フロリダ州ホームステッドでの合同テストを終えたばかりのIndyCarチームは、週末の間に同じ州内を北上して、セブリングでのロードコース用の合同テストに臨んだ。テストに使用されるサーキットは、毎年3月に12時間耐久レースを開催することで有名なセブリング・インターナショナル・レースウェイ。空港を利用したコースは路面の継ぎ目によるバンピーさ、グリップの低さといった特徴から、ストリートコースでのレースに向けたテストに適している。今回の合同テストで使う全長1.7マイルのショートコースでは、効率的にテストを進めることも可能だ。ラップタイムが短いため、限られた走行時間内でセッティング変更をひんぱんに繰り返すことができる。その一方で、コース全長が短いことから走行台数の多さが混雑につながるため、IRLは全チームを2グループに分け、2日ずつ合計4日間のテストを開催することになった。
テスト前半にスケジュールされたのは、アンドレッティ・グリーン・レーシング、レイホール・レターマン・レーシング、ビジョン・レーシング、ロス・レーシングの4チーム。総勢9台のマシンは、初日は午後1時から5時まで、2日目は午前9時から午後5時までのテストを行った。走行初日は好天に恵まれ、アンドレッティ・グリーン・レーシングのトニー・カナーンが最速タイムとなる53秒5174をマーク。2番手にはマルコ・アンドレッティ、3番手には武藤英紀がつけた。武藤のベストは53秒8716で、アンドレッティとほぼ同タイムで、トップのカナーンとの間には約0.3秒の差があった。
テスト2日目は雨の心配もされたが、幸いにもテスト時間終了まで天気は持ち、各チームともマシンセッティングを向上させ、タイム短縮を実現していた。武藤は2日目を走り出して間もなく52秒9513まで大幅にラップタイムを縮め、午前中の走行でトップに立った。しかし、夕方になって先輩チームメートのカナーンが最後の6セット目のタイヤで武藤を上回る52秒8609を記録し、2日連続トップとなってテスト前半は終了した。初日に56周、2日目に119周を走り込んだ武藤は、トップこそ逃したものの、ルーキーながら2番手という好位置につけてロードコーステストを終えた。
5日からの2日間で、ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング、チーム・ペンスキー、パンサー・レーシング、ドレイヤー&レインボールド・レーシング、A.J.フォイト・エンタープライズが同じくセブリング・インターナショナル・レースウェイで合同テストを行う。
「テストはタイムを競うものではないが、結果的にヒデキと競り合う形になった。最終的に僕がトップになったけれど、それは単なる結果であって、もし僕がトップにならなければ、チームメートのヒデキがトップだった。いずれにしてもアンドレッティ・グリーン・レーシングがトップだったということさ。今日は自分が試してよかったセッティングをヒデキやマルコ、ダニカがトライすることもあったし、僕が彼らの試したセッティングを確認することもあった。最後の走行でベストのタイムを出せたのは、ヒデキが試してよいという結論を出していたものだ。アンドレッティ・グリーン・レーシングのチームワークがタイム向上を実現させているということだ」
「2日目になってマシンのセッティングをよくすることができました。初日のアンダーステアが大きかったのと、ブレーキがロックする症状が出ていたのですが、それらを2日目には完全にではなかったけれど、直すことができていました。この2日間のテストでは、IndyCarのロードコース仕様にずい分と慣れることができたとも感じています。まだエンジニアにフィーリングを伝えることが自分では85%ぐらいしかできておらず、残りの15%こそがとても大事な部分なので、もどかしさも感じています。しかし、ロードコースでの初レースとなる第2戦のセント・ピーターズバーグに向けては、かなり準備を整えることができたと思います」
「テスト初日のマシンセッティングにミスがあったために一日を無駄にしてしまった。2日間と時間が限られていることを考えると、それは残念だった。しかし、そういった一日であっても得られたものはあったし、2日目にはマシンの調子もよくなっていたので、多くのセッティングをトライしてデータを集め、有意義な一日とすることができた。第2戦セント・ピーターズバーグ、そして、そのあとのロードコースでのレースに向け、自分たちはマシンの準備を大きく進めることができた」
「長いオフ・シーズンを過ごしたドライバーたちにとって、開幕前にテストでマシンの感覚を取り戻すことは非常に重要だ。昨日からの2日間のロードコーステストにおいて、ドライバーたちはドライビングのフィーリングや、今年から導入されているパドルシフトの操作感やレスポンスを確認していた。ホームステッド・マイアミ・スピードウェイでの合同テストでは、パドルシフトのフィーリングに対する質問が我々に対して一部のドライバーからなされたが、セブリングでのロードコーステストにおいては、ドライバーたちもそのフィーリングに納得をしているようだ。
Honda Indy V-8は、昨シーズンにわずか1回しかレース中のトラブルを出さなかった。それはすばらしい記録ではあるものの、我々は今シーズンもさらなる耐久性能向上を目指し、開発を休むことなく続けていく。今シーズン投入するエンジンは、昨年のものから基本的な仕様の変更はしていない。しかし、信頼性のさらなる向上、コスト抑制を実現するためのパーツのライフサイクル延長など、様々な部分で進歩を遂げている」