バインダーマヒンドラ+1.435
1965P.エッテルKALEX KTM+1.496
2033E.バスティアニーニKTM+1.558
2163ズルファミ・カイルディンHonda+1.711
2231N.アジョハスクバーナ+1.740
239S.デウルKALEX KTM+1.863
2419A.トヌッチマヒンドラ+2.127
2555A.ロカテッリマヒンドラ+2.310
263M.フェラーリマヒンドラ+2.323
2738H.アーズミーKTM+2.647
2843L.グリュンヴァルトKALEX KTM+2.918
2951B.スホーテンマヒンドラ+2.989
3022A.カラスコKALEX KTM+3.298
3195J.ダニーロマヒンドラ+3.332
3261A.シシスマヒンドラ+3.351
334G.ラモスKALEX KTM+6.204