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ダイナミクス性能の熟成を図り一体感が生み出す操る喜びをさらに追求

NSX2018年10月

Hondaが考える“新時代のスーパースポーツ体験”を提案するクルマとして2016年8月に登場した2代目NSX。開発チームは、2017モデルを発表したあとも開発の手を緩めていなかった。卓越した運動性能を持ちながら誰もが快適に操ることのできる「人間中心のスーパースポーツ」という、初代NSXから引き継ぐコンセプトのもと、ダイナミクス性能のさらなる熟成を図ったのだ。
進化のコンセプトは“エボリューショナルNSX”。デザインと走りの正常進化をめざした。具体的には、フロントグリルをボディー同色とし、メッシュグリルの質感、エクステリアカーボンパーツの質感を向上させ、ワイド&ローの佇まいに磨きをかけた。あわせて、存在感と高めるサーマルオレンジ・パールをボディーの新色として追加。カーボンセラミックブレーキローターにオレンジキャリパーを設定し、シートに2種類の新色を追加している。
ダイナミック性能では、荒れた路面でもボディをよりフラットに安定させられるよう、アクティブ・ダンパー・システムのセッティングを熟成。タイヤの性能も向上させたことで、ターンインのレスポンスとリアの追従性、コーナリング中のコントロール性、限界性能もより高いレベルに引き上げられている。
SPORT+モードのアクセルレスポンスは、より人の感覚にリニアになるようチューニング。コーナリング性能とあわせ、人とクルマの一体感を高めた。開発の過程でテストに参加した2017年のインディ500ウイナー 佐藤琢磨選手も、こうしたダイナミック性能の進化には高い評価を与えている。
「人間中心のスーパースポーツ」への飽くなき挑戦は、これからも続いていく。

  • シートカラーにも新たに2色が加わった。セミアニリンフルレザー パワーシートの新色「Red」と、セミアニリンレザー×アルカンターラ®パワーシートの新色「Indigo」。

    サスペンションまわりは、リアを中心に剛性を高め、リアの追従性を高める進化を行った。具体的には、フロントスタビライザーを26%、リアスタビライザーを19%、リアコントロールアームブッシュを21%、リアハブを6%、それぞれ剛性アップ。さらに、アクティブ・ダンパー・システム、VSA、EPSの各制御や「SPORT HYBRID SH-AWD®」の駆動配分制御を熟成している。

  • ダイナミック性能向上のために、サスペンションやダンパーの進化ににあわせ、タイヤも新たに専用開発した。また、カーボンセラミックブレーキローターにオレンジキャリパーを追加。

  • シートカラーにも新たに2色が加わった。セミアニリンフルレザー パワーシートの新色「Red」と、セミアニリンレザー×アルカンターラ®パワーシートの新色「Indigo」。

    サスペンションまわりは、リアを中心に剛性を高め、リアの追従性を高める進化を行った。具体的には、フロントスタビライザーを26%、リアスタビライザーを19%、リアコントロールアームブッシュを21%、リアハブを6%、それぞれ剛性アップ。さらに、アクティブ・ダンパー・システム、VSA、EPSの各制御や「SPORT HYBRID SH-AWD®」の駆動配分制御を熟成している。

  • ダイナミック性能向上のために、サスペンションやダンパーの進化ににあわせ、タイヤも新たに専用開発した。また、カーボンセラミックブレーキローターにオレンジキャリパーを追加。

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世界一級の速さ、快適性、走りの新体験に満ちたスーパースポーツ。

