子どもから大人まで、誰でも簡単に遊べる釣りの対象魚として知られている
フナ。厳密には「ギンブナ」と「キンブナ」の総称で、
ヘラブナと区別するために「マブナ」と呼ばれることもある。ギンブナは全国的に分布しており、キンブナは関東から東北地方でよく見られる。実際には同じ場所で両方が混じって釣れてくることも多い。
生息地は湖沼や湿地帯、河川の下流域など流れの比較的緩い場所。雑食性で、底付近を泳ぎながら藻類や動物プランクトン、小型の生き物などを食べている。繁殖期は4~6月。この時期のフナは
乗っ込みと呼ばれ、岸近くの浅場にやってきて産卵前には盛んにエサを食う。その年に生まれたフナの幼魚(
当歳魚)は秋になると数cm前後に成長し、釣りの対象となる。3cm前後の当歳魚は「柿の種」とも呼ばれている。
銀鱗の美しいギンブナ。最大で30cm前後になるが、近縁種のヘラブナに比べて成長のスピードは遅い
キンブナは最大で約15cm、ギンブナほどは大きく育たない。鱗の色で見分けることができる
関東地方では
ホソと呼ばれる小水路でのフナ釣りが人気。穏やかな田園風景のなかで繊細なウキの動きに目を凝らす
フナは体高があるので想像以上に小気味よい引きが楽しめる。5cmに満たないような小ブナでも、繊細な道具立てで臨むとスリリングだ
フナ釣りは周年楽しめるが、シーズンごとに特色がある。秋は小ブナ釣りの最盛期。9月以降、気温が下がり始めると数cm前後の当歳魚の数釣りが楽しめる
一見、同じように見えるホソでもフナのいる場所といない場所がある。ポイントを求めて釣り歩くスタイルが一般的だ
冬が近づき、さらに水温が下がるとフナはやや水深のある場所などに集まる。群れの居場所を見つけたら、腰を据えて「エンコ釣り」スタイルでねらえば数が伸びる
手作業で仕上げられた漆塗りの竹ザオ。和の道具を使いはじめるとフナ釣りの魅力はさらに奥行きを増す。高級なものばかりではないので、興味があればぜひ専門店をのぞいてみよう
※このコンテンツは、2010年11月の情報をもとに作成しております。 最新の情報とは異なる場合がございますのでご了承ください。
※環境省レッドリスト等の掲載種については、法令・条例等で捕獲等が規制されている場合があります。必ず各自治体等の定めるルールに従ってください。