カジカの見釣りの基本はとても簡単だ。技術的に難しいことはなく、川の中をのぞきこんでカジカが潜んでいそうな〝怪しい穴〟を見つけたら、その中にイクラを付けたサオ先を差し込む。大切なのは1つの場所がダメでも、とにかく反応を探って次々に可能性のありそうな穴を試していくこと。カジカは石と石が重なった隙間の中でも、周囲に比べて水通しがよく、新鮮な酸素や川虫などのエサが絶え間なく供給される条件のよい場所を選んで棲んでいる。そうした当たりの穴は、最初のうちは見ただけではなかなか分からないので、まずは「数撃てば当たる」の要領で探っていくのだ。カジカはとても食欲旺盛な魚なので、そこにいさえすれば、素直にエサに食いついてくる。
最初のうちは川の中にある石と石の隙間のすべてがポイントに見えてしまうだろう。それでも実際にカジカのいる当たり穴が分かってくるにしたがい、カジカがいそうな雰囲気がつかめてくる。一例として、カジカの好む水通しのよい隙間の入り口は、葉っぱやコケなどのゴミが少なく、なおかつ内部に奥行があるので、入口自体は暗いのだが、「周囲が明るく見える」と経験者は語る。