Hondaが初代NSXを生み出した理由は、既存のスーパースポーツメーカーの一員に加わりたかったからではなく、Hondaにしかできない、新たな走りの喜びを提供したかったから、ということにつきる。
NSXが登場してから四半世紀、Hondaが世に問うた「人間中心」というコンセプトは、世界のスーパースポーツにとって当たり前のものとなった。だからこそ新たなNSXをこの世に送り出すにあたっては、従来技術による正常進化の範囲を飛び越え、どこまで高い理想を掲げられるかが重要となったのだ。
Hondaが目指したのは、「人」の内側にある「気持ち」とクルマが一体になるかのような、かつてない「意のまま」感覚によるまったく新しい走りの体験──NEW SPORTS EXPERIENCE──。これを実現するための核となったのは、ターボエンジン+3モーター+9速DCTによるSPORT HYBRID SH-AWDだ。
V6ツインターボエンジンのパワーをリアのダイレクトドライブモーターと、フロントのツインモーターユニットがアシストし、エンジンだけでもモーターだけでも得られない加速感を実現。フロントのツインモーターによるトルクベクタリングで、狙ったラインを正確にトレースする、これまでにないほどのオン・ザ・レール感覚を追求した。 さらに、エンジン、モーター、トランスミッション、ブレーキ、サスペンション、エンジンサウンドまでを統合制御して、車両特性を異なる4つの状態に変更できる「インテグレーテッド・ダイナミクス・システム」を搭載。シーンに応じて乗る人の気持ちが求める走りをスイッチひとつで実現することが可能となった。
世界第一級の速さを持ちながら快適に操ることができ、日常からサーキットまで、あらゆる場面での走りの新体験に満ちたスーパースポーツ。それが新型NSXなのである。

  • 「ヒューマン・オリエンテッド」をコンセプトとしてパッケージングを重視するNSXの思想を継承し、V8やV10ではなく3.5Lというコンパクトなドライサンプ式V6ツインターボエンジンを選択。ターボエンジンとして高圧縮比化するなど、さまざまな高出力化技術を投入し、大排気量エンジンを凌駕するパワーを手にした。

    高剛性の押出成形アルミ材を中心とした、複合素材によるスペースフレームを開発。全体を同一素材でつくることにとらわれず、各部位で最適な素材や製法を吟味することで、新世代のスーパースポーツにふさわしい高剛性と最大限の軽量化を達成している。

  • スーパースポーツのあり方を変えた初代NSXの重要な要素のひとつである「視界の良さ」を継承。超高張力鋼管の採用で断面を小さくしたフロントピラー、位置を外側にオフセットしたドアミラーに加え、上部を平たくしたステアリングホイール、低く抑えたダッシュボードによりコーナリング時の前方・横方向の優れた視界を確保している。

  • NSXは、米国オハイオ州メアリズビル四輪車工場に隣接したパフォーマンス・マニュファクチュアリング・センター(PMC)で製造される。反復性が高く、精度が求められる作業はマシンに担わせる一方、各部の検証、塗装の仕上げ、ボディーパネル取り付けなどの重要行程は熟練の生産技術者が担当。職人技と先進技術を融合させた生産工程により、最高レベルの品質を追求している。

  • 「ヒューマン・オリエンテッド」をコンセプトとしてパッケージングを重視するNSXの思想を継承し、V8やV10ではなく3.5Lというコンパクトなドライサンプ式V6ツインターボエンジンを選択。ターボエンジンとして高圧縮比化するなど、さまざまな高出力化技術を投入し、大排気量エンジンを凌駕するパワーを手にした。

    高剛性の押出成形アルミ材を中心とした、複合素材によるスペースフレームを開発。全体を同一素材でつくることにとらわれず、各部位で最適な素材や製法を吟味することで、新世代のスーパースポーツにふさわしい高剛性と最大限の軽量化を達成している。

  • スーパースポーツのあり方を変えた初代NSXの重要な要素のひとつである「視界の良さ」を継承。超高張力鋼管の採用で断面を小さくしたフロントピラー、位置を外側にオフセットしたドアミラーに加え、上部を平たくしたステアリングホイール、低く抑えたダッシュボードによりコーナリング時の前方・横方向の優れた視界を確保している。

  • NSXは、米国オハイオ州メアリズビル四輪車工場に隣接したパフォーマンス・マニュファクチュアリング・センター(PMC)で製造される。反復性が高く、精度が求められる作業はマシンに担わせる一方、各部の検証、塗装の仕上げ、ボディーパネル取り付けなどの重要行程は熟練の生産技術者が担当。職人技と先進技術を融合させた生産工程により、最高レベルの品質を追求している。

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ミドルウエイト・3リッタークラスのNSXを完成の域へと到達させた新型NSX-R

