レース直前の木曜日、高濱が練習中のクラッシュで両手首を骨折……。ディフェンディングチャンピオン不在という、異例の事態で迎えた今大会だったが、TEAM
HRCは少しも揺らぐことはなかった。
水はけのよい山砂のコースとして知られる名阪スポーツランドは、レース当日未明までの降雨により、適度に散水された状態と同等のベストコンディションだった。
●250ヒート1
成田がホールショットを取ったが、オープニングラップ後半で熱田孝高が早々と前に出た。1周目のオーダーは熱田、成田、高木、小田切、小池田……。このトップグループの中で好位置を得た小田切は、2周目には3番手、6周目には2番手とポジションアップし、注目の4ストロークマシン、CRF450Rを快調に走らせた。
小田切の浮上によって、TEAM HRCのワンツーが形成されるが、前をひた走る熱田はすでに15秒ものリードを築いており、趣は完全な独走態勢である。しかも熱田のラップタイムは、2番手以下のそれを毎周4〜5秒も上回るハイペース。熱田はアウト側のバンクを多用する全開ライディングで、周遅れを量産していった。
後半になると、3番手は成田から増田へと代わる。だが、スタート16番手から追い上げて来た釘村が、ラスト3周で増田をかわし3位に浮上。これで熱田、小田切、釘村のトップスリーが確定した。
最終的に熱田は、1分8秒もの大差をもって優勝。しかも、7位以下のライダーを周回遅れにする圧勝だった。
●250ヒート2
ホールショットから逃げる大河原を、成田が2周目にかわして序盤のリーダーとなった。3番手以下には勝谷、小池田、中山と続くが、ヒート1でワンツーフィニッシュを決めたHRC勢は、二人ともスタートに失敗し、熱田が9番手、小田切が16番手と出遅れた。
レース序盤、成田は大河原に対するリードを6秒まで広げたが、6周目に熱田が2番手に浮上してくると、あっという間に追い付かれてしまう。9周目からは熱田がリーダーになり、ヒート1同様の快ペースで独走に持ち込んだ。中盤に差しかかると、成田と大河原の2位争いが激しくなるが、やがて小康状態を迎えた。
依然としてトップを行く熱田は、成田を30秒ほど引き離したところで、今大会2勝目、開幕から数えて4連勝のチェッカーを受けた。注目の小田切は、スタート失敗から追い上げた末に、8位でフィニッシュした。
●125ヒート1
溝口がホールショットを取り、序盤をリード。4周目からは田島がトップに立ったが、背後では加賀、溝口、小島による2番手争いが激しくなり、田島も完全な独走態勢には持ち込めない。11周目からは溝口が田島をかわしてリーダーに返り咲き、そのまま追撃を振り切って優勝。一方、スタート15番手から猛烈なペースで追い上げてきた高見が、終盤になって小島に迫ったが、最終コーナーまで持ち越された3位争いは、小島がわずかに前で決着を見た。
●125ヒート2
オープニングラップから田島がトップに立ち、2番手につけた高見との一騎打ちとなる。高見は6周目までリーダーに食らい付いていたが、その後徐々にペースが衰え、中盤以降は田島の独走となった。終盤になると、高見の背後には加賀が接近。ヒート1同様のバトルになりそうだったが、ここは高見が逃げ切って2位、加賀が3位という結果になった。
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