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MotoGP

round 01

SCHEDULE

March 20 2014, PRACTICE MotoGP Commercial Bank Grand Prix of Qatar

カタールカタールGP

バウティスタが2番手につけ、グリップの悪い中で好スタートを切る
Repsol Honda Teamの2人は、6番手と11番手

2014年3月20日(木)・1日目フリー走行  会場:ロサイル・インターナショナル・サーキット  天候:晴れ  気温:23℃
コースコンディション:ドライ

開幕戦カタールGPのフリー走行1日目は、ほとんどの選手がグリップ不足に苦しむ一日となり、Honda勢も全体的に厳しいスタートになりました。その中でアルバロ・バウティスタ(GO & FUN Honda Gresini)が着実にタイムを上げて、2番手とまずまずのスタートを切ることに成功しました。

  • アルバロ・バウティスタアルバロ・バウティスタ
  • アルバロ・バウティスタアルバロ・バウティスタ
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • ニッキー・ヘイデンニッキー・ヘイデン
  • マルク・マルケスマルク・マルケス
  • ステファン・ブラドルステファン・ブラドル
  • 2014 MotoGPライダー集合写真2014 MotoGPライダー集合写真

この日、バウティスタは事前テストと同じセッティングでスタートし、快調にラップを刻みました。さらに、ほとんどの選手がリアタイヤにソフトオプションを選択する中で、バウティスタはハードオプションを選択。ベストタイムとロングランともに安定したスピードを発揮しました。カタールでは、Honda、ヤマハ、ドゥカティのワークスチームを除く全チームが3日間のテストを行っています。そのアドバンテージを見事に生かすことになり、自信をつけたバウティスタは、2日目以降もさらにタイムを上げていく意気込みです。

オーストラリア・フィリップアイランドでのタイヤテストに参加し、カタールではテストを行っていないRepsol Honda Teamは、ダニ・ペドロサが6番手、マルク・マルケスが11番手。予想外のポジションでスタートしたペドロサは、グリップ不足を解消することができず、2日目以降の路面コンディションの回復状況をみながらセットアップを進めていくことになります。

また、ケガから復帰したマルケスは、完治していない右足腓骨(ひこつ)に予想以上の痛みを感じる厳しい初日になりましたが、徐々にペースを上げることに成功しました。出遅れた理由は、それぞれ異なりますが、2日目は2回のフリー走行があるため、両選手ともに着実にタイムを上げていく意気込みです。

そのほかのHonda勢は、市販レーシングマシンの「RCV1000R」で6年ぶりにHonda陣営に復帰したニッキー・ヘイデン(Drive M7 Aspar)が10番手。グリップのよくないコンディションの中で、事前テストの課題を一つひとつ克服してタイムを上げていきました。

ファクトリーオプションのステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)は、事前テストを行っているため、グリップ不足の初日はタイヤをセーブする作戦で12番手。昨年痛めた左肩の状態が完全ではないカレル・アブラハム(Cardion AB Motoracing)が16番手。青山博一(Drive M7 Aspar)は、電気系のトラブルのために思うように走れず17番手。スコット・レディング(GO & FUN Honda Gresini)も同様のトラブルで19番手でした。

MotoGPクラスは、初日1回だけの走行でしたが、2日目は、2回のフリー走行が行われます。Honda勢の巻き返しが期待されます。

Moto2クラスは、3年目のシーズンを迎える中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)が1回目2番手、2回目に自己ベストを更新する快走でトップタイムに浮上しました。2番手にはエステベ・ラバト(Marc VDS Racing Team)、3番手にサンドロ・コルテセ(Dynavolt Intact GP)、4番手にマーベリック・ビニャーレス(Pons HP 40)が僅差で続き、トップから1秒差以内に15台がひしめき合う接戦となりました。初のフル参戦に挑む長島哲太(Teluru Team JiR Webike)は転倒を喫して35番手。2日目のタイム短縮とポジションアップに挑みます。

Moto3クラスは、アレックス・マスボー(Ongetta-Rivacold)が5番手、マルク・マルケスの弟のアレックス・マルケス(Estrella Galicia 0,0)が6番手、ジョン・マクフィー(SaxoPrint-RTG)が8番手、アレックス・リンス(Estrella Galicia 0,0)が9番手と、トップ10に4台のHonda勢が名前を連ねました。