誕生から12年。初代NSXは、3リッタークラスのエンジンを搭載したミドルウエイトスポーツとして、デビューした当時の基本設計を継承しながら進化を遂げてきた。
大幅なエンジンパワーアップが望めない中、NSX開発陣は、人がクルマを操る質、すなわち「コントロールクオリティ」を向上させることを中心とし、レーシングエンジンの組み立て手法などによるダイナミック性能の向上とともに速さを求めるアプローチを選択。初代NSXの完成形ともいえる最終モデル、新型NSX-Rを追加した。
コントロールクオリティを向上させる中心的な要素はマイナスリフトの実現である。それも単にマイナスリフトを発生させるのではなく、空力的メリットを積極的に操縦性の向上に活かす「空力操安」という新たな技術アプローチを開発。高速時に前後重量配分と同等のマイナスリフトを前後に発生させることで、高速での操縦性の変化を抑制。サーキットのハイスピード領域でアクセルをさらに踏み込めるような、しっかりとした操縦性を実現することに成功した。
高速でのスタビリティが高まる分、メカニカルグリップで走行する低速では、ロール剛性の前後バランスを最適化することで旋回性を向上させた。つまり「空力操安」により、高速から低速までより速く走る進化が可能になったのだ。
さらに、レーシングエンジン同様の高精度な回転重量バランス取りの実施、ピストンとコンロッドの気筒間相互重量差の抑制、クランクシャフト径とブロック軸受けの穴径を実測してベアリングメタルの厚みを選択することでメタルクリアランス精度を向上させるなどによりフリクションを低減。さらに、DBWとペダルストロークをサーキットでチューニングするなど、徹底したファインチューニングを行ってエンジンレスポンスを磨き上げ、スロットルレスポンスのリニアリティを高めた。新型NSX-Rは、スポーツカーとしての“純度”と“バランス”を研ぎ澄まし、今までとレベルの違う、高い安定性とコントロール性を実現した初代NSXの最終モデルである。

  • ボンネットにエアアウトレットを設け、前面から取り入れた空気を上面に逃がすことなどで、困難だったフロントのマイナスリフトを実現した新型NSX-R。そのボンネットとリアウイングは、専用開発のカーボン部材でつくり上げられた。

  • 前後重量配分に等しい前後のマイナスリフトを発生させることで、コントロールの質を研ぎ澄ました新型NSX-Rのコクピット。NSXの生き様を語るかのような実にシンプルなコクピット。

  • 新型NSX-Rは、ドイツ・ニュルブルクリンクで目標とされた8分を切ることができた。このサーキットは、NSX-R専用色であるチャンピオンシップ・ホワイトを身にまとったHonda F1マシン、RA271が1964年にデビューしたサーキットでもある。

  • ボンネットにエアアウトレットを設け、前面から取り入れた空気を上面に逃がすことなどで、困難だったフロントのマイナスリフトを実現した新型NSX-R。そのボンネットとリアウイングは、専用開発のカーボン部材でつくり上げられた。

  • 前後重量配分に等しい前後のマイナスリフトを発生させることで、コントロールの質を研ぎ澄ました新型NSX-Rのコクピット。NSXの生き様を語るかのような実にシンプルなコクピット。

  • 新型NSX-Rは、ドイツ・ニュルブルクリンクで目標とされた8分を切ることができた。このサーキットは、NSX-R専用色であるチャンピオンシップ・ホワイトを身にまとったHonda F1マシン、RA271が1964年にデビューしたサーキットでもある。

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固定式ヘッドライトを採用し、スタイリングを一新 空力性能を進化させ、走行性能も向上させた

発売以来NSXの顔であったリトラクタブル式ヘッドライトを一新して、固定式のヘッドライトを採用。従来のヘッドライドスペースに、常識を超えるコンパクト化を成し遂げ、プロジェクタータイプのディスチャージヘッドライトを搭載した。これにより、スタイリングイメージを一新するとともに、ヘッドライト点灯時の空力性能を大幅に向上させている。
デビューした当時、NSXの空力性能は世界トップレベルにあった。しかし、10年の時が流れ、タイヤ回りの流れを良くすることが空力にとって有効であるとわかってきた。その時代進化を受け、NSXのボディ上面の理想的な空力はそのままに、ボディ下部のデザインを進化させ、力強い外観にするとともに空力性能の向上を図った。
フロントバンパーのサイド部分を張り出させ、それまで正面からフロントタイヤに直接当たっていた空気の流れを横へと流し、フロントタイヤとの干渉を回避。その流れをリアエンドまで持続させるために、サイドシルガーニッシュの厚みを増してリアバンパースカートのサイド部までフラットな面を形成。さらに、リアバンパースカートの跳ね上げ形状により、リアエンドでボディ上下の空気の流れが出会うタイミングをコントロールし巻き込みを低減させている。
また、チンスポイラーの幅を増すことで後方の空気の流れを剥離させて負圧にしフロントの揚力を抑え、トランク上面にサブスポイラーを設けリアの揚力を低減。こうしたきめ細かな制御を行うことで、NSXは誕生10年を越えた2001年時点で再び世界トップレベルの空力性能を手にしたのだ。

