round 07

June 28 2013, QUALIFYING MotoGP Iveco TT Assen オランダGP

SCHEDULE

マルケスが2番手で今季4度目のフロントロー獲得。ブラドルは3番手でキャリア初フロントロー。ペドロサは5番手から決勝に挑む

2013年6月28日(金)・予選  会場:TTサーキット・アッセン  天候:雨のち曇り  気温:16℃
コースコンディション:ウエットのちドライ

第7戦オランダGPの予選は、気温16℃、路面温度18℃という難しいコンディションの中で行われました。前日のフリー走行で3番手のマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、総合タイムでも3番手で「予選2」に進出。予選では2番手へと1つポジションを上げました。ウエットコンディションとなった午前中のフリー走行では、冷えた路面に足元をすくわれ、痛恨の転倒を喫しています。その影響が心配されたマルケスですが、予選前にドライコンディションで行われた30分間のフリー走行ではトップタイムをマーク。予選ではクリアラップが取れず苦労しましたが、間合いを取り、最後のアタックで2番手に浮上しました。アッセンでは、過去3年、125ccクラスとMoto2クラスで合わせて3連勝しているマルケス。最高峰クラスでは初めての挑戦となりますが、4年連続オランダGP制覇に期待がふくらんでいます。

  • マルク・マルケスマルク・マルケス
  • マルク・マルケスマルク・マルケス
  • マルク・マルケスマルク・マルケス
  • ステファン・ブラドル.ステファン・ブラドル
  • ステファン・ブラドル(手前)、ダニ・ペドロサ(奥)ステファン・ブラドル(手前)、ダニ・ペドロサ(奥)
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • アルバロ・バウティスタアルバロ・バウティスタ

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イタリアGPで4位、カタルニアGPで5位と過去2戦、調子を上げているステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)が3番手につけて、MotoGPクラスで初のフロントローを獲得しました。今大会は、初日がドライのちウエット、2日目がウエットのちドライとなる難しいコンディションとなりました。しかし、着実にセットアップを進めることに成功し、総合7番手で「予選2」に進出。15分間の予選では、常にトップタイム争いに加わり、フロントローを獲得しました。昨年の大会では、予選4番手から好スタートを切るも、痛恨の転倒を喫する悔しいレースでした。今年はその雪辱を果たす意気込みで、念願の初表彰台獲得が期待されます。

総合首位のダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、不安定なコンディションの中で、決勝がドライになってもウエットになっても対応できるように慎重にセットアップを進めました。3回のフリー走行を終えて、ベストタイムは、ドライコンディションで走れた初日1回目の5番手タイム。この順位で「予選2」に進出したペドロサは、予選セッション中盤にはトップタイムをマークしましたが、さらにタイムを上げようとした次の周回に痛恨の転倒を喫し、最終的に5番手へとポジションを落としました。これで3戦連続ポールポジション(PP)獲得は果たせませんでしたが、決勝では3戦ぶりの今季3勝目が期待されます。

初日のフリー走行で8番手と苦戦したアルバロ・バウティスタ(GO & Fun Honda Gresini)は、ウエットコンディションになったフリー走行でトップタイムをマークし、予選前のフリー走行でも6番手と、着実にセットアップを進めました。しかし、予選ではいいフィーリングを得られず、8番手でした。しかし、過去2戦は転倒リタイアに終わっているだけに、気合満点。追い上げのレースに闘志をみなぎらせています。チームメートでCRTマシンで出場のブライアン・スターリングは、19番グリッドから決勝に挑みます。

Moto2クラスは、前戦カタルニアGPで今季2勝目を挙げたポル・エスパルガロ(Tuenti HP 40)が、2戦連続、今季3度目のPPを獲得しました。今大会は、エスパルガロから1秒差以内に21台という大激戦となり、2番手にヨハン・ザルコ(Came lodaracing Project)、3番手に総合首位のスコット・レディング(Marc VDS Racing Team)と続きました。中上貴晶(Italtrans Racing Team)は13番手。高橋裕紀(IDEMITSU Honda Team Asia)は、セットアップが決まらず、31番手という厳しいグリッドになりました。

