2016 MotoGP レギュレーション解説

3. Moto3クラス

重さが増えるとマシンへの影響は?

3-2. マシン重量の変更

 さて、2016年は、マシンについての規定が変更されました。Moto3クラスでは、マシンとライダーの合計最低重量が定められており、ルールブック上では以下のように記されています(太字は今年の変更部分)。

(原文)

2.6.4.1 Weights

1. The following are the minimum weights permitted:
Moto3 motorcycle + rider 152 kg

2. Ballast may be added to achieve the minimum weights.

3 Weight may be checked at the initial technical control, but the main control of weight will be made at the end of practice sessions or at the end of the race. The weight of the motorcycle will be that measured in the form that the motorcycle participated, with fuel tank on and including normal levels of oil and water, and all additional equipment attached to the motorcycle, for example timekeeping transponders, camera equipment, electronic datalogging equipment etc.
For the Moto3 class the weight checked will be the total of the rider with full protective clothing plus the weight of the motorcycle. Random weight controls may be carried out during practice in a designated weighing area.

(日本語訳)

2.6.4.1 重量

1. 以下は、許容される最低重量である:
Moto3モーターサイクル + 選手 152 kg

2. 最低重量を達成するためにおもりを追加してよい。

3 重量は最初の技術審査で計測を行ってもよいが、主とする重量審査はプラクティスセッションの終了時もしくはレース終了時とする。モーターサイクルの重量は、参戦するモーターサイクルに燃料タンクを搭載して通常レベルのオイルと水を含み、計時用トランスポンダやカメラ装置、電子的データ記録装置等、すべての付加的備品をモーターサイクルに装備した状態で計測をされる。
Moto3クラスの重量検査は、装具類をすべて身につけた選手とモーターサイクルの重量の合計とする。無作為な重量審査は、指定する計測場所においてプラクティス中に実施をしてもよい。

 1箇所のみの変更ですが、最低重量が152kgとなりました。この最低重量は、2015年のレギュレーションでは149kg、このクラスが始まった2012年から2014年までは148kg、となっていたので、今年から3kg増やされたことになり、今までよりも大きな変化であることがわかります。レーシングマシンは、グラム単位で重量が走りに影響する精緻な世界ですから、3kg増加の影響はかなり大きなものになります。

 「昨年のマシンから3kg増やすのだから、重りを載せればいいのでは?」と思うかもしれませんが、さまざまなパーツがバランスを形成しているため、単純に3kg分の重りを載せるだけではマシンの挙動が変わりかねません。したがって、この変更をどのように選手とチームが達成しているのか、という点も今シーズンの隠れた見どころになるかもしれません。

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