  • タイヤまわりの空気の流れを美しくするべく、リファインされたフロントバンパー周辺。タイヤを覆い隠すように張り出しが強くなっているのがわかる。

  • 空力性能の向上に寄与するとともに、より精悍なデザインとなったリアまわり。エキゾーストパイプフィニッシャーも真円形状に。タイヤとフェンダーのクリアランスも詰められた。

  • インテークマニホールド・トップカバーのデザインも一新。「HONDA」の文字が堂々と刻まれた。

  • タイヤまわりの空気の流れを美しくするべく、リファインされたフロントバンパー周辺。タイヤを覆い隠すように張り出しが強くなっているのがわかる。

  • 空力性能の向上に寄与するとともに、より精悍なデザインとなったリアまわり。エキゾーストパイプフィニッシャーも真円形状に。タイヤとフェンダーのクリアランスも詰められた。

  • インテークマニホールド・トップカバーのデザインも一新。「HONDA」の文字が堂々と刻まれた。

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安全・環境性能を進化させ さらにディティールのデザインを進化

スーパースポーツでありながら、環境性能に妥協しないことも新世代スポーツNSXのこだわりである。多くの国内スポーツモデルが姿を消す時代にあり、NSXは新技術の投入により優れた環境性能を実現し進化を続けることができた。
さらに新開発の小型・軽量タイプのABSにより、高速からの減速や左右タイヤの接地路面状況が異なる場合の減速でも優れた安定性を確保。ディスチャージヘッドライトも全タイプで標準装備とするなど、安全性能も進化させている。
また、MT車の加速レスポンスを向上させるためにECUのプログラムを変更した。あわせて、ダブルコーンシンクロを5・6速にも適用し、6速MTのシフトフィールを向上させるなど、きめ細かな進化を遂げている。
シート、ステアリング、シフトノブなどの本革表皮をパンチングレザーとし、シートとドアパッドをシンプルなギャザーレスタイプに変更。全車両席への電動スライドシートの標準装備、精悍なデザインの切削タイプアルミホイールの採用、ボディカラーにサーキットブルー・パールなどの新色を追加するなど、ディティールにこだわりながら、デザインや快適性を着実に進化させている。登場から9年。普通ならモデルチェンジする年数であるが、NSXは基本を継承しながらスポーツカーとして熟成の道を歩み続けている。

  • パンチングレザー、シンプルなギャザーレスを採用したインテリア。両席とも電動スライドシートに、よりスポーティで快適なコクピットを追求。

  • 新色サーキットブルー・パールのボディカラー。新デザイン、切削タイプのアルミホイール。

  • パンチングレザー、シンプルなギャザーレスを採用したインテリア。両席とも電動スライドシートに、よりスポーティで快適なコクピットを追求。

  • 新色サーキットブルー・パールのボディカラー。新デザイン、切削タイプのアルミホイール。

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3.2Lへの排気量アップ、6MT、ブレーキ大径化 電動パワーステアリングの熟成、Type Sの追加

デビューして7年。NSXは、エンジン排気量を3.0Lから3.2Lへとアップさせた。排気量アップは、シリンダーブロックのピストン擦動部に鋳込まれている鋳鉄ライナーを繊維強化金属(FRM)に変えることでシリンダー間壁を10mmから7mmとし、ボア径をφ90mmからφ93mmに拡大することで実現。ボアピッチを保ったまま、202cm3排気量をアップさせた。
それに合わせ、吸排気系も変更し全域でのトルクアップを達成している。吸気系は、インレットバルブの傘径をφ35mmからφ36mmにし、インジェクターの流量を15%アップさせた。排気系では、エキゾーストマニホールドをレーシングエンジンなどで多用されるステンレスパイプとし、これによって得られる重量マージンを使い、集合部までの長さを等長に近づけるべく単管部をロング化している。また、5速までをそれまでよりクロスレシオ化した6速MTを開発し、より痛快な加速性能を実現している。
コントロール性を向上させるべく、サスペンションチューニングを実施。前後ブレーキディスクローターを16インチ化するとともにABSの前後バランスも最適化。電動パワーステアリングの制御も煮詰め、より自然なフィーリングを追求。オールアルミボディのベークハード性を向上させ、強度アップと軽量化を実現。これらにより、さらにダイナミックなスポーツドライビングが可能となった。NSXは、まさに熟成という言葉通りに進化を続けている。