Moto3クラスは、初日7番手だったアイザック・ビニャーレス(Ongetta-Centro Seta)が8番手、初日14番手のニッコロ・アントネッリ(GO & FUN Gresini Moto3)は10番手へとポジションを上げました。一方、初日6番手のアレクシ・マスボー(Ongetta-Rivacold)は12番手、初日8番手の アラン・ティーチャー(CIP Moto3)が13番手とポジションを落としましたが、決勝では追い上げのレースに挑みます。初日10番手のジャック・ミラー(Caretta Technology - RTG)は14番手。今季好調な走りをみせているブラッド・バインダー(Ambrogio Racing)は、不安定な天候に苦しんで21番手。渡辺陽向(TASCA RACING)は28番手から初ポイント獲得に挑みます。

コメント

マルク・マルケス(MotoGP 2番手)「予選セッションは、とてもうまくいきました。今日は、このグリッドを獲得することがとても重要なことでした。午前中のフリープラクティス(FP)3で転倒したので、FP4が終わるまでは、フロントローを獲得できるとは思っていませんでした。転倒で痛めた指が痛く、それが走りにとても影響していたので、2番手になれるとは思っていませんでした。グローブをはめるととても痛み、背中も痛みましたが、幸い足はそれほど痛みませんでした。とにかく、全力を振り絞り、集中していいタイムを出そうとしました。それで速いラップタイムを出すことができました。明日は26周をどう走るか、やってみなければなりません。今週は天候がよく変わるので、明日の天気がどうなるかを見極めるのがとても重要になります」

ステファン・ブラドル(MotoGP 3番手)「今日は僕とチームにとって特別な日になりました。最高峰クラスで初めてのフロントローです。この特別な瞬間をルーチョや彼のチームと共に喜ぶことができてうれしいです。今日もトリッキーなコンディションで、フリー走行では、マシンを乗りこなすのにエネルギーが必要でしたし、とても大変でした。そのため、予選前に少しセッティングを変えました。それがとてもうまくいき、ソフトタイヤで3番グリッドを獲得することができました」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 5番手)「すべてのセッションであまりいいラップタイムを出すことができませんでした。昨日今日と、いろいろなことを試しました。しかし、コロコロ変わる天候と路面コンディションのために、セットアップがなかなか進みませんでした。今日、完全なドライで走ることができたのは、わずか数周でした。しかし、予選ではこれまでのプラクティスセッションよりも速いペースで走ることができました。転倒したことを除けば、マシンの感触は昨日に比べ、ずっとよかったです。明日はいいスタートを切って、強いレースをしたいです」

アルバロ・バウティスタ(MotoGP 8番手)「午前中のフリー走行では、昨日に比べてセッティングがよくなっていたので、今日の結果にはそんなに満足していません。予選ではあまり自信を持って走ることができませんでした。それでも、FP4では中古タイヤでとてもいいペースで走れているので、決勝レースに向けて準備は整っています。もし明日のレースでいいスタートを切ることができれば、かなりポジションを上げられると思います。もっと前方のグリッドを獲得できていればよかったのですが、仕方ありません。明日は、自分のレースペースに自信を持たなければなりません」

ブライアン・スターリング(MotoGP 19番手)「昨日から前進することができたので、うれしいです。そして、明日の決勝レースへ向けていいグリッドを獲得することができました。マシンとコースに対して自信がつきました。明日のレースで前のライダーたちと戦うためには、いいスタートを切り、安定して走ることが重要になります」

ポル・エスパルガロ(Moto2 ポールポジション)「引き続きがんばって、レディングにプレッシャーを与えなければいけません。僕のやるべきことは、集中して、すべてのセッションでトップになり、レースで彼の前に出ることです。ここまですべてうまくいっています。あとは決勝レースを待つだけです」

ヨハン・ザルコ(Moto2 2番手)「明日の天気がどうなるかは分かりませんが、僕の目標は表彰台獲得です。ライバルたちはとても強いです。エスパルガロもラバトもとてもうまく走っていました。でも、僕もフィーリングがとてもよかったです。いい仕事をしてくれたチームに感謝しなければなりません。最高の状態で戦えるマシンを準備してくれました。明日はベストを尽くして、いい結果を出したいです。フロントローからスタートをするのが目標でした。そして、それを達成できました」