Moto2、Moto3クラスの2日目の走行は1回のみ。3日目土曜日の予選に向けて重要なセッションとなります。

コメント

アルバロ・バウティスタ(MotoGP 2番手)
「最初のプラクティスはポジティブでした。マシンはうまく機能していましたし、感触も前回のカタールテストのときとほぼ同じでした。今日はマシンのセットアップを変えずスタートしました。とにかく、いい感触で初日をスタートさせたいと思っていました。今夜の路面コンディションはあまりよくありませんでしたが、それでもまずまずうまくいったと思います。リアタイヤは、これまで使わなかったハードオプションを試しました。グリップレベルが、ソフトオプションと比べてもそれほど悪くなかったので驚きました。また、レースディスタンスでも安定したパフォーマンスができましたので、明日も引き続き試したいです。もしかしたらレースで使えるかもしれません。明日はライバルたちがラップタイムを確実に上げてくると思うので、このまま上位を維持するためにも、まだやるべきことはたくさんあります。まだマシンがかなりスライドするので、リアグリップをもっとよくしたいと思います」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 6番手)
「今日はグリップに少し問題がありました。2週間前のテストで走ったライダーたちが言っていた通りでした。グリップがそれほどよくない状況ですが、最大限の力を出せるようにがんばらなければならなりません。もう少し、路面にラバーがのり、コンディションが回復すれば、トラクションをもっと得られると思います。今日のコンディションはそれほど悪くなかったと思うのですが、路面のグリップが向上していくフィーリングはありませんでした。明日は2セッションあるので、セッションごとによくなっていくことを願っています」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 10番手)
「コーナー入り口のエンジンブレーキングに苦戦しましたが、確実によくなりました。セッティングも乗っているときのフィーリングも、この前のテストとほとんど同じでした。ギアボックスを少し変えたので、ストレートではそれが役に立ちました。そしてトップのライダーたちとのギャップを縮めることができました。シャシーのセットアップも変え、マシンがうまく止まるようにしました。正直、期待以上の感触でした。このような形で開幕戦をスタートすることができてうれしいです。ここで行ったテストはとても役に立っています。毎日前進していますし、チームとの関係もスムーズで強くなっています」

マルク・マルケス(MotoGP 11番手)
「しばらくマシンに乗っていなかったので、最初のセッションとしては、かなり満足しています。右コーナーで足がこれほど痛むとは思っていませんでした。しかし、セッションが終わるころにはだいぶんよくなったので、明日への希望になりました。今日と同じ戦略で引き続きがんばっていくつもりです。タイムについてはホルヘ(ロレンソ、ヤマハ)やバレンティーノ(ロッシ、ヤマハ)、そしてダニとそれほど離れていません。2週間前のテストで走っていたライダーたちが最初から速いのは当たり前なので、気にしていません」

ステファン・ブラドル(MotoGP 12番手)
「明日のフリー走行と予選に向けて選択肢を広げるために、今日はタイヤをセーブする計画でした。最初からハードタイヤで周回することが重要でした。そのため、上位でフィニッシュできないことは分かっていました。路面コンディションは2週間前と同じで、グリップはよくありませんでした。今日はフィーリングをつかむだけの走行だったので、明日からはマシンを調整してもっとプッシュできるようにしていくつもりです」

青山博一(MotoGP 17番手)
「はっきりとした原因は分かりませんが、今日は電気系のトラブルが続いて、ちゃんと走ることができませんでした。コースインして4周までは普通に走れたのですが、そのあとはエンジンの調子が悪く、マシンを乗り換えても同じような状態でセッションが終わりました。電子制御のバージョンが前回のテストのときより新しくなっているので、そのせいかもしれません。路面はテストのときよりよかったので、残念な一日になりました。明日は、この遅れを取り戻したいです」

スコット・レディング(MotoGP 19番手)
「残念ながら電子制御に問題があって、思うように走ることができませんでした。幸い、ここではテストを行っているので、セットアップの方向性は見えています。しかし、明日はこれ以上タイムを落とすわけにはいきません。セッション終盤には、セカンドマシンで問題はおおむね改善されました。しかし、わずか数周しか走ることができませんでした。明日にはチームがすべての問題を解決させて、もう一度スタートできると思います」

中上貴晶(Moto2 1番手)
「ロサイルはいつも、初日の路面コンディションがあまりよくないのですが、今日は最初からフィーリングがよくて、気持ちよく乗ることができました。1回目の走行で昨年のベストに近いタイムが出ましたし、2回目は自己ベストを更新することができました。しかも、まだまだ余力ある走りで、一度も全力でアタックしていません。レースを見据えての走行だったので、とてもよかったと思います。今日のセッティングでは、旋回性があまりよくなくて、これが限界だったので、無理をせず周回を刻みました。明日はこの部分を改良していきたいと思っています」

エステベ・ラバト(Moto2 2番手)
「マシンのフィーリングは最初からよかったですし、ペースも速く、ラップタイムも快適に感じることができました。今日は少し路面が汚れていましたが、カタールの初日はいつもそうです。ただ、明日にはきれいになってラップタイムももっとよくなると思います。明日はマシンのセットアップを少し変えるだけでよさそうです。ようやくシーズンが始まってうれしいです。そして今日の結果にはとても満足しています」

長島哲太(Moto2 35番手)
「2回目の走行は、走り出しからタイムもよくて、いい感じで走ることができました。しかし、最終コーナーでちょっとブレーキングが深くなり、フロントから転んでしまったため、セッションを無駄にしてしまいました。時間を有効に使おうと思っていたので、とても残念です。明日は走行が1回しかないので、しっかりコース攻略を果たしたいと思います」