また、“ワインディングベスト”の走りをめざし、45kgの軽量化とよりハードなサスペンションチューニングなどを施したtype Sをモデル追加。セッティングの方向性は、サスペンション剛性をリアで高めながら、フロントを相対的に柔らかにすること。これにより限界域まで操舵力が途切れず、確かなステアリングインフォメーションを確保しながら、よりニュートラルでコントローラブルな、まさにワインディングを気持ちよく走るにふさわしいステア特性を実現した。エアコンが標準装着、電動パワステも装備可能。スポーティな走りを、より快適に楽しみたいオーナーにふさわしいモデルである。

  • サイズをキープしたまま3.2Lへの排気量アップを実現したC32B。鈴鹿サーキットのヘアピンの立ち上がりで、トルクアップの恩恵を最も感じると、NSXオーナーズ・ミーティングの講師が語っていた。

  • リアバンク側のステンレスパイプ製エキゾーストマニホールド。等長に近づけることで、排気干渉を低減。排気量アップと吸排気系の変更により、トルクピークポイントをそのままに全域でのトルクアップを実現した。

  • 6速MTのカットモデル。高強度ギア材を採用し、ギアの厚みを低減してケースの大きさを変更することなく6速化を実現した。クラッチをφ190mmツインから、セット荷重を高めた高μライニング仕様のコンパクトなφ230mmシングルとすることで、従来スペースに6速MTを搭載した。

  • サイズをキープしたまま3.2Lへの排気量アップを実現したC32B。鈴鹿サーキットのヘアピンの立ち上がりで、トルクアップの恩恵を最も感じると、NSXオーナーズ・ミーティングの講師が語っていた。

  • リアバンク側のステンレスパイプ製エキゾーストマニホールド。等長に近づけることで、排気干渉を低減。排気量アップと吸排気系の変更により、トルクピークポイントをそのままに全域でのトルクアップを実現した。

  • 6速MTのカットモデル。高強度ギア材を採用し、ギアの厚みを低減してケースの大きさを変更することなく6速化を実現した。クラッチをφ190mmツインから、セット荷重を高めた高μライニング仕様のコンパクトなφ230mmシングルとすることで、従来スペースに6速MTを搭載した。

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タイプTの登場 電子制御スロットルDBW、Fマチックの開発

NSXという基本の幹を太くすべく性能を高めながら、派生モデルの枝葉を茂らせるように進化を続けるNSX。
1995年、NSXは数々の新技術を搭載して進化を遂げた。元は航空機技術でありF1マシンも採用していた電子制御スロットル「DBW(ドライブ・バイ・ワイヤ)」を開発。これにより、ペダルフィーリングとアクセルワークのダイレクト感を向上させて操る喜びを高め、スロットルまわりで3kgの軽量化を実現した。
また、近年では当たり前となりつつあるが、当時のスーパースポーツとしては希有な技術であったTCS(トラクション・コントロール・システム)を進化させた。横Gセンサーの搭載とDBW化によって制御の精度とレスポンスを向上。アクセルオフによる減速でエンジンブレーキが掛かり過ぎた場合も、DBWでスロットルを「開ける」新たな減速制御が可能となり、より安全かつ快適な走りを実現した。さらに、快適にドライブできるスーパースポーツであるNSXを象徴する技術であるATに、マニュアル感覚の変速が楽しめるスポーツAT「Fマチック」を搭載。当時は各ギアが自動的にシフトアップするクルマが多かったのに対し、NSXは1速以外をレブリミットまでエンジンを回し切るよう設定。AT車のスポーツドライビングをより楽しいものとした。

