Round14バレンシアバレンシアGP

MotoGP

サーキット・リカルド・トルモ

第14戦 バレンシアGP

2週連続同一サーキットでの開催。
前戦4位の中上貴晶は初表彰台登壇なるか

第13戦ヨーロッパGPからの連戦となる第14戦バレンシアGPが、11月13日(金)~15日(日)の3日間、サーキット・リカルド・トルモ(以下、バレンシア・サーキット)で開催されます。バレンシアGPは1999年に第1回大会が開催され、今年で22回目を迎えます。先週はヨーロッパGPが開催され、バレンシア・サーキットでのグランプリ開催は23回目となります。

シーズン最終戦の舞台として定着しているバレンシアGPはシーズンで最も観客が集まる大会の一つです。タイトル争いが最終戦決着となった2017年は、決勝日が11万人、3日間で約21万人のファンが集まり、その中でマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が2年連続4回目のタイトルを獲得。さらに18年には3年連続5回目、19年は4年連続6回目のタイトルを決めての凱旋レースとなり、チャンピオンを一目見ようと決勝日は大観衆が集まりました。今年は新型コロナウイルスの感染拡大で無観客のレースとなっており、マルク・マルケスも第2戦スペインGPで骨折した右腕上腕の治療とリハビリを続けています。

今年はマルク・マルケスの欠場でHonda勢は厳しいシーズンを過ごしていますが、今週のバレンシアGP、さらには新たにカレンダーに追加された最終戦第15戦ポルトガルGPと続く2戦で、今季初優勝を目指し、全力で挑みます。

バレンシア・サーキットは、一周が4.005kmのテクニカルコース。スペインGPが開催されるヘレス、マレーシアGPが開催されるセパン同様、ウインターテストの舞台としても定着しています。そのため、ライダーの経験値が高く、チームの持つデータも豊富で、初日からレベルの高い走りが繰り広げられます。今週はヨーロッパGPからの2週連続の開催となり、一段とレベルの高い厳しい戦いが予想されます。

前戦ヨーロッパGPで2戦連続のフロントロー3番手から4位でフィニッシュした中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)が、今大会は初表彰台、そして初優勝に挑みます。ヨーロッパGPは不安定なコンディションの中でフリー走行、予選が行われました。そして決勝は晴天となり、3日間を通して目まぐるしくコンディションが変わりましたが、中上はどのコンディションでも安定した走りを見せました。

第12戦テルエルGPでは初のポールポジションから転倒リタイアと悔しい結果に終わりました。第13戦ヨーロッパGPでは2戦連続今季3回目のフロントロー3番手から4位。終盤のすばらしい追い上げで表彰台獲得にあと一歩に迫りました。今大会は、過去2戦の経験を活かし、シーズン10人目のウイナーを目指します。

ルーキーで今季目覚ましい成長を遂げたアレックス・マルケス(Repsol Honda Team)が、3戦ぶりの表彰台獲得と初優勝に挑みます。今年は新型コロナウイルスの感染拡大による短期集中の変則カレンダーとなり、ルーキーにとっては厳しいシーズンとなりました。そのような状況の中で第10戦フランスGPでは初表彰台獲得となる2位、第11戦アラゴンGPで連続2位と調子を上げました。過去2戦は好走を見せるも2戦連続転倒と結果を残せませんでした。前戦ヨーロッパGPはめまぐるしく変わるコンディションに苦戦し、予選14番手からトップ10争いをしますが転倒リタイアとなりました。今大会はアレックス・マルケスにとっては追い風となる2週連続の開催。念願の初優勝に挑みます。

今季、ケガと手術の影響で思うような結果を残せていないカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)は、前戦ヨーロッパGPは不安定な天候の中で予選16番手、決勝は転倒リタイアと残念な結果に終わりました。第11戦アラゴンGPでは、今季初フロントローの3番手から今季ベストリザルトの8位と調子を上げましたが、連戦となった第12戦テルエルGPでは予選7番手から初表彰台を目指すも走行中に右肩を痛め、ペースが上がらず11位と苦戦。そして第13戦ヨーロッパGPも混戦の中でオーバーランを喫し転倒と、なかなかいい流れにつなげられません。しかし、力のある選手だけに、連戦となる第14戦バレンシアGP、第15戦ポルトガルGPの巻き返しに注目されます。

右腕上腕を骨折し、治療とリハビリを続けるマルク・マルケス(Repsol Honda Team)の代役として、10戦を迎えるステファン・ブラドルが今季ベストを目指します。代役としてレースをこなすごとにパフォーマンスを上げているブラドルは、第10戦フランスGPの8位に続き、第12戦テルエルGPでは12位。先週のヨーロッパGPでも難しいコンディションの中で予選13番手から決勝12位と今季3回目のポイント獲得を果たしました。今大会は、フランスGPの8位をしのぐ今季ベストに挑みます。

 

コメント

中上貴晶(MotoGP 総合8位)
「先週に続き、今週末もバレンシアでレースです。とてもうれしいです。気分はいいですし、前回の4位よりもいい結果を残したいと思っています。レースウイークを通して最高のパフォーマンスをしたいです。金曜日にどうスタートさせるかがとても重要になります。いい結果を残す準備はできています」

アレックス・マルケス(MotoGP 総合14位)
「今シーズン最後の2レースへ向けて仕事に戻ります。先週末は2日間が雨。そして日曜日はドライと予測の難しいコンディションでした。しかし、転倒するまではうまく走行することができました。そのため今週末へ向けて自信がつきました。今回もいい仕事ができると思います。もちろんほかのみんなも一歩前進してくると思うので、引き続き仕事に取り組まなければなりませんが、今回も目標へ向けてチャレンジできると思います。今やるべきことは、できる限りいい形でシーズンを終えられるようにプッシュすることです」

カル・クラッチロー(MotoGP 総合19位)
「先週末はレース序盤に転倒してしまい、残念でした。でもタカはすばらしい仕事をしました。僕たちのために常に一生懸命がんばってくれているLCRチームにとってすばらしいことでした。役に立つインフォメーションを得ることができたので、今週末のレースが楽しみです。いい天気になって、いい結果で終えられることを願っています」

ステファン・ブラドル(MotoGP 総合20位)
「まずはマルクが回復していくことを心から願っています。そしてこのようなチャンスを与えてくれたHRCに感謝したいと思います。ル・マン以降、かなり進歩してきました。マシンに乗る時間が増え、Repsol Honda Teamと仕事を続けてきたことで、自分のレベルが上がってくるのを感じています。先週末のデータは役に立つでしょう。天気予報も今のところよさそうです。シーズンが終わりに近付いているので、忙しくなりますが、楽しみです」

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