スコット・レディング(Moto2 3番手)「天候が変わりやすく、今回はドライのセットアップに取り組む時間がほとんどありませんでした。そのため、予選の間もマシンをよくするために仕事をしていました。今回のラップタイムは決して順調ではなかったですし、限界で走っていました。第2セクターでは、レブリミッターに少し当たりすぎていました。そこでかなりタイムをロスしていました。そのため、今夜もう一度、ギアレシオを見てみなければなりません。今はまだ少しなにかが足りません。明日ドライになれば、レースのセットアップを少しよくするために、ウォームアップで試してみたいと思います」

中上貴晶(Moto2 13番手)「ウエットになった午前中のフリー走行も、ドライになった午後の予選も、全くいいところがありませんでした。ブレーキングの安定性がなく、リアはギャップを拾って振られてしまうという状態。ずっとハンドルを切って乗っている感じでした。新品のタイヤに替えても状態は変わらず、タイムを出せませんでした。問題点は分かっているのですが、それをどう解決したらいいのかが分からない状態です。明日のウォームアップでもう一度セットアップにトライして、決勝に挑みます。もう時間がないですし、今回は厳しいレースになりそうです」

高橋裕紀(Moto2 31番手)「今日は全然ダメでした。ウエットコンディションではそれほど悪くなかったのですが、路面が乾いていくにしたがって接地感がなくなり、うまく乗れませんでした。アクセルを開けていくとマシンが暴れる感じで、全く攻められませんでした。昨日とセッティングを大きく変えていないのに、どうしてなのか原因が分かりません。明日の天候を見て、最後の調整をしてから決勝に挑みたいと思います」

アイザック・ビニャーレス(Moto3 8番手)「このサーキットは本当に好きです。いいセットアップを見つけられて、楽しく走ることができました。今日はウエットになったフリー走行でフロントから転倒してしまいました。しかし、幸いダメージはなく、予選でも問題はありませんでした。もっとパワーが必要ですが、今日はとてもモチベーションが上がっています。トップ10に入れるように、そしてHonda勢トップを目指してがんばりました。あとはレースでいい結果を出すだけです」

ニッコロ・アントネッリ(Moto3 10番手)「ほかのライバルたちと違って、スリップストリームを使わないでラップタイムを出すことができたので、満足しています。もっと速いタイムを出すことはできたと思いますが、明日の自分の走りに自信がつきました。スタートでトップグループに離されないようにすることが重要です。自信はあります。明日はドライでレースができることを願っています」

アレクシ・マスボー(Moto3 12番手)「フリープラクティスはとてもよかったので、今日の結果はあまりうれしくありません。今日の予選は風があり、とても大変でした。思うようにプッシュできませんでした。僕のミスでしたが、前のライダーたちとはそれほど離れていません。全体的に自信はあります。明日は全力で挑みます」

渡辺陽向(Moto3 28番手)「今日も不安定な天候で、難しい一日になりました。しかし、昨日から2秒近くタイムを短縮できたのでよかったです。マシンのセッティングを変えてもらって、すごくよくなりました。アクセルを開けるポイントも早くなってきましたし、チームメートの(アレッサンドロ)トヌッチ、そして(ロマノ)フェナティ(San Carlo Team Italia)と0.4秒差なので、明日はこのグループで走りたいと思っています。この数戦、序盤に順位を落としているので、明日は1周目からしっかりついていければと思っています」

予選

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイム
135C.クラッチローヤマハ1:34.398
293マルク・マルケスHonda1:34.755
36ステファン・ブラドルHonda1:34.878
446V.ロッシヤマハ1:34.974
526ダニ・ペドロサHonda1:35.006
638B.スミスヤマハ1:35.454
741A.エスパルガロART1:35.500
819アルバロ・バウティスタHonda1:35.508
914R.デ・ピュニエART1:35.622
1069N.ヘイデンドゥカティ1:35.908
1151M.ピロドゥカティ1:36.866
1299J.ロレンソヤマハ-
1329A.イアンノーネドゥカティ1:36.432
148H.バルベラFTR1:36.490
154A.ドヴィツィオーゾドゥカティ1:36.524
169D.ペトルッチIODA-SUTER1:36.695
1717K.アブラハムART1:36.791
185C.エドワーズFTR KAWASAKI1:37.143
1967B.スターリングFTR Honda1:37.315
2071C.コルティFTR KAWASAKI1:37.625
2168Y.ヘルナンデスART1:37.781
2270M.ラバティPBM1:38.378
2352L.ペセックIODA-SUTER1:38.704
2422I.シルバFTR1:39.077