そして、スポーツカーとしては欠かせないオープントップモデル、タイプTを追加。NSX開発チームは、オープン化によるボディ剛性の低下を許さず、徹底してボディ剛性を高めてモデル追加したのだ。軽量なアルミボディのメリットを活かし、スポーツカーとしてサーキットを十分に堪能できるボディ剛性を、最小限の重量増加で済むよう徹底して開発。その剛性強化項目をクーペなど他のモデルにも活かし、NSX全体のボディ剛性向上に繋げた。また、外したルーフをリアキャノピーのエンジン上部に収納するユニークなルーフシステムにもHondaのこだわりが見える。

  • セレクトレバーをマニュアルモードにすると、ステアリングコラムの左側にあるレバーでマニュアルシフトが可能なFマチックを開発。1速のみ7,000rpmで自動シフトアップされるが、それ以外はレブリミットまで引っ張ることができる。

  • オープンにしたとき、サンバイザーがルーフラインから飛び出すクルマが多いなか、NSXの開発陣は、オープン時の開放感を阻害しないようサンバイザーをルーフラインに沿うようスッキリと収めたり、風の巻き込みをマネジメントするなどきめ細かな気配りを行っている。

  • アルミ押し出し材でもともと剛性の高いサイドシルの板厚をアップするなどにより、さらなるボディ剛性強化を実施した。

  • セレクトレバーをマニュアルモードにすると、ステアリングコラムの左側にあるレバーでマニュアルシフトが可能なFマチックを開発。1速のみ7,000rpmで自動シフトアップされるが、それ以外はレブリミットまで引っ張ることができる。

  • オープンにしたとき、サンバイザーがルーフラインから飛び出すクルマが多いなか、NSXの開発陣は、オープン時の開放感を阻害しないようサンバイザーをルーフラインに沿うようスッキリと収めたり、風の巻き込みをマネジメントするなどきめ細かな気配りを行っている。

  • アルミ押し出し材でもともと剛性の高いサイドシルの板厚をアップするなどにより、さらなるボディ剛性強化を実施した。

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サーキットで最も快適に走ることをめざしたNSXのピュアスポーツモデル「タイプR」。

NSXを開発するにあたり、スーパースポーツの新たな価値を模索する一方で、快適性をある程度割り切ってでも運動性能を研ぎ澄ましたいという意見が研究所内にあった。その想いを実現したのがNSX発売2年後に誕生したNSX-Rである。
運動性能を向上すべく、元々軽量なNSXの車両重量を120kgも軽量化した。リアパーティションガラスを2枚から1枚にしたり、パワードアロックやトランクオープナーをなくすなど快適性を割り切る軽量化から、エンジンのメンテナンスリッドをアルミ化したり、ルーフライニングやトランクライニングを削るなど、まさにグラム単位のきめ細かな軽量化項目を山と積み上げて達成した大幅なウエイトダウンだ。
エンジンは、徹底した品質管理で各パーツの重量バランスを取って組み上げるというレーシングエンジンさながらのこだわりの組み立て手法でさらなる高性能を実現。
サスペンションは、スプリングレートを高めて足まわりを強化し、専用開発のダンパーとハイグリップタイヤの採用、ドイツ・ニュルブルクリンクでの徹底した走り込みにより、アライメント等のチューニングを実施し“サーキットベスト”の走りを実現した。
大幅な軽量化と優れたドライバーサポート性を実現した専用開発のレカロ社製フルバケットシート、MOMO社製ステアリングホイールを採用。また、Hondaが初めてF1に参戦したときのマシンのボディカラーを継承した「チャンピオンシップ・ホワイト」を専用ボディ色として設定。コンセプトに心酔した者しか寄せ付けないほど、市街地ではハードな乗り心地であることでも話題を呼んだ。しかし、開発途中に鈴鹿サーキットで試乗したアイルトン・セナは、ひと言「コンフォート」とコメントした。

  • NSX-R専用ボディカラーのチャンピオンシップ・ホワイト。専用開発のアルミホイールも同色で仕上げられた。

  • 専用開発のMOMO社製ステアリングホイールとレカロ社製フルバケットシート。ニュルブルクリンクでの徹底的な走り込みで専用チューニングされた。レカロ社のスタッフは、「サーキットへ同行して共同開発したのは初めての経験だった」と語った。

  • チタン削り出しのシフトノブ。かつてマニュアル操作を行っていたF1マシンのシフトレバーをイメージした形状である。下は、マクラーレンHonda MP4/5(1989年)のコクピット写真。

