クロダイ落とし込み釣りの主な舞台は沖堤防。東京湾では久里浜、野島、横浜、川崎、五井、長浦、木更津などに地元から渡船が出ている。堤防に上がったら、岸壁際を歩きながらヘチ釣りで広範囲を探っていく。夏は岸壁にクロダイの好物であるカラスガイがびっしりと付着し、カニやエビなどのエサも豊富にいるため、クロダイが岸壁に寄りつくのだ。
なかでもねらいめとなるのは、潮がぶつかる当て潮の面の岸壁。ここには多くのクロダイが集まる傾向がある。潮が動いている面は、浮上している泡やゴミの動きを見れば一目瞭然だ。なお、海に波気があったほうが、クロダイの警戒心は薄まりやすく、エサを追う活性も高くなる。また、潮通しのよい「コバ」と呼ばれる堤防の先端部は特に釣れる可能性が高い一級ポイント。チャンスがあれば必ずねらうようにしたい。
この釣りで魚が釣れやすい時合は、まず朝夕のマヅメ時。あとは潮の動いている時間帯となる。そのため釣りに出掛ける時はあらかじめ潮時をチェックし、満潮、干潮の潮止まり前後は見逃さないようにしたい。シンプルな釣りなので、時合に集中してサオをだすのも釣果を上げる方法の1つになる。