シリーズ終盤戦に万全の態勢で臨もうとしていたチームHRCに、負傷者が続出した。まず、AMAナショナルのスポット参戦を含む、アメリカでの走り込みから帰国した熱田が、今大会に備えた練習で右手の小指付け根の骨にヒビを入れてしまった。土曜日のプラクティスと予選を走ってみた熱田は、コンディションが芳しくないため決勝の出走は断念。2週間後の菅生から復帰し、後に控えるモトクロス・デナシオンには予定通り出場できる見込みだ。
もう一人の負傷者は小田切。やはり今大会目前の練習中に、左膝の靭帯損傷と大腿骨亀裂というダブルパンチに見舞われたが、痛みを押して出場した小田切が、ハンディキャップに耐えて勝つ見事なレースとなった。
●250ヒート1
ホールショットの高木に続き、小田切がスタート2番手の好位置を得た。2周目には大河原の先行を許し、3番手に下がった小田切だったが、5周目からはリーダーとなった大河原、小田切、高木がトップ3を形成することになる。一方、高濱はスタートで出遅れて、1周目13番手から追い上げるレースとなった。
小田切は8周目に大河原をかわしトップに浮上すると、徐々にリードを広げる。この頃には高濱が7番手まで挽回、さらに上位を狙う勢いだったが、9周目の2連ジャンプ着地で転倒していたマシンに激突してリタイア。高濱はクラッシュの際に、肩と肘に打撲を負ってしまった。
膝の痛みから解放されない小田切は、終始リタイアを念頭に置きながらも我慢の走りを続け、大河原に10秒ほどのリードをつけて優勝。この戦果は、小田切が今季開幕戦から実戦で育んできたCRF450Rの初優勝であり、彼自身にとっても’99年の第2戦(名阪)以来のうれしい勝利であった。
●250ヒート2
勝谷がホールショットを取ったが、1周目から大河原がリーダーとなった。勝谷をはさんだ3番手以下には、田中、高木、小田切、小池田、高濱と続く。その後上位陣は、大河原、田中、成田の三つ巴となり、リーダーは8周目に田中、10周目には成田と入れ替わった。
一時はセーフティリードを築いた成田だったが、終盤に差しかかるとペースが衰え、17周目には大河原がトップの座を奪回して優勝。高濱は成田、田中に次ぐ4位でフィニッシュ。小田切は膝の痛みにより10位までポジションを下げた。
●125ヒート1
ホールショットの芹沢をかわした田島が、1周目からトップに立ち、逃げきりで優勝。芹沢は一時5番手まで後退したが、2位まで挽回してみせた。
●125ヒート2
1周目からトップに立った芹沢が、川島、北居らを引き離し、中盤には10秒以上の独走態勢に持ち込む。だが、スタート11番手から追い上げた田島が、14周目に逆転し優勝。芹沢は2位の座を得た。
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