Moto2

順位 No. ライダー マシン タイム/差
140ポル・エスパルガロKALEX1:38.734
25ヨハン・ザルコSUTER+0.099
345スコット・レディングKALEX+0.145
480エステベ・ラバトKALEX+0.239
519ザビエル・シメオンKALEX+0.362
6 54マティア・パシーニSPEED UP+0.545
7 36ミカ・カリオKALEX+0.560
8 63マイク・ディ・ミリオMOTOBI+0.563
9 77ドミニク・エージャーターSUTER+0.566
10 11サンドロ・コルテセKALEX+0.569
11 3シモーネ・コルシSPEED UP+0.600
12 30中上貴晶KALEX+0.628
13 23マルセル・シュローターKALEX+0.653
14 60フリアン・シモンKALEX+0.680
15 81ジョルディ・トレースSUTER+0.748
16 15アレックス・デ・アンジェリスSPEED UP+0.754
17 12トーマス・ルティSUTER+0.849
18 96ルイス・ロッシTECH 3+0.926
19 4ランディ・クルメンナッハSUTER+0.947
20 24トニ・エリアスKALEX+0.969
21 14ラタパーク・ウィライローSUTER+1.049
22 88リカルド・カルダスSPEED UP+1.123
23 8ジノ・レイFTR+1.158
24 52ダニー・ケントTECH 3+1.194
25 18ニコラス・テロールSUTER+1.280
26 49アクセル・ポンスKALEX+1.468
27 44スティーブン・オーデンダールSPEED UP+1.783
28 17アルベルト・モンカヨSPEED UP+1.992
29 9カイル・スミスKALEX+2.187
30 72高橋裕紀MORIWAKI+2.272
31 7ドニ・タタ・プラディタSUTER+3.141
32 97ラフィド・トパン・スチプトSPEED UP+5.134

Moto3

順位 No. ライダー マシン タイム/差
144M.オリベイラMAHINDRA1:43.588
212A.マルケスKTM +0.000
325M.ビニャーレスKTM+0.061
439L.サロンKTM+0.083
542A.リンスKTM+0.085
694J.フォルガーKALEX KTM+0.313
731N.アジョKTM+0.742
832アイザック・ビニャーレスFTR Honda+0.836
961A.シシスKTM+0.882
1023ニッコロ・アントネッリFTR Honda+1.181
1153J.イウェマKALEX KTM+1.224
1210アレクシ・マスボーFTR Honda+1.226
1389アラン・ティーチャーTSR Honda+1.258
148ジャック・ミラーFTR Honda+1.329
1577ロレンソ・バルダッサーリFTR Honda+1.343
1611L.ロイKALEX KTM+1.354
177E.バスケスMAHINDRA+1.362
1884J.コーンフェールKALEX KTM+1.505
194フランシスコ・バグナイアFTR Honda+1.529
2051ブライアン・スホーテンFTR Honda+1.598
2141ブラッド・バインダーSUTER Honda+1.614
225ロマノ・フェナティFTR Honda+1.647
2319アレッサンドロ・トヌッチFTR Honda+1.690
2417ジョン・マクフィーFTR Honda+1.715
2565P.エッテルKALEX KTM+1.938
269T.フィンスターブッシュKALEX KTM+1.965
2757E.グラナドKALEX KTM+2.038
2829渡辺陽向FTR Honda+2.091
2999ダニー・ウェッブSUTER Honda+2.207
3022A.カラスコKTM+2.268
313マッテオ・フェラーリFTR Honda+2.537
3258ファンフラン・ゲバラTSR Honda+2.659
3371トーマス・ファン・レーウェンBAKKER Honda+2.704
3466F.アルトKALEX KTM+3.309
-63Z.カイルディンKTM-