  • NSX-R専用ボディカラーのチャンピオンシップ・ホワイト。専用開発のアルミホイールも同色で仕上げられた。

  • 専用開発のMOMO社製ステアリングホイールとレカロ社製フルバケットシート。ニュルブルクリンクでの徹底的な走り込みで専用チューニングされた。レカロ社のスタッフは、「サーキットへ同行して共同開発したのは初めての経験だった」と語った。

  • チタン削り出しのシフトノブ。かつてマニュアル操作を行っていたF1マシンのシフトレバーをイメージした形状である。下は、マクラーレンHonda MP4/5(1989年)のコクピット写真。

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Hondaの原点ともいえる人間中心を具現化したかつてないスーパースポーツが誕生した。

「Hondaがつくるからには、今までにない世界第一級のスポーツカーをめざす」
ハイパワーで扱いにくいヘビー級スポーツカーでも、扱いやすくてもパワー不足のライト級スポーツカーでもない、パワーと人の能力がバランスし、極めるほどに奥深い性能を楽しめる3.0リッター級のエンジンを持つミドル級スポーツカーを選択。
ミドル級でありながら、世界第一級の運動性能をめざすことを明確な目標とし、量産車世界初のオールアルミボディ、8,000rpmまで回る高回転型の3.0L V6 DOHC VTEC 自然吸気エンジン、アルミ鍛造アームやコンプライアンス・ピボットを採用したインホイール型ダブルウイッシュボーンサスペンション、前後異径タイヤといった革新的な技術を生み出した。
そしてHondaは、それまでのスーパースポーツではやむを得ないとされていた、視界の悪さや窮屈なドライビングポジション、クセのある操縦性などの我慢からドライバーを開放することにも挑んだ。マシン中心主義から人間中心主義へ。Hondaの原点ともいえる思想が注ぎ込まれたNSXは、スーパースポーツというカテゴリーで、ヒューマン・オリエンテッドという新たな価値を創造したのだ。NSXという車名は、New Sports Xの頭文字。すなわち「未知なる新世代スポーツ」を意味する。
また、世界第一級の運動性能を持ちながら多くの方が快適にドライビングできるNSXの登場により、それまでスポーツカーに縁のなかった人もオーナーとなってスポーツカーライフを楽しむことが可能となった。NSXはまさに、スーパースポーツの解放を成し遂げたといえる。
2014年現在、誕生から24年を経過してもなお人気は衰えず、多くの人に愛され続け、世界に熱きNSXファンが存在し続けている。

  • 量産車世界初のオールアルミボディ。これは徹底した軽量化を追求した本田技術研究所のこだわりの産物である。NSXはこのボディがなければコンセプトを具現化することができなかった。NSXのオールアルミボディを製造するために、専用工場を建て、大電流が必要なアルミ溶接のために変電所まで建設し、スポット溶接機も新開発した。

  • 新開発の3.0L V6 DOHC VTECエンジン。ミドル級でトップレベルのパワーをめざし、8,000rpmの高回転を実現するために、チタンコンロッドなどレーシングテクノロジーが導入された。

  • 優れた運動性能を実現するとともに、NSXの低い車高を実現したインホールタイプの4輪ダブルウイッュボーンサスペンション。アライメントを保持するためにブッシュを固める必要があり、乗り心地が悪化する懸念があったが、コンプライアンス・ピボット(フロント)の新開発により解決した。上下アームの前端に付いている縦型のパーツがそれである。

  • 量産車世界初のオールアルミボディ。これは徹底した軽量化を追求した本田技術研究所のこだわりの産物である。NSXはこのボディがなければコンセプトを具現化することができなかった。NSXのオールアルミボディを製造するために、専用工場を建て、大電流が必要なアルミ溶接のために変電所まで建設し、スポット溶接機も新開発した。

  • 新開発の3.0L V6 DOHC VTECエンジン。ミドル級でトップレベルのパワーをめざし、8,000rpmの高回転を実現するために、チタンコンロッドなどレーシングテクノロジーが導入された。

  • 優れた運動性能を実現するとともに、NSXの低い車高を実現したインホールタイプの4輪ダブルウイッュボーンサスペンション。アライメントを保持するためにブッシュを固める必要があり、乗り心地が悪化する懸念があったが、コンプライアンス・ピボット(フロント)の新開発により解決した。上下アームの前端に付いている縦型のパーツがそれである。

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