アレックス・マルケス(Moto3 6番手)
「とてもうれしい一日でした。最初からとても快適でした。チームに感謝したいです。ベースのセットアップがいいのだと思います。しかし、まだ完全ではないので、引き続きがんばっていきます。いい予選セッションにするために、明日はマシンをいい状態にしなければなりません。Hondaのエンジンが速いことはヘレス(テスト)で分かっていました。それをここで確認することができました。このサーキットはまだ一度しか走ったことがないので、今日は基本的にコースを学ぶことと、速く走れるラインを見つけることに集中しました」

1日目フリー走行リザルト

MotoGP
順位 No. ライダー マシン F/O タイム/差
141A.エスパルガロFORWARD YAMAHAO1:55.201
219アルバロ・バウティスタHondaF+0.466
338B.スミスヤマハF+0.615
429A.イアンノーネドゥカティ F+0.795
544P.エスパルガロヤマハF+0.819
626ダニ・ペドロサHondaF+1.131
746V.ロッシヤマハF+1.341
85C.エドワーズFORWARD YAMAHAO+1.425
999J.ロレンソヤマハF+1.467
1069ニッキー・ヘイデンHondaO+1.469
1193マルク・マルケスHondaF+1.481
126ステファン・ブラドルHondaF+1.525
1335C.クラッチロードゥカティ F+1.845
144A.ドヴィツィオーゾドゥカティ F+1.899
1568Y.ヘルナンデスドゥカティ F+2.422
1617カレル・アブラハムHondaO+2.578
177青山博一HondaO+2.981
188H.バルベラAVINTIAO+3.193
1945スコット・レディングHondaO+3.294
2063M.ディ・ミリオAVINTIAO+3.531
219D.ペトルッチARTO+4.120
2223B.パークスPBMO+4.127

※F=ファクトリーオプション、O=オープンカテゴリー

Moto2
順位 No. ライダー マシン タイム/差
130中上貴晶KALEX2:00.522
253エステベ・ラバトKALEX+0.052
311サンドロ・コルテセKALEX+0.147
440マーベリック・ビニャーレスKALEX+0.249
577ドミニク・エージャーターSUTER+0.331
612トーマス・ルティSUTER+0.388
715アレックス・デ・アンジェリスSUTER+0.410
85ヨハン・ザルコCATERHAM SUTER+0.427
994ジョナス・フォルガーKALEX+0.445
1036ミカ・カリオKALEX+0.517
1119ザビエル・シメオンSUTER+0.579
123シモーネ・コルシFORWARD KLX+0.697
1354マティア・パシーニFORWARD KLX+0.702
1418ニコラス・テロールSUTER+0.872
1596ルイス・ロッシKALEX+0.888
1688リカルド・カルダスTECH 3+1.059
1739ルイス・サロムKALEX+1.093
1860フリアン・シモンKALEX+1.108
1995アンソニー・ウエストSPEED UP+1.195
207ロレンソ・バルダッサーリSUTER+1.223
2181ジョルディ・トレースSUTER+1.374
2249アクセル・ポンスKALEX+1.586
2323マルセル・シュローターTECH 3+1.587
2421フランコ・モルビデリKALEX+1.639
2522サム・ロースSPEED UP+1.723
268ジノ・レイSUTER+1.774
2725アズラン・シャー・カマルザマンKALEX+1.884
284ランディ・クルメンナッハSUTER+2.125
292ジョシュ・ヘリンCATERHAM SUTER+2.263
3055ハフィズ・シャーリンKALEX+2.338
3197ロマン・ラモスSPEED UP+3.507
3298マシェル・アリ・ナイミSPEED UP+3.669
3370ロビン・マルホウザーSUTER+4.081
3410ティティポン・ワロコーンKALEX+4.121
3545長島哲太TSR+4.866
Moto3
順位 No. ライダー マシン タイム/差
15R.フェナティKTM2:06.168
284J.コーンフェールKTM+0.022
38J.ミラーKTM+0.259
423N.アントネッリKTM+0.383
510アレックス・マスボーHonda+0.460
612アレックス・マルケスHonda+0.479
732I.ビニャーレスKTM+0.655
817ジョン・マクフィーHonda+0.773
942アレックス・リンスHonda+0.918
1021F.バグナイアKTM+1.051
1152D.ケントハスクバーナ+1.147
1244M.オリベイラマヒンドラ+1.231
1311L.ロイKALEX KTM+1.235
147エフレン・バスケスHonda+1.258
1557E.グラナドKTM+1.272
1641B.バインダーマヒンドラ+1.388
1765P.エッテルKALEX KTM+1.449
1858J.ゲバラKALEX KTM+1.581
1931N.アジョハスクバーナ+1.693
2098K.ハニカKTM+1.794
2163ズルファミ・カイルディンHonda+1.797
2233E.バスティアニーニKTM+2.078
2319A.トヌッチマヒンドラ+2.080
2455A.ロカテッリマヒンドラ+2.263
259S.デウルKALEX KTM+2.729
263M.フェラーリマヒンドラ+2.859
2743L.グリュンヴァルトKALEX KTM+2.871
2822A.カラスコKALEX KTM+3.252
2995J.ダニーロマヒンドラ+3.285
3061A.シシスマヒンドラ+3.304
3138H.アーズミーKTM+3.313
3251B.スホーテンマヒンドラ+3.559
334G.ラモスKALEX KTM+6.579