釣り方・釣り具解説

この釣りでは「ヘチ釣り」と呼ばれる、岸壁に沿ってギリギリを釣っていくスタイルが基本になる。そのうえで、ヘチ釣りには宙層ねらいの「タナ釣り」と、底の周りをねらう「底釣り」の2とおりの探り方がある。どちらもミチイトは必要な長さだけをリールから出したら固定し、あとは岸壁に沿って上下させる操作を繰り返すのは同じだ。

タナ釣りでは、帯状に付着しているカラスガイの層を中心にした「潮間帯（高潮線と低潮線の間にできる帯状の部分）」をポイントに定める。カラスガイは満潮の時には潮をかぶり、干潮になると露出するような位置に多く付着するためだ。また、いずれの釣り方をする場合でも、釣りをする際はむやみに体を外に乗り出さず、ヘチから一歩下がって、サオ先を岸壁沿いに下ろすようにする。それによりクロダイに警戒されにくくなり、また壁際ギリギリにエサを落とす操作もやりやすくなる。

一方の「底釣り」は、底まで落ちてくるエサを拾うクロダイをねらう。日中、ナギ、澄み潮などクロダイが浮きにくい条件下で有効だ。底釣りの場合は底ダチが取れる分を想定して、リールから出すミチイトを長くする。一度底まで落とし込んで水深を測ってみるとよいだろう。

この釣りで大切なのが、一定のイトフケを保つようにして仕掛けを落とし込んで行くこと。イトフケを保ったほうが自然に落ちていくエサを演出しやすく、またクロダイの食い込みもよくなる。その際はガン玉の調整が大事になる。潮の流れに応じて重さを選ぶことで、適度にミチイトがはらみつつ仕掛けが落ちて行くバランスになるからだ。サオを下ろして反応がなければ、5mほど横にずれてまた落とし込みを行なう。これを繰り返し横方向にのびている壁面をまんべんなく探っていく。