2000年の安全運転普及活動を語る
 
大久保博司  本田技研工業(株)常務取締役
        ホンダ安全運転普及本部長
クルマのIT化が進んでも、
安全に関わる「人」への教育はますます重要になります
お客様への安全運転普及活動を展開する中で、教育の効果と指導者づくりの重要性がますます高まっています。ホンダ安全運転普及本部30年の節目の年、今までの歴史を踏まえ、21世紀への安全運転普及活動の展開について大久保博司ホンダ安全運転普及本部長が語りました。
大久保本部長 2000年の安全運転普及活動
 お客様と直に接する販売店において、二輪ではアドバイスシートを作成し、ライディングアドバイザーを通してライダーの安全運転啓発活動を行なう一方、四輪ではお客様にクルマを安全快適に楽しんでいただくために、チーフセーフティコーディネーターの養成を推進しました。
  また、今年は4、5歳児の交通安全教育プログラム「あやとりぃ ひよこ編」が(財)消費者教育支援センターから消費者教育教材資料表彰の優秀賞を受賞しました。高齢者の日常生活の足としてモンパル(電動車イス)も普及しつつあります。今後も高齢者の行動範囲の拡大を安全教育の面からサポートしていきたいと考えています。
  こうした中、交通安全教育の指導者養成が求められており、交通教育センターの役割が重要になっています。指導者養成にあたるインストラクターがレベルアップを目指す「セーフティジャパンインストラクター大会」は今年4回目を迎えました。ポルトガルの交通教育センターのオープン、タイの交通教育センターの拡張など、世界各国でも交通安全活動の指導者養成に努めています。

21世紀の安全運手普及活動
  お客様に手渡しの安全をお伝えできているか、効果があがっているかという観点から安全運転普及活動の効果を検証していきたいと考えています。今年はその緒についたばかりです。これは来年に向けての大きな課題だと思っています。
  21世紀はクルマの技術革新のさらなる進化が予測されています。IT化が進む中で、人への教育の質が変わってくると思います。シミュレーター教育は疑似的な交通環境と様々な危険を再現し体験できるという点で最善の方法だと思います。そうした中でシミュレーターを活用することで一人ひとりの運転特性などがフィードバックされ、個々に応じた安全運転教育が展開できるのではと考えています。
  一方、クルマがどんなに進化しても安全に関わるところで人間が判断し、操作する部分は変わらないのではないでしょうか。クルマの走る、曲がる、止まるという基本的操作は今まで以上にしっかりと身につけていただく必要があると思います。
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